猫と息子

 息子がベビーベッドで眠っていると、よくみゆちゃんが一緒に寝ようとやって来る。夏の間は遠慮がちにベッドの隅っこで眠っていたが、ここのところ寒くなったので、息子の足元に背中をべったり押し付けて、もたれるようにして寝ている。それで息子が起きることはあまりない。
 息子がもっと小さい頃から、みゆちゃんにはよしよししてあげなさいとなでることを教えてきたので、少々乱暴ながら、息子はみゆちゃんの体をなでてあげる。みゆちゃんもまんざらではなさそうである。ごろごろ言いながら息子にすり寄ったりもする。
 みゆちゃんのえらいところは、息子には手を出さないことだ。たまに、遊びが高じてつい猫パンチが出たり、眠いときにあんまりしつこく触られると噛む真似をすることもあるが、基本的には手を出さない。息子にひげや耳を引っ張られても、迷惑そうな顔でじっと我慢している。
 その鬱憤を時々息子のおもちゃに晴らしている。動物の顔のついた布製のボーリングのピンに抱きついて噛みつき、後足で蹴っ飛ばす。かまってほしいのに私が息子を抱っこしていて手が離せないときなどは、私を攻撃する。さらにベビーベッドに飛び乗って、シーツをぐしゃぐしゃにする。やっと寝ついた息子をそっとベッドに置こうとしたときにシーツがぐしゃぐしゃになっていると、それを直すのにまた息子が起きてしまうので、かなり頭にくる。頭にくるが、みゆちゃんだって相手になって欲しいので、息子が寝たあと、お気に入りのひもを振って遊んであげる。
 要するにみゆちゃんはやきもちやきなのだが、この反応は、下の子供が生まれたときに上の子が親の気を引こうと無理に悪さをするのと、まさに同じであるように思われる。息子には、みゆちゃんと仲良く育って筋金入りの猫好き人間になって欲しいものだ。



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