あなたの世界が終わってもわたしたちの世界は続いた わたしたちなりに
朝日新聞デジタル
国際
北米
記事2012年12月7日21時43分
【ワシントン=望月洋嗣】米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は6日、米ネバダ州の核実験場で、核爆発を伴わない未臨界核実験を実施したと発表した。未臨界核実験は昨年2月以来で、オバマ政権下では4回目。通算では27回になった。
「核兵器のない世界」を唱えるオバマ政権は、安全保障上の核兵器の役割を縮小することを目指しているが、世界に核兵器が存在する間は、高い核戦力を維持する方針も示している。また、核戦力維持の理由のひとつに、北朝鮮の核開発問題に直面する日韓など同盟国への「核の傘」(拡大抑止力)の提供を挙げる。
今回の実験は以前から予定されていたもので、政治的な意図はないとみられる。NNSAのダゴスティーノ局長は「未臨界実験によって、我々は(核爆発を伴う)地下核実験を行わずに、核兵器の安全性や有効性を維持できる」とコメントした。
未臨界実験では、地下核実験場で火薬を爆発させて核兵器の性能を確認する。NNSAはこのほかに、未臨界実験を補完する新しいタイプの実験を計5回実施している。
2011年7月20日10時10分
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米政府が、核爆発を伴わない「未臨界核実験」を昨年12月と今年2月に実施していたことが分かった。オバマ政権下での未臨界実験は、昨年9月を含めて計3回になった。米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は「定例的な実験だ」としているが、「核のない世界」を唱えるオバマ政権下での相次ぐ実験に批判も出そうだ。
NNSAはネバダ核実験場で昨年12月1日と今年2月2日に実験を実施。事前告知や直後の発表はせず、6月に発表した保管中の核兵器に関する実験報告書に記載した。実験は核兵器が爆発事故を起こさない「安全性」や、実際の使用時に設計通りの破壊力が出せる「信頼性」を確認することが目的だという。
オバマ政権は、従来は行われていた事前の告知をしないため、実験の透明性を問う声もある。NNSAは「透明性や説明責任は、報告書への記載によって果たしている」としている。
未臨界核実験は、クリントン政権下の1997年に初めて行われ、今回で26回目。オバマ大統領は、ロシアとの合意に基づいて核弾頭数の削減に取り組む一方、残存する核兵器の信頼性を維持する方針を示している。(ワシントン=望月洋嗣)
2010年10月13日10時5分
【ワシントン=望月洋嗣】米国が核爆発を伴わない未臨界核実験を9月半ばに実施していたことが12日、分かった。実験は2006年8月以来4年ぶりで、「核のない世界」を提唱するオバマ政権下では初めて。オバマ大統領には核廃絶の主導役として期待が高く寄せられてきた中で、国際的な批判も出そうだ。
米エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)の発表によると、実験は「バッカス」と名付けられ、原爆開発でも知られるロスアラモス研究所が9月15日、ネバダ核実験場で実施した。核分裂連鎖反応が起きない量のプルトニウムに爆発の衝撃を与え、その動きを調べる内容で、核爆発は起きなかったとしている。データを収集し、保管中の核兵器が爆発事故を起こさない「安全性」や、実際に使う時に設計通りの破壊力が出せる「信頼性」を維持することが目的だという。
オバマ政権は、安全保障上の核兵器の役割を縮小するとし、ロシアとの新たな核軍縮条約の早期発効や核テロ対策などに力を注ぐ。ただし、核兵器が存在する限りは現在の核戦力を維持する方針も明確にしており、核関連設備の近代化や管理体制を強化するために関連予算を増額していた。あらゆる核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)の批准を目指す一方で、未臨界実験は同条約に違反しないとの立場だ。
だが、未臨界実験は、核兵器の廃絶を目的とするCTBTの精神に反し、同条約の空洞化につながるとの批判は根強い。また、核爆発が本当に起きていないかどうか、地上から検証することは難しく、そのことに懸念を表明する国も多い。
米国はクリントン政権下の97年に初めて未臨界実験を実施し、今回は24回目。ブッシュ前政権は10回行った。NNSAは今後の実験計画について「実施の際には公表する」とだけコメントした。
国際
北米
記事2012年12月7日21時43分
【ワシントン=望月洋嗣】米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は6日、米ネバダ州の核実験場で、核爆発を伴わない未臨界核実験を実施したと発表した。未臨界核実験は昨年2月以来で、オバマ政権下では4回目。通算では27回になった。
「核兵器のない世界」を唱えるオバマ政権は、安全保障上の核兵器の役割を縮小することを目指しているが、世界に核兵器が存在する間は、高い核戦力を維持する方針も示している。また、核戦力維持の理由のひとつに、北朝鮮の核開発問題に直面する日韓など同盟国への「核の傘」(拡大抑止力)の提供を挙げる。
今回の実験は以前から予定されていたもので、政治的な意図はないとみられる。NNSAのダゴスティーノ局長は「未臨界実験によって、我々は(核爆発を伴う)地下核実験を行わずに、核兵器の安全性や有効性を維持できる」とコメントした。
未臨界実験では、地下核実験場で火薬を爆発させて核兵器の性能を確認する。NNSAはこのほかに、未臨界実験を補完する新しいタイプの実験を計5回実施している。
2011年7月20日10時10分
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米政府が、核爆発を伴わない「未臨界核実験」を昨年12月と今年2月に実施していたことが分かった。オバマ政権下での未臨界実験は、昨年9月を含めて計3回になった。米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は「定例的な実験だ」としているが、「核のない世界」を唱えるオバマ政権下での相次ぐ実験に批判も出そうだ。
NNSAはネバダ核実験場で昨年12月1日と今年2月2日に実験を実施。事前告知や直後の発表はせず、6月に発表した保管中の核兵器に関する実験報告書に記載した。実験は核兵器が爆発事故を起こさない「安全性」や、実際の使用時に設計通りの破壊力が出せる「信頼性」を確認することが目的だという。
オバマ政権は、従来は行われていた事前の告知をしないため、実験の透明性を問う声もある。NNSAは「透明性や説明責任は、報告書への記載によって果たしている」としている。
未臨界核実験は、クリントン政権下の1997年に初めて行われ、今回で26回目。オバマ大統領は、ロシアとの合意に基づいて核弾頭数の削減に取り組む一方、残存する核兵器の信頼性を維持する方針を示している。(ワシントン=望月洋嗣)
2010年10月13日10時5分
【ワシントン=望月洋嗣】米国が核爆発を伴わない未臨界核実験を9月半ばに実施していたことが12日、分かった。実験は2006年8月以来4年ぶりで、「核のない世界」を提唱するオバマ政権下では初めて。オバマ大統領には核廃絶の主導役として期待が高く寄せられてきた中で、国際的な批判も出そうだ。
米エネルギー省国家核安全保障局(NNSA)の発表によると、実験は「バッカス」と名付けられ、原爆開発でも知られるロスアラモス研究所が9月15日、ネバダ核実験場で実施した。核分裂連鎖反応が起きない量のプルトニウムに爆発の衝撃を与え、その動きを調べる内容で、核爆発は起きなかったとしている。データを収集し、保管中の核兵器が爆発事故を起こさない「安全性」や、実際に使う時に設計通りの破壊力が出せる「信頼性」を維持することが目的だという。
オバマ政権は、安全保障上の核兵器の役割を縮小するとし、ロシアとの新たな核軍縮条約の早期発効や核テロ対策などに力を注ぐ。ただし、核兵器が存在する限りは現在の核戦力を維持する方針も明確にしており、核関連設備の近代化や管理体制を強化するために関連予算を増額していた。あらゆる核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)の批准を目指す一方で、未臨界実験は同条約に違反しないとの立場だ。
だが、未臨界実験は、核兵器の廃絶を目的とするCTBTの精神に反し、同条約の空洞化につながるとの批判は根強い。また、核爆発が本当に起きていないかどうか、地上から検証することは難しく、そのことに懸念を表明する国も多い。
米国はクリントン政権下の97年に初めて未臨界実験を実施し、今回は24回目。ブッシュ前政権は10回行った。NNSAは今後の実験計画について「実施の際には公表する」とだけコメントした。