望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話っぽい思い出話・人の好みって (つづき)

2012-06-16 23:29:13 | 舞台・ウラ話

打ち上げの席上、演出の大浜さんから、
「1番から5番まで、順位をつけるとしたら?」
という、とんでもない提案が出ました。


えーーー? 
いや、そりゃ無理でしょ。

無理、無理、無理、絶対に無理!


だって、それぞれに思い入れがあるし、
テイストもぜんぜん違うし、
つけられるワケがないっ!

第一、
5番目になっちゃった作品がかわいそう。

全員がそんな気持ちだったと思います。


「一番好き」だけならいいけど、
順位は、無理っ、絶対に無理ですっ!

「でも、そこを無理やりにでも、つけるとしたら」

大浜さんも引きません。


結局、押し切られて、それぞれが無理やりに、
5位まで順位をつけました。


するとね、

いよいよはっきりと現れてきたんです、
個々の好みが。


へぇ~、彼女はそういう好みだったんだ。
ほ~、彼女の順序はそれなんだ。

・・・毎日、朝から晩まで、
一緒に稽古していたメンバーの、
知られざる一面が、今になって見えた・・・。


いや、大げさじゃなく、
それぞれの意外性に驚きました。

一緒に作ってきたメンバーでも、
こんなに違うんだ・・・。

人の好み、価値観って、恐いよなぁ、って。


<自分が好きな作品は、
 他の人もきっと好きになってくれるに違いない>


我々って、つい、そう思っちゃうじゃないですか。

私なんて、特に、そういう傾向が強いから、
自分が出てても、あまり好きになれないと、
オススメするのが辛かったりするし、

ひどいときには、
「今回は来て頂くほどの作品じゃありません」
なんて断っちゃったりするし、

実際、過去に1枚もチケットを売らなかったことが、
実は3回ある・・・。



だけど、好みでこれだけ違うんですよね。

ってことは、私が気に入らないものを、
とても気に入ってくださる方がいるかもしれない。

自分の思い入れが強ければ強いほど、
好みや価値観の押し付けになりがちなのは、
十分、承知しているつもりでも、

気がついたら、
間違いなく、押し付けてたりする。


「これは面白いはずだっ!」なんて思い込みは、
本当に、いい加減なものなんですよね~。
あらためて、その錯覚に気づかされました(笑)


今回の順位付けで、
自分が一番好きな作品をビリにされると、
正直、「ん?」「ムッ」みたいな気分になったしなぁ。


ということは、

とりあえず、

気に入らない芝居を、
ボロクソに言うのはやめておくか。
(今さら遅い??)






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