冬の在る日 東京にいきました
ともだちのアングラを覗きに来たのでした
麦穂とひまわりの花束を持っていきました
その夜
ともだちの風呂のない六畳一間の下宿の炬燵の中で
白い蛇の夢を見ました
蛇は部屋の真ん中で
とぐろを巻いて
静かに赤い舌をだしていました
それからしばらくして
蛇がともだちの身体に
棲み憑いていることに気付きました
右肩にとぐろを巻いているのを
夏の在る日に
見つけてしまったのです
ともだちはわらっていいました
この蛇は
いつかは白でなくなるの
わたしの肌の色にそまっていくの
みどりにすればよかった
そしたらみどりのままでいられたのに
蛇は木に巻きついているようでした
ともだちのうでの かぼそい夢の中で
蛇の舌がちろちろするように脈打っているようでした