明鏡   

鏡のごとく

人生タクシー

2018-08-29 18:15:21 | 詩小説
人生タクシーを見た

人を乗せて街を走る車

車には生きた証拠のような記録が残る

我々は生きているような

時々 乗りこむ乗り合いタクシーに

乗っては降りているような

記録はそこに存在しているようで

姿の見えない証人か

精霊か神のようで

そのまま野ざらしにされた

車の中の時間だけ

止まって見える記憶のようで

我々は一台のタクシーのようで

運転手一人ではやりきれないようで

我々は話したのだ

花火は夏と笑う幼子のように

時々打ち上げられた花火を見つけるように

生き過ぎたいき場所に

再びたどり着けるように

愛しいものと話し続けられるように