水遊び猫

 みゆちゃんが一時はまっていたのが、水遊びである。台所の窓際には、金魚とめだかそれぞれの鉢と、本来は魚の替え水用なのだが実質はみゆちゃんの飲み水になっているバケツの水が置いてある。それらの中に、こわれた猫じゃらしの先っぽやビニタイを放り込んで遊ぶ。
 最初は、おもちゃを床の上で滑らして遊んでいるうちに、あやまって水の中に落としてしまったのかと思っていた。だが、水槽の底に沈んだおもちゃを拾ってやるとまたすぐ水の中に入れるので、わざとやって遊んでいるのだとわかった。
 家の者が眠っている夜中によくこの遊びをやるようで、朝起きてみると、今日は水槽に何が入っていた、ということになる。ウィスキーのボトルについていたジャズマンのフィギュアをテレビの上に二体並べて置いていたのだが、ある朝見ると、サックス吹きがいない。どこに行ったのかと探したら、バケツの底に沈んでいた。
 ただ物を水に沈めるだけではなく、みゆちゃんはそれを再び拾おうとする。たいていの猫は水が嫌いであるから、これにはおどろいた。バケツの水は結構深く入っているので、底に足の裏をつけると、水はみゆちゃんの二の腕あたりまで来る。それでもかまわず、ずぼっと手を浸け、底に沈んだビニタイを突付いている。耐水猫には恐れ入るが、もちろん濡れた手を拭いたりはしないので、そこらじゅうが水だらけ、私はせっせと拭き掃除をさせられたのであった。


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