「ムサシは不正選挙」と、数年前からSNS上で拡散されています。今回の都知事選後もFacebookに下記のような投稿がありました。
選挙の基本!選挙には、次の事が必ず守られなければならない。
①選挙管理委員会は、絶対に政党と癒着のない厳選された第三者でなければならない。
②投票箱の輸送はタクシーなどではなく、しかるべきセキュリティのついた厳重なものでなければならない。
③立会人は政党とは全く無関係の人間を、立会人とすべき。
④開票の様子はカメラで撮影して全国に流すべき。
⑤選挙の監視は2階からではなく、どの場所にあっても監視できるように制限を解かなければならない。
⑥監視者からクレームがあった場合は必ず選挙の開票をそこで止めるべき。
⑦カメラ、ビデオ撮影を許可するべき。
⑧投票箱はジュラルミンケースではなく、諸外国がやっているのと同じように、誰でも外から目視できるようにクリアケースにするべき。
⑨開票は投票されたその場で行うべき。投票箱絶対に動かしてはいけない。
⑩開票機械は公平にするために、どのようないかなる政党も無関係のものを使うべき。
管理人は、新宿区議会議員時代に自分の選挙以外では「開票立会人」(選挙立会人)を何回もやっていましたので、その体験から「ムサシは不正選挙」について考えてみたいと思います。
現在は、世田谷区に住んでいますので世田谷区選挙管理員会事務局に電話をしました。投票所(投票区)は114箇所。開票会場は大蔵総合運動場体育館アリーナです。今回の都知事候補者は22名だったのですが、開票立会人は定数10人中3人でした。選挙管理委員は、自民党、公明党、共産党、立憲民主党社民党から推薦されている4人です。開票機器は(株)ムサシ製投票用紙計数機です。
次に、新宿区選挙管理委員会事務局にも電話をしました。開票会場は新宿コズミックセンターで、以前と同じく、職員が投票箱をテーブルに開けています。開票機器は当時から使用していた(株)ムサシ製投票用紙計数機で、都知事選挙の開票立会人は定数10人中3人でした。(株)ムサシの株主が誰だとか、何処の自治体もムサシを採用しているから「不正」だと言われているところです。
新宿コズミックセンター
管理人が新宿区議会議員に初当選したのは1971年4月ですが、自民党、日本社会党、公明党に次ぐ第四党になりましたので、選挙管理委員を共産党から推薦が出来るようになりました。現在の選挙管理委員は、自民党、公明党、共産党、立憲民主党無所属から推薦された4人で、委員長は一年任期です。
さて、投票時間8時が過ぎてから投票箱が開票会場の新宿区立スポーツセンター(現・コズミックセンター)に運ばれて、テーブルの上に開けられます。その時は、地域毎の政治勢力が分からないように、牛込・四谷・大久保地域などの投票所がバラバラになるように分けて開けられます。『開票は投票されたその場で行うべき。投票箱絶対に動かしてはいけない。』は、地域センター集会所や団地集会所の投票所で開票しろと言うことでしょうか。
投票用紙は、二つ折りにして投票しても箱の中で平らになる反発力がある用紙を使っています。管理人のエプソンプリンターも、新聞や書籍が逆さまでも文字起こしをしてくれますが、投票用紙はムサシ製投票用紙計数機に投入され、候補者と政党名毎にスキャンされて200票毎に分類されます。ここで不正が起きると言われています。「共産党」が「自民党」に、「長谷川順一」が「安倍晋三」に、「山本太郎」が「小池百合子」にスキャンされることは絶対にあり得ません。200票毎に分類された票は、職員が二度チェックします。200票毎に帯封で束ねられ、箱に入れられてから、開票立会人の前に置かれます。
開票立会人は、その帯封を一枚一枚確認し、帯封に朱肉でハンコを押してから、次の立会人に渡します。立会人は壇上から降りて職員の開票作業を見ることも可能です。この時々の票数を、二階の観客席から双眼鏡で見ている関係者に手信号で教えます。
最後は「疑問票」の確認作業が一番大変でした。投票者の意思を最大限に尊重するように国・都選挙管理委員会から通達があり、一定の判定事例が出されていますが、立会人が壇上であーだこーだと議論しながらも一票一票を「有効票」と「無効票」に確定していきました。「同姓・同名」がいた場合は、それまでの票数の按分比例になります。立会人が判を押した票を選挙管理者が判を押して確定します。
『選挙管理委員会は、絶対に政党と癒着のない厳選された第三者でなければならない。』『立会人は政党とは全く無関係の人間を、立会人とすべき。』と言われていますが、日本共産党が推薦している選挙管理委員がいる市区町村には「ムサシの不正選挙」はありませんし、多分、共産党推薦の選挙管理委員が不在であっても「ムサシの不正選挙」は、ないと確信しています。
(了)