焼き畑農法にはルールがあって。
指標作物が基準以上の大きさに成長していれば火入れをおこなうし、指
標作物の生育が基準以下であるならば、その土地の焼き畑としての利
用は見送られるといった焼畑農法のルールを、呪文とからめて ご紹介
しました。
そして火を入れたその後ですが・・・
〔切り揃えられた雑木と、火によって少なくなった枝葉のため〕見晴ら
しのよくなった焼畑に植えられる作物の順序も、もちろんきめられてい
ました。
1年目・ソバ→2年目・ヒエとアワ→3年目・小豆→4年目・大豆
といった順番が、一般的であったようです。
さて、それから 5年目以降はどうなるのか なのですが、ここで役に
たってくるのが、
● 火入れ前に胸高ぐらいの高さで切りそろえられた雑木
● 最初から切られずに残されていた有用樹と若干の大木
なんですね。これらの樹木は、火入れ後のつぎの春には芽を吹いてきま
す〔早い回復ですよ〕。いうならば雑木をのこしたままに、混作状態で
畑を作るわけです。
ちょっと考えると生産性や労働の作業性からみて、効率が悪いようにも
思えますが、そうではない。
なんといっても場所が、山の斜面・・・土壌侵食の防止という意味あい
からみて、これらの残された樹木は役立ちます。〔1年目の一作目前の
火入れで焼け、いっけん地上部は枯れたようにみえたとしても〕雑木の
地下部の根が、しっかりと土壌をつかまえてくれているのですから。
この雑木の存在ゆえに、土の持つ生産性は守られ、山の環境は保全され
ることになります。
その後、4年目の大豆の収穫がすむころには、その残された樹木が少し
づつ育つために耕作は中止され、そののち20年から30年の時を経て
火入れ前の雑木林の状態として再生されます。
このようにかつては日本の山岳部を中心として、広くおこなわれてきた
伝統的な農耕方法である焼き畑農業には、今回みてきたように環境破壊
に対する防止策がきちんと織り込み済みであったようです(その点、い
っせいに山の木をすべて伐採し、その後一斉に植林するという現代の人
口林管理のやり方のほうが、自然にはずっときびしい気がします)。
現代の日本の土砂災害の多さ・・それを目の当たりにするにつけ、先人
の知恵・太古からの伝統には頭が下がる思いがします。いじょう、「文
化を伴った形での焼畑農業は自然にも人にもやさしかった」・・という
焼畑耕作の一例のご紹介でした。
「むやみに山に火をつけてまわる」などといった、焼き畑農業に対する
現代人の持つ誤解を改めるきっかけになったとしたらさいわいです。
◎ 「火入れのルール」を遵守するために「山の神」を利用する・・・
といった、ある意味宗教的な工夫も見て取れるんですよね、焼畑農法
って。そのあたりの興味もつきません。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
指標作物が基準以上の大きさに成長していれば火入れをおこなうし、指
標作物の生育が基準以下であるならば、その土地の焼き畑としての利
用は見送られるといった焼畑農法のルールを、呪文とからめて ご紹介
しました。
そして火を入れたその後ですが・・・
〔切り揃えられた雑木と、火によって少なくなった枝葉のため〕見晴ら
しのよくなった焼畑に植えられる作物の順序も、もちろんきめられてい
ました。
1年目・ソバ→2年目・ヒエとアワ→3年目・小豆→4年目・大豆
といった順番が、一般的であったようです。
さて、それから 5年目以降はどうなるのか なのですが、ここで役に
たってくるのが、
● 火入れ前に胸高ぐらいの高さで切りそろえられた雑木
● 最初から切られずに残されていた有用樹と若干の大木
なんですね。これらの樹木は、火入れ後のつぎの春には芽を吹いてきま
す〔早い回復ですよ〕。いうならば雑木をのこしたままに、混作状態で
畑を作るわけです。
ちょっと考えると生産性や労働の作業性からみて、効率が悪いようにも
思えますが、そうではない。
なんといっても場所が、山の斜面・・・土壌侵食の防止という意味あい
からみて、これらの残された樹木は役立ちます。〔1年目の一作目前の
火入れで焼け、いっけん地上部は枯れたようにみえたとしても〕雑木の
地下部の根が、しっかりと土壌をつかまえてくれているのですから。
この雑木の存在ゆえに、土の持つ生産性は守られ、山の環境は保全され
ることになります。
その後、4年目の大豆の収穫がすむころには、その残された樹木が少し
づつ育つために耕作は中止され、そののち20年から30年の時を経て
火入れ前の雑木林の状態として再生されます。
このようにかつては日本の山岳部を中心として、広くおこなわれてきた
伝統的な農耕方法である焼き畑農業には、今回みてきたように環境破壊
に対する防止策がきちんと織り込み済みであったようです(その点、い
っせいに山の木をすべて伐採し、その後一斉に植林するという現代の人
口林管理のやり方のほうが、自然にはずっときびしい気がします)。
現代の日本の土砂災害の多さ・・それを目の当たりにするにつけ、先人
の知恵・太古からの伝統には頭が下がる思いがします。いじょう、「文
化を伴った形での焼畑農業は自然にも人にもやさしかった」・・という
焼畑耕作の一例のご紹介でした。
「むやみに山に火をつけてまわる」などといった、焼き畑農業に対する
現代人の持つ誤解を改めるきっかけになったとしたらさいわいです。
◎ 「火入れのルール」を遵守するために「山の神」を利用する・・・
といった、ある意味宗教的な工夫も見て取れるんですよね、焼畑農法
って。そのあたりの興味もつきません。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」