猫vs掃除機

 掃除機をかけていると、ソファの上のひざ掛けがもぞもぞ動いて、中で眠っていたみゆちゃんが逃げ出していった。みゆちゃんは掃除機が怖い。しっぽを吸うなどのいたずらをとくにしたわけでもないのだが、掃除機をかけると部屋を逃げ回る。二階まで逃げていた以前に比べると少しは慣れた。たとえば座布団の上で落ち着いているときに掃除機が近づいてくると、この快適な場所を捨ててまで逃げるべきか、怖いけれど耐えるべきか、かなり悩んでいるようである。
 掃除機が嫌いな猫は多い。掃除機の轟音が嫌なのか、吸い込み口を得体の知れない動物の口だと思うのか。一見怖いもの知らずの実家のトラ猫ネロも、自分と同じくらいの大きさのハンドクリーナーが怖い。怖いが暴君ネロの名に恥じないよう、ただ逃げ回るだけでなく一応反撃を試みる。掃除機が動かなくなると、隠れていた物陰からそっと出てきて逃げ腰のまま近づき、できるだけ離れた場所からえいっと掃除機に猫パンチを食らわして、また逃げる。
 その様子が面白いので、いたずらをする。掃除機のスイッチをオンにしたまま、コードは伸ばして抜いておく。掃除機が動いていないと思って、ネロがびびりながら反撃しに近寄ってきたところで、こっそりコードをプラグに差し込むと、突然動き出した掃除機にネロは飛び上がってあとずさり。しかし、しばらく様子を見て掃除機が動きそうにないと、また猫パンチを繰り出しにじわじわと近寄ってくる。
 ところがネロよりもずっと小柄な雌のトラ猫ちゃめは、掃除機が平気である。掃除機でおなかを吸ってみても、怖がるどころかホースを噛んだり蹴ったりの大反撃。これには驚いた。
 みゆちゃんがちゃめにけんかで負けるわけである。


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