カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

渋谷・副都心線の駅

2009-11-21 | エッセイ
先程、渋谷の副都心線の駅を観た。安藤忠雄氏の設計ということでTVなどでも盛んに宣伝されたものだ。観て開口一番「ナンダ、コリャ!」という凡庸な言葉しか浮かばないのだった。
ダメだ、と思った。かいこの繭のような球体が模型では示されているが、実際は複雑な諸機能によって分断され断片化されてしまっていた。吹き抜け部分もTVなどでは褒めあげていたが、手摺りなど、いかにもどこかのゼネコンの好みそうな安易なディテールで面白くも何ともない。安藤氏のディテールの簡潔さ、というところだけが利用された感じだ。あれが安藤氏の手になるディテールなのだろうかと疑った。残りの半分は現在施工中だったが吹き抜け部分は死んだ空間となっていた。
球体の断片化されたものがそこを通過する人々の中で再形成されうるかというと、それもなさそうだ。建築にたいするこの国の人々の無理解も考え合わせるとなおさらそう思う。
コンセプトが貫徹されていない感があった。。安藤忠雄氏の周りに、利用しようとするばかりであまりいい人間がいないのではないか、とさえ思った。
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東北・秋の旅

2009-11-21 | 旅行


 11月の12,13,14日と東北の旅をして来た。訪れた街は、函館、青森、仙台、etc・・・である。
 天気は行く前の予報で、期待できなかっただけに雨にほとんど降られなかったのは幸いであった。13日に仙台に泊まった晩に、かなり降ったがその時は既にホテルにチェックインしていたのである。14日は午前中はほとんど寝ていて、大浴場などにも入り、ゆっくりとチェックアウトして松島見物に出かけた。その時は雨も止み、夕方には晴れ間も覗いたのである。函館はさすがに寒くダウンジャケットのありがたみが倍加したが、他はそれほどの寒さは感じなかった。
 概して天気には恵まれたといってよいだろう。

 旅程は次のようであった。12日、予定外で脚を伸ばし、函館見物。函館山にも登った。当初予定の青森まで戻り、ホテルアベストに宿泊。13日、朝食をホテルで済ませ、三内丸山見物。行く時のバスの中で垣間見た青森県立美術館が、見て直ぐ建築界で話題のものであることに気付き、こんなところにあったのか、という思いで続けて見物。下調べ無しの、偶然であった。午後になって仙台まで移動。この頃にはかなり疲労した。旅の気疲れと、どういう訳か人の視線に疲れたのである。夜、ホテルドーミーイン仙台にチェックイン。大浴場と、部屋に備え付けのマッサージチェアーでほんとに人心地ついた。部屋で休むうち、元気が少し回復し、近くの仙台メディアテークへ10時まで開いているというので歩いて行くことにした。近かった。帰りに中華を食べホテルへ。ここでもサービスの夜泣きソバというのを食べた。かなり腹が膨れたが、何のこれしき食いだめができて万々歳であった。14日、さすがに疲れていて、雨も降っているので午前中はホテルでごろごろしていた。午後松島へ。この頃には雨も上がった。遊覧船に乗り湾内見物。瑞巌寺見物。松島からすぐ近くの塩釜駅へ。日が暮れて夜になりかなり疲労していたが、塩釜神社見物。その後、仙台へ。ここで牛タン定食で晩御飯。土産物なども買い、新幹線で帰途に就く。・・・・といった行程だった。かなり簡潔にまとまったようだ。大まかなところはこんな感じだ。全体を通して良い旅だったと思う。

 ・・・・・問わず語りに・・・・・・今回の旅で、耳鳴りに悩まされた。具体的な音として聞こえるのではなく、ノイズのような感じで聴覚に神経が無意識のうちに行ってしまうのではと思っている。ここ十年くらいそうであり、ノイズとして感じる時とそうでないときがある。 函館ではあまり感じなかったのだが、三内丸山と松島を見物している辺りでひどく、少々疲れた。私は仕事がら視覚からの情報は重要で、しかも大切にしているのだが、聴覚を刺激するノイズが邪魔をして、よく見ようとしているにもかかわらずいつもの目の集中力が得られないといった感じで、困った。驚くべきことに景色を見ることになかなか集中できなかったのである。何度目を凝らしてもそうだったのである。実感としてこのように感じたのは初めてである。以前医者へ行って聴力検査をしてもらったこともあるが、聴力は良い方である。耳鳴りの原因は分からない。病名も医者から聞かされたことが無い。旅の話が、耳鳴りの話へとそれた。

 ・・・・・・・・・・・三内丸山へは、青森駅前からバスに乗った。丁度小学生のちびっこ見学客たち1クラス分と乗り合わせることとなった。赤と白のツートンカラーの帽子をかぶり、女の先生に引率されて三内丸山見学へ向かう彼ら彼女らは元気一杯だった。バスに乗り、私はそのちびっこたちの間に半ば埋まるようになりながら三内丸山へと進んで行ったのである。バスの中で彼らのおしゃべりを聞くともなしに聞いていると可笑しかった。男の子は、家族で行ったらしい釣りの話をし、また別の誰かが、どこで何が釣れたかと聞き、海苔弁が食べたいと唐突に言い出す者がいて、海苔と鳥のそぼろとご飯を重ねたのが旨いんだと、舌足らずで追いつかぬ口調で言い、隣の席の者が、鳥のそぼろって何?と聞くと、一生懸命また説明するといった具合でバスは進んで行くのであった。三内丸山の手前で青森県立美術館が窓から見えると誰かが、あの美術館、冬、雪が降ると何処にあるか見えなくなるんだよな、と言い合っていた。建物全体が白い色だし、その通りなのだろうなと、可笑しかった。
 バスを彼らと一緒に降りた。三内丸山の広々とした草原に立つと太古の風景が想像された。風が冷たく強かったがすがすがしかった。復元された建物の間をさっきの小学生たちが風に乗るように駆けているのが遠目に見えた。その背後、遠くに何処かの山並みが見えた。数千年の昔もこんな感じだったのかもしれない、と思った。山があり、風が吹き、子供たちが走り・・・・・・・・

 

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