ネコバリアフリー(1)「猫用自動ドア」

 何年か前に、猫ちゃんの喜ぶ家、というような住宅のコマーシャルがテレビで流れていた。「○○ちゃん、昨夜はどこで過ごしたの!」と問い詰めるお父さんを尻目に、天井の梁の上の猫専用通路を、猫がとことこ逃げていってしまう映像だったように思うが、私の実家も、もともとは普通の家であるけれど、猫おやじである父の細工で、猫にとってだいぶバリアフリーが進んでいる。
 たとえば部屋の扉。今のような季節は開け放っていることが多いけれど、夏や冬にはエアコンを入れて閉めるので、猫が部屋を出入りするたびに、人が立って開け閉めをしなければならない。そこで、猫が自分で扉を開けられるようにした。ドアノブの仕組みを理解できたとしても、猫の手の構造上、ノブを回すのはかなり困難であると思われるので、猫の前足の高さに、猫用の取っ手がついている。ドアは、カチンと閉まらないように細工してあるので、引く側から入るときは取っ手を使い、戻ってくるときにはドアを押せばいいようになっている。しかしこれだけでは、猫が開け放した扉をやはり人が閉めなければならない。猫は開けた扉を閉めるほど行儀が良くはない。そこでドアの天辺にバネをつけて、開いた扉が自動的にゆっくりと閉まるようにしてある。これで家の猫はみな、自由に部屋を出入りしている。また、ドアの蝶番側の隙間には猫が尻尾をはさまないようなガードもついている。
 ベランダへも自由に行けるよう、壁に猫が通れる大きさの穴を開けて、塩ビ板の扉がつけてある。猫は、この扉を頭で押し開けて、家の中とベランダとを行き来できる。この通路は、万一、人が留守のときに火災が起きた場合の避難経路も兼ねている。
(明日は、「外猫用ネコノッカー」についてです。)
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