グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

波打ち際で耕運機をかける・・って、いったい?

2019-09-23 23:39:22 | Weblog
波打ち際で耕運機をかける・・って、いったい?

梅雨にはいって、まるで真夏みたいな陽射しが照りつける日南海岸。
そんな日南海岸にいくつもある浦のなかの、 とある砂浜の散策中に 
わたしは 砂浜に残された不思議な痕跡を見つけたのです。

けっこうな長さもある、その痕跡の現場の写真は、こちら↓。

 謎の耕運機.jpg

この痕跡を例えていうならば・・・そう 耕運機です。

エンジンを載せたフレームに、土を攪拌するための耕耘のための
 機械を連結し、人がうしろから〔自転車のハンドル状の〕ハンド
 ルを握った形で歩く形態の農業用の機械
』です。

そんな耕運機を、ヒトが動かした跡に見えたのです。

 幅が1メートル前後なので、けっこう本格的な耕運機。
 タイヤは太いタイプのもの。動かしている人の履物跡のないのは
 耕運機を前進ではなく、バックさせているから。。 


と、わたくしは推測しました。

しかし、です。問題は その場所。乾いた砂浜に耕運機をかける理
由が分からない。だいたい 乾いた砂をいくら掘っても、やるはし
からすぐに埋まっちゃって、穴なんて掘れやしないにきまっている。

さらに問題は、その進行方向。バックにギアをいれた耕運機の進行
方向が問題大あり。 だって、この痕跡からいえば

 耕運機をバックさせて海に向かってまっしぐら

ということになるのですから、穏やかではありません。・・・・ど
うにもこの耕運機を操作していたに違いない人間は、耕運機を引っ
張る格好で入水した
ようにしか思ないのです。







なぁんて、おどろかしちゃって、ごめんなさい

ご存知の方も、たくさんいらっしゃることと思いますが、じつはこ
の砂に残った〔耕運機がとおった跡などと表現した〕痕跡こそは、

 アカウミガメの母が産卵場所を探して上陸した際にできる痕跡

なのです。

 それが答えだ。.jpg

と、いったわけで、6月を中心とした西日本の太平洋側の海岸部に
おける初夏の風物詩。アカウミガメ母さんが砂に残した命のモニュ
メント
のご紹介でした。ちなみに、産卵からふた月あまり経過する
と・・・誕生した子ガメたちが母さんを追うかのようにいっせいに
海に向かって懸命に走りだしますよ。


晴れ 前回の​トラクター噺​のつづきとして、今回は
  過去分のものからの 再録となりました。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染