私が始めて乗ったレース車両は
チームで作ったレンタルマシンであると前に書いたが、
レンタルである以上自分以外の誰かが当然乗るわけで、
乗る人間もレース初心者がほとんどであった為、
そのレース車両がクラッシュ廃車になるまではそう時間がかからなかった。
でもクラッシュして廃車になった場合には、
廃車とはいってもボディーが駄目になるだけなので、
その他の大概の部品は再使用、
早い話がボディー交換ということになる訳だ。
そして二台目の製作にとりかかった訳だが、
これが自分達でやるとなると簡単な話ではない。
まず、安い中古車を探して来るわけだが、
ボディーだけ売っている筈が無いので、
その中古車の全てのパーツを一旦外し、
更に軽量化する為に防音材やら、雨漏りを防ぐシールなんかも綺麗に取り除く。
そしてボディーの強度を落とさない程度に、更にいらない部分を切り抜いていく。
それから補強などを施してから色を塗る訳だが、これも結構大変。
多分この色塗りを経験すると、板金塗装の価格が高い理由がよく分かる。
そして今度はクラッシュした車のパーツを外して
使えるものは残らず再使用してパーツを移植して終了。
こんな感じで、書いてしまうとあっという間に出来上がり。
でも実際には違うんだよね。
みんなで仕事終わりに4人くらいで集まって、
ほとんど毎日毎晩遅くまでかかって要約できた時には感動もんな位なんですよ、これが!
だからできた時には
「やったーーーーーーーーー」
って、
本当にそれしか言葉にならないくらいうれしいものなんですよ。
やっとのことでチームで一台出来た2代目にはきちんとタコメーターも付いているし、
紫っぽい塗装もしてあって、1代目と比べると見違えるほどレースカーらしい。
そしてまた自分が一番最初に乗せていただくことになり、
でもこの時も時間が無くてまともな練習もしないまま予選スタート!!
ところが・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やってしまった。
まだピットを後にしてわずか2キロ程度、コースにしてまだ半周程度の、忘れもしない登りの右コーナー・・・・・・・・・・
転倒
流石にこれは精神的にも車にもダメージが大きかったのは容易に想像できるでしょ。
逆さまになってとまった車は、くしくも自分で組んだロールバーのおかげで私を守ってくれ、
シートベルトに固定され宙吊り状態の私はそのままシートベルトを外すと共に天井に頭から落下。
でも怪我一つ無くそのままリタイヤ。
最初は「夢」かな?とか思い、次には、
「夢だったらいいな」
とか、現実逃避に入り、
もう心ここにあらずの放心状態。
今思うと、チームのみんなも一番若手の私を責めようにも責められなかったんだろうなと思う。
あの時はごめんね。(T_T)