明鏡   

鏡のごとく

飛び立つまえのにほい

2013-01-11 23:14:24 | 短歌
だれかがきゃっぷをゆるくしめていたようで
よこになってしまった瓶から漏れていた醤油
たちこめるかぐわしきにほい

子供の頃
ここから飛び立つまえ
古い銀行のまえで
醤油を積んだライトバンがアクセルを踏み間違えて
突っ込んできた衝撃を受けた
ふりかえると
醤油が道のそこに溜まっていた

ここから飛び立つまえの徴のような
ようじにしみこんだ
たちこめるくろびかりするにほい