明鏡   

鏡のごとく

石を運ぶ

2020-12-31 23:18:05 | 詩小説
石を運ぶ人々が暮らす村があるという。
それから、本を運ぶようにもなったという。
いずれも重いものであるにもかかわらず。
運び続けているうちに。
移動本屋となり、いつしか、本屋になっていったという。
石が意思となり石造りの家の中を意思の塊の本で満たされていく。
満ち満ちていく。
石が行き来る。
意思が行き来る。
石を運ぶ。
転がそうか。投げようか。
石を運ぶのだ。

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