波の音と重なって聞こえてくる、
暗い中での三味線の音。
行燈の光が少しずつ明るくなって、
この物語の舞台が現れてくる。
・・・実にいい雰囲気のスタートです。
ではあるのですが・・・、
予想はしていたものの、
相当なプレッシャーでした

もし、ここで「ポッピーン」とか「ベチッ」とか、
とんでもない音を出してしまったら、
ここで作り上げるはずの空気がぶち壊し。
それどころか、
これから始まる芝居自体が壊れかねません。
演奏そのものは、ほんのちょっとだし、
弾き始めれば何とかなるだろう、
とは思っていたんですが、
なにしろ怖いのが、最初の1音!
三味線って、ギターなどと違って、
押さえる場所(勘どころ)が均等に、
区切られていないんです
本来は、先生と対面して、
先生の手元を見ながら、
体で覚えていくらしいのですが、
ま、建前はともかく、よく使われているのが、
前にも書いたように「文化譜」という楽譜で、

竿に、微妙な間隔で点在する数字を押さえれば、

正しい音が出るというシロモノ。
当然、私もこれのお世話になりました。
まぁ、江戸時代にそんなものはないので、
数字はマジックでつぶし、小さいマークだけにしましたが、
が・・・、明るければ見えるマークも、
真っ暗な舞台では役に立たず。
といって、数字をピンポイントで押さえなければ、
正確な音は出ない(当たり前じゃ)
となれば、方法はひとつ。
<畜光を貼ればいい>
ということで、
我が竿は、こういう状態に。

これで解決・・・と思うでしょう? 普通。
ところが、あったんです。
まったく想像もしなかった問題が!
(つづく)
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