最近はニュースのサイトから記事が消えるのが早い。あるニュースについて調べようとしてもブログの記事しかないので困るということを言っていた人もいたと思うが、これはニュースサイトが記事をすぐに消してしまうことと無関係でなくて、これに関して責められることがあるとすればマスメディアの方であろう。
もっとも新聞社のサイトが記事を残していたら縮刷版などが売れなくなるということがあるので新聞社などからそれば当然だろう。その一方でサイトの充実も図らなければ「時代遅れ」のレッテルを貼られかねないということもあるだろう。そんな中で自分などはとりあえずニュースのURLをコピーしておいて、あとから考えを書こうとしたりするといつの間にか消えていたりする。
というわけで今も消えた記事について記憶を元に書くが、とりあえずニュース記事が残ってるうちに書かねばならないことの一つが片山武司元理化学研究所主任研究員の旅費の二重取りである。
こちらが今見られる記事になります。
これはたしか今は消えている朝日のサイトの記事によれば「不起訴」になったはずだが、自分の感覚ではまったく納得がいかない。社会的制裁が行われているなどというが、氏名の公表だけで充分な社会的制裁とはいえないことは学者による公費の不正流用の例が後を絶たないことなどから明らかではないか。しかもこの教授は東大をセクハラで諭旨免職になってるらしいから、なおのこと納得がいかない。
これは記憶になってしまうが、4月17日の東京新聞で東京大学前学長の佐々木毅氏が「政治家がうの目たかの目で予算を減らそうとしている」などと不満を述べていたが、あれだけ在任中に公費に関する不正が発覚していながらそういうことを言うというのはまったく呆然とせざるをえない。
堤教授の不正使用だけでなく、その発覚に際し記者会見に同席していた似田貝香門・副学長も不正に科研費を受け取りながらきわめて甘い処分しか行われていなかったと記憶する。
そしてまた今度の片山の件が発覚しても結局不起訴である。公費に関する不正は金を戻して名前が出て一件落着というのが「相場」になってしまっているようだが、禁固刑などできるだけ厳しい処分が行われるべきだし、科研費などの研究費の大幅な見直しも国を挙げて取り組むべきではないだろうか。
セクハラで職場を追われた人間がさらに天下りのような形で研究所にいるというのも驚きだが、よくよく考えてみると理研の野依理事長にしてからが、海外の賞金などに関して納税義務を知らなかったということで「申告漏れ」していたわけでもはやこの国のマスコミや司法および税務当局は学者先生のお金に関する不祥事には極めて甘いことは否定しがたい事実であろう。