猫と息子(その2)

 一歳の息子が保冷バッグを提げて遊んでいると、みゆちゃんが息子の持つバッグの中に入ろうと片手を縁にかけた。みゆちゃんの手をほどこうと息子はバッグを引っ張る。みゆちゃんは無理にでも入ろうと、後足で立って首をバッグの中に突っ込む。みゆちゃんの侵入を防ごうと息子はバッグを持った両手を高く挙げるが、身長が足らないのであまり意味がない。まるで子供同士の取り合いのようだ。しょうがないので色違いで同じ形のバッグを息子に渡して、その場は収まった。
 最近、息子は猫の出来ないいろんなことができるようになって、ようやく猫を追い抜いたかと思ったが、このバッグの取り合いを見ていると、まだまだ同じレベルでみゆちゃんと張り合っているところがある。少し前までは明らかにみゆちゃんが息子をリードしていて、よちよちと危なっかしげに歩く息子を相手に、鬼ごっこを仕掛けたりしていた。
 今でもみゆちゃんのほうが一枚上手な例もある。おもちゃの汽車を取り合っているとき、みゆちゃんはいったん退いて別のおもちゃの箱の中にぴょんと入り、息子の気を箱の方に引きつけておいて、そのあいだに汽車の座席に陣取ったのである。
息子の真似をみゆちゃんがすることもある。私の服の飾りボタンを息子がいじっていると、それを横で見ていたみゆちゃんも、私の服の別のボタンを同じように前足で突っつき出した。猫とこどもに両側からボタンを引っ張られ、私は奇妙な気分である。
 今のところ、お互いにちょうどいい遊び相手なのかもしれない。


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