福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ワルター&ニューヨーク・フィルのブラームス「2番」を彷彿とされるエリシュカ先生のドヴォルザーク「6番」

2017-10-20 01:15:43 | 美術


エリシュカ先生との大阪フィル定期初日が終わりました。写真は、コーラスに御満悦のエリシュカ先生ご夫妻とのスリーショット。

幕開けの「伝説」は、ドヴォルザークの管弦楽作品の中でも余り知られていない作品ですが、エリシュカ先生から生まれいずる音楽の懐かしさ、温かさはまさにドヴォルザーク。まったく魅了されました。

つづく、「テ・デウム」も国内で演奏されることの殆どない作品。ドヴォルザークのスペシャリスト、エリシュカ先生と共演できたことは、大阪フィル合唱団にとっても、わたしにとっても幸せなことでした。

後半の交響曲第6番は、エリシュカ先生の十八番。作品への愛情の深さが、実際の音となる様は壮観。 「6番」の実演を耳で聴くのははじめてでしたが、ドヴォルザークの本質を聴いたように思います。素朴で、これ見よがしの作為がありません。
どの楽章も気合いの入った名演でしたが、なかでもフィナーレは、ワルター&ニューヨーク・フィルによるブラームス「2番」の大名演と同じ土俵で評価出来る名演と呼べましょう。

2日目が楽しみであるとともに、日本に於ける最後の共演ということは寂しい限り。