グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

興味ぶかい野口悠紀雄さんのTPP論。

2011-11-18 23:12:01 | Weblog
興味ぶかい野口悠紀雄さんのTPP論。



レノボCEOの楊元慶さん  ののののの  アエラ 11.21.号.jpg

が、表紙の AERA 11月21日号 。

この号の 60ページに、野口悠紀雄さんのTPP論が載っていました。
見開きの2ページ分というスペースに、完結にまとめられていた内容は、

 TPPは貿易自由化ではなく不自由化なんです

という論調ではじまる、とてもわかりやすいものでした。とくに賛成
派と反対派の、ときに感情的になる議論にあきれた方、そして野田総
理の真摯なのでしょうけれど 意味がわからない答弁に疲れた方には、
お薦めです。ぜひ、ご一読を。。

 TPP 製造業があぶない。.jpg

◎ クールな質問ぶりが光った 佐藤ゆかりさんの国会質問は、こちら 。


▼ 「オバマさんの選挙がすむまでTPP問題を放置するのは無理?
と、思ってしまうのは、わたくしだけなのでしょうかね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染






作物の放射性物質汚染は、見た目の判断ができない。

2011-11-18 20:57:41 | Weblog
作物の放射性物質汚染は、見た目の判断ができない。

作物の吸収する要素の欠乏や過剰にはつぎのような症状が現われます。

 ● 食物の先端部の葉に出やすいのは カルシウムホウ素の欠乏
 ● 植物の根際に近い下葉は、マグネシウムの欠乏
 ● 古い葉にでやすい要素欠乏も、マグネシウムの欠乏

であることがほとんどです。そして上記のような微量要素の欠乏症状が発生
する場合には、カリの過剰チッソの過剰が原因のひとつであること が、
容易に予想できるわけです。

いままで栽培してきた経験則から、植物体内の養分の多い・少ないが容易に
推測できる
わけです。また、そのような障害の現れる場合のみに詳しい成分
検査をすることだけでも、充分に事態を収拾することが可能なわけです。

キュウリでもトマトでも、ピーマンでも、そしてキャベツでも、そう。

植物には、要素欠乏についてこのような共通の法則性があります〔先
祖は一緒だったからなのでしょうねぇ〕。

・・・しかしです。放射性物質では、こういった判断が出来ない。たとえ
放射性物質を吸収している植物体であったとしても

 正常な生育をしている個体と、見た目がいっしょ

というところが、問題となるわけです。その事実が、まさに検査が大事となる
理由
となります。


 写真は廃棄される「あんぽ柿」 。 20111112-348720-1-N.jpg

▼ 成分検査とあわせて、見た目の判断や聞き込みでプロファイリング
  しながら、作物の生育診断をする身としては・・・しょうじきいって
  くやしいですね、判断できないということが。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





農産物の安全確保には「検査数を増やす」こと。

2011-11-18 19:04:24 | Weblog
農産物の安全確保には「検査数を増やす」こと。

農産物の放射性物質汚染は、見た目ではわからないという おはなし
のつづきとなります。

 ↓

福島市大波地区(旧小国村)のコメから国の暫定規制値(1キロあたり
500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、政
府は17日、原子力災害対策特別措置法に基づき同地区で今年収穫した
コメの出荷停止を県に指示した。


というニュースのなかで、厚労省監視安全課のコメントとして

予備検査と本検査で何カ所も調べ、すべて
  規制値以下
だったのに、なぜ今ごろ規制値を超えるコメが出るのか」

というものがあります。ニュースは、 こちら 。

・・・気持ちはわかりますが、このコメントはいただけない。

〔いただけない〕理由は、この福島市大波地区のコメの場合、一連の検
査は、いわゆるサンプル検査で、この地域のコメも 

 「検体は42ヘクタールの水田から2つ

という、サンプル数が少ない状態の検査であったということからです。

この程度の検体での検査だったというわけですから『検体が少なかった
ために汚染がわからなかっただけだ
』・・・といわれても、これはしよ
うがないと思います。 ニュースは こちら 。
 
一般の方は、おそらく“ヘクタール”という面積の単位や、“単位あたり
のコメの収穫量
”がおわかりにならないと思いますので、その点をわか
りやすく整理してみましょう。

たとえば 重量からみた確率 などは、いかがでしょう。

10アールあたりの平均収量を、だいたい500キログラムとした場合に、
この大波地区の収量を ざっと計算すれば

 42ヘクタールの収量は およそ 210000キログラム 

となります。そこで 検体の量です。大目に見積もってわかり易く検体の
量を1キログラムとした場合に、重量からみる検体の数時による確率は
 
 1 / 210000 

の確率となります。21万個の検体のうちのひとつを調べたということに
なります。「検体は2つ」ということですので

 1 / 150000

と、考えてもよいかと思います。

そして、検体の量が 1キログラム以下の、たとえば 100グラムなど
であった場合は・・・

 1 / 1500000

と、150万個の検体のうちのひとつを調べただけになることも考えられ
るわけです。

この確率がどれくらいの数字であれば安全なものだと考えてよいのかは、
実際には 要する人手や検査機械の種類や検査機械の数、かかる経費の
多少にもよるのであろうは思いますが、原理原則として

 検査の数が多い

ほど、現実の汚染状況をより正確に把握できる・・・というのがまちがい
のない現実ということになります。

そういった意味あいから「全戸調査を実施してほしい」という大波地区の
要望は、じつにまっとうなものだといえると思えるんですよね。安全の割
合を高めるためには。 ニュースは  こちら


▼ しかしです。「見た目で判断できず、検査するしかない」という事態は
  なんとも 歯がゆすぎますね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染