望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・1本の芝居ができるまで・その5

2012-06-21 22:56:15 | 舞台・ウラ話

雑賀さん演じるマスターが、
お菓子を持ってきて、そのまま戻りかけたとき、


「戻らない! 
そこで、そのまま、プーコの椅子にすわって!」

という、大浜さんの声が。

たしかに、先に仲さんがハケているので、
椅子が1個、余っています。


そこに、突然、マスターを座らせたんです。


すると、うわぁ
これだけで、場に何ともいえない圧迫感が・・・。

ニッコニコしながら、
ただ黙ってすわっているだけのマスターなのに、

また、場が一気に、
「どうしようもない」空気に包まれました。


「そこで、足立さん(ちゃこ役)が、
雑賀(マスター役)を引っ張ってハケて」

おお、なるほど!

これだけ、どうしようもない空気になったら、
ちゃこがみんなに遠慮しても不思議じゃない。

ここは、彼をなんとか、友達から離そうとするよね。
そこで・・・、


これで、ちゃこ役の足立さんも、
暗転前に楽屋に走りこめることになりました。

と同時に、雑賀さんもそのまま裏方仕事へ。
お疲れさまです 



その上、もうひとつ、変わりました。

本当に、どんだけ変わるんだ、
という感じですが・・・、

ひとつの話が終わって、暗転になりますね。


この真っ暗の中で、我々はソデにはけて、
そのときに裏方役の人たちが、
テーブルや椅子などをセットしてくれます。

で、全部終わったら、
タイトルのボードを見せて明転。

あ、「明転」という言葉は、
「暗転」ほどメジャーじゃありませんが、
舞台が暗転から、明るくなることをいいます。


しかし、なんで、
暗転は有名なのに、明転は知られてないんだろう??

・・・ととと、
こんなことを考えると、また話がとっ散らかるので、

ここは、このままスルーだっ!(あぶない、あぶない



そのとき。

つまり明転になるとき、

パッと明かりがつくのではなく、
薄暗い中で少しずつ、ホステスたちが入ってくる、
という演出になったんですよね。


なんというか、すごく雰囲気が出たみたいです。

私はこのとき、楽屋で着替えてて、
モニターを見るヒマもないので、知らないんですが。


結局、この演出、

<薄暗い中で雰囲気を出しつつ、物語が始まる・・・>

というのは、後からつけた理由で、

最初の最初は、

「誰でもいいから、早替えできたヤツから、順番に入ってこーい!」

という苦し紛れの発想からだったんですね~。
(大浜さん、違ってたらごめんなさい!)


そんなバタバタの舞台裏で、
当の私は、といいますと・・・、

   (つづく)







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ウラ話・1本の芝居ができるまで・その4

2012-06-21 01:26:36 | 舞台・ウラ話

「プリプリ」から「宴」への早替えが厳しい。
ということで、明日が初日というときに、

演出の大浜さんから、新たなプランが提示されました。


お騒がせキャラが、だいたい揃ったあたりで、
大浜さんが、運転手役の友松くんにひと言、

「友松、そこで舞台のツラ(前)まで出て、

 『オレ、今からギター買ってくる』
 と言って、ハケて(舞台からいなくなって)、

 仲さんは、みんなに謝りながら、
 それを追いかけて、ハケて!」


つまり、ダメ息子が突然、
自分もグループに入りたいと言い出し、
とりあえず抑えたつもりが、
やっぱりダメで、
さっさとギターを買いに行ってしまう。

義理の母のプーコは、
何とか阻止せねばと、彼を追いかけて出て行く。



おおっ、この2人を途中で消したぞ~!


2人とも、この時点で楽屋に戻れたら、
もう早替えも楽勝です。

なおかつ、運転手(義理の息子)のダメダメぶりが、
これでまたパワーアップ。

実際、このシーン、本番では必ず、笑いが起こってました。


いやはや、本番の前日までは、
仲さんも友松くんも、最後まで舞台にいたんです。

あのままだったら、きっと、
そうとう長い暗転になっていたでしょう。



さあ、これで友松君と仲さんはうまくいった。
次は、ちゃこ役の足立さんだけど・・・、

彼女の場合は、みんなの中心で話を回す役でもあり、
途中で引っ込むのは難しいだろう。

その場にいた誰もが、そう考えていました。


でも大浜さんは、
ここにも意外な展開を作り出しちゃいました。

このコメディは、
バンドを再結成しようと、昔の仲間5人が集まったものの、
その1人ずつに必ず、迷惑なオジャマ虫が現れる、
というストーリーなのですが、

ちゃこのオジャマ虫は、彼氏でもある、この喫茶店のマスター。

いい人なんだけど、
出したものを褒めないと機嫌が悪くなる、という、
相当にヤヤコシイ人物で、

何かと食べ物をサービスしてくれるのはいいんだけど、
いちいち、それを褒めなきゃならない。

雑賀さん演じるマスターの、
そのあたりの間が妙におかしくて、
最初の頃は笑いをこらえるのが大変だったんですが、


この日、
お菓子を持ってきて、そのまま戻りかけるマスターに、
大浜さんのひと声がかかりました。



本番前のチェック。
手前からマスター(雑賀さん)運転手(友松くん)よっちんの夫(油地さん)


(忙しくて写真撮れなかったんじゃなかったの?←1人ツッコミ


   (つづく)








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