明鏡   

鏡のごとく

血文字

2014-06-23 23:27:22 | 短歌
虫をすりつぶした赤でかかれた書があり
虫の血と体が粉々になり
書の中で赤裸々におどり
全身全霊の赤

人の血が集められ書かれた血判書があり
文字は血をもって書かれ
書は血と言葉の一体なり
赤一点ばりの血

人の指先からこぼれた虫の一息の赤
ぼくたちは
これほどの赤を
もちえるのだろうか