望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

「消えた音」 その4

2010-07-24 16:20:49 | 舞台・ウラ話
初日の開演1時間前。

劇団員楽屋の騒がしさに、様子を見に行った女の子が、
茫然として戻ってきました。

「音が・・・、全部、消えちゃったそうです。
 今、○○さん、大泣きしています」



なんと・・・、

録音した音が全部、消えちゃっていた・・・。



つまり、歌のみならず、
効果音も、
バックに流れる曲も、

何か、とんでもない操作ミスで、
消えてしまったのだとか
                

 
大泣きしている○○さんというのは、
音響の係をやっていた劇団の人。

稽古の時に、ずっと音響をやってくれていたのですが、

本当は役者さんなので、

きっと本番はプロに任せるのだろうと、
私は勝手に思い込んでいたんですね。

あ、

もちろん、劇団によっては、
役者さんが音響さんをやることもあります。

でもそういう役者さんは、プロと言えるくらいの実力のある人。

ちょっと稽古場でお手伝い
なんていうのとは、根本から違います。




しかしここは、そんな感じのお手伝いの彼女が、

最初から音響さんに決まっていたのです!
 

 最近では見かけないほどの古い機材、
 バックアップをとっていない、
 あり得ないミスが出る、


・・・プロでは考えられないことです。


いや、そういう問題じゃない。



これだけの大きな劇場の公演に、

< プロを頼んでなかったんだ >


この事実に、かなり唖然としたのですが、
そんなこと、今さら言っても始まりません。



時計を見ると、もうすぐ開演30分前。


つまり、もう開場時間寸前です!

開場になれば、お客さまが入ってこられます。


お客様が入られたら・・・、

当然のことですが、音を出す作業はできません。


もちろん、我々がどうしようもなくウロウロしている間に、
再準備は着々と進んではいました。


バックに流す曲は、元々CDから録っているものなので、
手元のCDから速攻ダビングしてOK。


効果音はありがたいことに、それほど重要な音がなかったので、
初日はもうあきらめる。



そして歌は・・・。



< つづく >

コメント (2)
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