明鏡   

鏡のごとく

白い蛇

2011-07-15 22:38:32 | 夢詩
冬の在る日 東京にいきました
ともだちのアングラを覗きに来たのでした
麦穂とひまわりの花束を持っていきました

その夜
ともだちの風呂のない六畳一間の下宿の炬燵の中で
白い蛇の夢を見ました

蛇は部屋の真ん中で
とぐろを巻いて
静かに赤い舌をだしていました


それからしばらくして
蛇がともだちの身体に
棲み憑いていることに気付きました

右肩にとぐろを巻いているのを
夏の在る日に
見つけてしまったのです

ともだちはわらっていいました
この蛇は
いつかは白でなくなるの

わたしの肌の色にそまっていくの
みどりにすればよかった
そしたらみどりのままでいられたのに

蛇は木に巻きついているようでした
ともだちのうでの かぼそい夢の中で
蛇の舌がちろちろするように脈打っているようでした