『大いなる遺産』(デヴィッド・リーン監督 1946 英) を観た。
子供のころ深夜にテレビ放送で観て以来、ずっと気になっていた映画だ。
子供時分の記憶は確かなもので、一度しか見ていないのに細部まで覚えていた。
以前視聴した時は、埃と蜘蛛の巣だらけの邸宅に住む老女と、わたしの祖母を重ねて見ていた。
そんな思いも場面場面を記憶に焼きつける役割を果たしていたのかもしれない。
ハビシャム邸でエステラと再会したピップが、埃だらけのカーテンを引きちぎり、
板戸を打ち壊し、差し込む日の光と吹き込む風でミス・ハビシャムの呪縛からエステラを解放する最後の場面は、
今見ても胸に迫る。
ディケンズの原作は読んだし、'98 年のキュアロン監督の翻案も観た。
'12 年のニューウェル監督版は DVD こそもってはいるものの未見。
明日当たり観てみようかと思う。
映画を観終えて、二三時間眠ってから地主さん宅に地代を支払いにいき、
帰路スーパーで安ウィスキーを買い込んで、家でちびちび飲んでいたら再び眠たくなり、
そのままスヨスヨと眠っている所をイカの電話で起こされた。
眠い頭で話半分にイカの言に耳を傾けていると、好事家氏の悪口をまくしたてている。
なんでもつまらないことで喧嘩になったらしく、好事家氏にしては珍しく感情的になったそうだ。
イカもすぐに腹を立てるから、多分本当にどうしようもないことで言い合いになったのだろう。
いつまでも稚気の抜けない人たちだ。