心を決めた私は、女子楽屋へ行って、
「あの、私、男子楽屋に行こうと思うんだけど」
と、みんなに声をかけました。
「えーーーっ! マジですかぁ?」
と、びっくりしたような声。
「そうなのよ。私、下手からの出ばっかりだから。
・・・ちょっと寂しいんだけどね(ごめんね、みんな)」
「えーーっ、寂しいーーっ」
なんて言われちゃったら、どう言おうかな~。
どう言お・・・・・・、
「あーーー、そうですかぁ。
たしかに、こっち一杯なので、
行っていただけるとありがたいんですよね~」
「・・・・・・・・・」
いや、彼女たちを怒っちゃいけないんです。
だって、どう考えても、女子楽屋の方が一杯で、
狭くて大変なんですから。
それも「狭い、どうしよう」と頭を抱えているときに、
1人消える、と聞いたんですから。
それも、とりあえず、
「一番大事にしとかなきゃいけない」高齢者がいなくなる。
これはもう、渡りに舟です。
かなりホッとしたと思います。
うん。つまらない感傷を求めた私がバカだったのよ
でもね、この時点で、私は本当に寂しかったんです。
こういうリアクションが返ってきたから、
ではなく、
女子楽屋でお喋りできないのが。
なぜなら、女子楽屋トークっていうのは、
なんというか、独特のものがあるんですね。
1週間くらい、ほとんど合宿状態の中で、
意外な人の意外な一面が垣間見られたり、
と同時に、
そんなお喋りから端を発して、
すごく団結力が強まって、
芝居も信頼感が高まって、
意外な化学反応がおきることもあるんです。
そういう女子の中に入れない・・・。
1人だけ存在が希薄になっちゃったら、
私だけ浮いちゃったらどうしよう・・・。
<つづく>
人気ブログランキング
ブログランキング参加中。
よろしければ、クリックを!