福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

エリシュカ先生との美しい時間

2017-10-22 01:28:18 | コンサート


大阪フィル定期2日目終了。
エリシュカ先生ともお別れです。とても寂しいことだけれど、この愛すべきチェコの巨匠と、合唱指揮者として二度もご一緒できた幸せ(しかも、ドヴォルザーク!)を噛み締めるほかありません。

写真は、テ・デウムを終えての舞台裏での1枚。木下美穂子さん、青山貴さんとの共演も嬉しいことでした。

定演2日目となり、エリシュカ先生と一体になったオーケストラは本当に良い響きがしていました。そのたっぷりした響きに朝比奈先生の面影を感じたものですが、終演後、同じ感想を持たれた方の多いこと! 在京オケに較べると、洗練されていない点もあるとは思いますが、ある意味、野趣に溢れたガッツ溢れるサウンドは朝比奈先生時代からつづく大阪フィルの持ち味であり、この稀少な個性を良い方向に伸ばしていって欲しいと願います。

テ・デウムに於けるコーラスも、よく歌ってくれました。恐らく本人たちには不本意な場面もあったでしょうが、クライマックスに於けるアレルヤの高らかな響きはかつてはつくれなかったものです。この響きを更に発展させていきましょう。



終演後、自然発生的に湧き起こったスタンディングオベーションはまさに感動的で、客席に居たわたしも思わず涙してしまいました。本当に美しい時間でありました。

わたしは自分のコンサートの準備のため伺えませんが、エリシュカ先生と札響さんとの最後の公演も素敵なものとなるでしょう。ご盛会をお祈りしております。