ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ
猫と千夏とエトセトラ
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バケツの水(トラックバック練習板)
2006年11月10日 / 猫
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/1e/f30e966fdda903893054984e58c1d138.jpg)
バケツのように大きな器から豪快に飲みたいのかと思ったら、台所の流しや、風呂場にたまった水をぺちゃぺちゃやっていたりするから、そういうわけでもなさそうだ。
ところが最近、よちよち歩きの息子がひっくり返してはいけないので、魚の水槽とバケツの水を外に出してしまった。みゆちゃんは、代わりに用意した猫の絵のついた小ぶりのバケツで、いかにもしぶしぶといった様子で水を飲んでいる。
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いもさんたち(後篇)
2006年11月10日 / 虫
そして二月の下旬、ピッコリーモちゃんは羽化してしまった。まだまだ外は寒い。蛾の寿命がどれほどなのかわからないが、春が来るまで、私はピッコリーモちゃんを部屋の中に置いておくことにした。
そうなれば餌をやらなければならない。オオタバコガの成虫は何を食べるのだろう。ネットで調べてみると、サクラソウ科の花の蜜らしい。蛾も蝶と同じように花の蜜を吸うことをはじめて知った。ためしにテーブルの花瓶に挿したユリの花にピッコリーモちゃんを乗せてみると、おどろいたことに急に活発に羽を動かして花の中心部へ向かい、ストローを伸ばして蜜を探すように花弁の上に走らせた。蛾にもくるくると巻いた舌があるとは知らなかった。新しい発見の連続である。だがユリの花ではだめらしい。その日はもう遅かったので、次の朝さっそく花屋へ行って、ちょうど花の咲いている桜草の鉢植えを買ってきた。
ピッコリーモちゃんを、花の上に乗せてみる。すぐにくるっと巻いた舌を伸ばして、花の上をつつくように動かし、何度かの試行のあと蜜のありかを探り当てた。
桜草の鉢植えは目立つところにおいてあるのに、ピッコリーモちゃんは自分では食事に行こうとはしない。仕方がないので、毎朝仕事に行く前と夕方帰宅したときに、いつもカーテンの上にいるピッコリーモちゃんを花の上に乗せてやった。ピッコリーモちゃんが蜜を吸う様子を見て、私は満足感を覚えた。
ピッコリーモちゃんは薄汚れたような茶色の地味な蛾であったが、目は恐ろしく美しかった。深い深い、吸い込まれるような不思議な緑色をしていた。それが夜になると、漆黒へと変わるのである。
春はまだ遠い。暖かくなったら外の世界へ放すのだという夢想的な希望を抱きながら、現実には多分春まではもたないだろうという諦めもあった。
ある晩、蛍光灯の周りをひらひらと飛んでいたピッコリーモちゃんが、突然、そう突然に、ぱたりと落ちた。驚きと、同時についに来たかと思った。
ピッコリーモちゃんはもう飛べなかった。手のひらに乗せた小さな体は急速に弱っていく。そしてあの美しかった緑色の神秘的な目が、みるみる光を失っていき、ただの平面的な物質へと変わっていった。ほとんど質量を感じることのないピッコリーモちゃんの体は、羽を持った小さな昆虫のはかなさを象徴しているようだった。ピッコリーモちゃんは、春を待たずに死んだ。
私はピッコリーモちゃんを日当たりのいい椿の木の根元に埋めた。ピッコリーモちゃんの体が椿の木の養分となって春に花を咲かせ、その蜜に集まる鳥たちと一緒に空へ飛んで行けるように。
そうなれば餌をやらなければならない。オオタバコガの成虫は何を食べるのだろう。ネットで調べてみると、サクラソウ科の花の蜜らしい。蛾も蝶と同じように花の蜜を吸うことをはじめて知った。ためしにテーブルの花瓶に挿したユリの花にピッコリーモちゃんを乗せてみると、おどろいたことに急に活発に羽を動かして花の中心部へ向かい、ストローを伸ばして蜜を探すように花弁の上に走らせた。蛾にもくるくると巻いた舌があるとは知らなかった。新しい発見の連続である。だがユリの花ではだめらしい。その日はもう遅かったので、次の朝さっそく花屋へ行って、ちょうど花の咲いている桜草の鉢植えを買ってきた。
ピッコリーモちゃんを、花の上に乗せてみる。すぐにくるっと巻いた舌を伸ばして、花の上をつつくように動かし、何度かの試行のあと蜜のありかを探り当てた。
桜草の鉢植えは目立つところにおいてあるのに、ピッコリーモちゃんは自分では食事に行こうとはしない。仕方がないので、毎朝仕事に行く前と夕方帰宅したときに、いつもカーテンの上にいるピッコリーモちゃんを花の上に乗せてやった。ピッコリーモちゃんが蜜を吸う様子を見て、私は満足感を覚えた。
ピッコリーモちゃんは薄汚れたような茶色の地味な蛾であったが、目は恐ろしく美しかった。深い深い、吸い込まれるような不思議な緑色をしていた。それが夜になると、漆黒へと変わるのである。
春はまだ遠い。暖かくなったら外の世界へ放すのだという夢想的な希望を抱きながら、現実には多分春まではもたないだろうという諦めもあった。
ある晩、蛍光灯の周りをひらひらと飛んでいたピッコリーモちゃんが、突然、そう突然に、ぱたりと落ちた。驚きと、同時についに来たかと思った。
ピッコリーモちゃんはもう飛べなかった。手のひらに乗せた小さな体は急速に弱っていく。そしてあの美しかった緑色の神秘的な目が、みるみる光を失っていき、ただの平面的な物質へと変わっていった。ほとんど質量を感じることのないピッコリーモちゃんの体は、羽を持った小さな昆虫のはかなさを象徴しているようだった。ピッコリーモちゃんは、春を待たずに死んだ。
私はピッコリーモちゃんを日当たりのいい椿の木の根元に埋めた。ピッコリーモちゃんの体が椿の木の養分となって春に花を咲かせ、その蜜に集まる鳥たちと一緒に空へ飛んで行けるように。
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