望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話・暗闇でドッキリ? つづき

2013-06-08 02:07:37 | 舞台・ウラ話

波の音と重なって聞こえてくる、
暗い中での三味線の音。
行燈の光が少しずつ明るくなって、
この物語の舞台が現れてくる。
・・・実にいい雰囲気のスタートです。

ではあるのですが・・・、

予想はしていたものの、
相当なプレッシャーでした


もし、ここで「ポッピーン」とか「ベチッ」とか、
とんでもない音を出してしまったら、
ここで作り上げるはずの空気がぶち壊し。

それどころか、
これから始まる芝居自体が壊れかねません。


演奏そのものは、ほんのちょっとだし、
弾き始めれば何とかなるだろう、
とは思っていたんですが、

なにしろ怖いのが、最初の1音!


三味線って、ギターなどと違って、
押さえる場所(勘どころ)が均等に、
区切られていないんです

本来は、先生と対面して、
先生の手元を見ながら、
体で覚えていくらしいのですが、

ま、建前はともかく、よく使われているのが、
前にも書いたように「文化譜」という楽譜で、


竿に、微妙な間隔で点在する数字を押さえれば、

正しい音が出るというシロモノ。
当然、私もこれのお世話になりました。


まぁ、江戸時代にそんなものはないので、
数字はマジックでつぶし、小さいマークだけにしましたが、


が・・・、明るければ見えるマークも、
真っ暗な舞台では役に立たず。

といって、数字をピンポイントで押さえなければ、
正確な音は出ない(当たり前じゃ)


となれば、方法はひとつ。

<畜光を貼ればいい>

ということで、
我が竿は、こういう状態に。


これで解決・・・と思うでしょう? 普通。


ところが、あったんです。

まったく想像もしなかった問題が!


   (つづく)



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ウラ話・暗闇でドッキリ?

2013-06-07 11:08:23 | 舞台・ウラ話

今回の序章、
つまり最初のシーンが私でした。

暗い中で、波の音をバックに、
(品川宿は目の前が海)
三味線の音色が聞こえてくる。

行燈の灯が、少しずつ、少しずつ、明るくなって。

あっ、そういえば!
この「少しずつ」がすごく難しくて、
場当たり(音や照明を演技と合わせる作業)のとき、
これだけで1時間くらいかかりました。

これの担当が、音江役の秋葉千鶴子さん。
上手奥の、薄暗い所で、
音だけを頼りに、調節して下さってたんですね。

なかなか上手くいかなかっただけに、
「これが一番緊張する~」
って、おっしゃってました。


ちなみに、あのシーンで私が呑む、
とっくりとお猪口をのせたお盆のセットは、
他ならぬ主宰でしたし、

枕屏風と行燈のセットは、松五郎役の中川ムックさん。
あとで置きっぱなしの三味線を片づけてくれたのは、
イワシではなく、鼬の清吉役の吉田さんでした。


これぞまさに <全員、働く> 小劇場演劇なり!


・・・と、脇道にそれちゃいましたが、


少し明るくなったところで、
人の気配を感じて、
三味線の手を止めます。

「誰だい!」

と奥の暗闇に向かって放つ、
この声の出来次第で、その後の調子が決まる、
という感じでした。

あのシーンの空気感がちゃんと出せたら、
あとが続くな、と、
それは信念に近いものがありました。


・・・って、ありゃま、

私、なんでこんなにマジメに語ってるんだろう。

この話じゃないんですよ。
暗転中の三味線の話なんです!


ま、仕方ないので、今日はここまで

あ、別に、書けなくて、
苦し紛れに伸ばしているワケじゃありませんから。
ははは


   (つづく)





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ウラ話・走れお鹿!・オープニング編(その2)

2013-06-06 01:05:46 | 舞台・ウラ話

どんだけ引っ張るんじゃい!
という声が聞こえてきそうですが、
今日で、このネタは終わりにしますので、はい


超早替えは楽勝でクリアしたものの、
その前後にあるのが、
ダッシュでの階段の上り下り。

駆け上がって即、舞台に登場し、

貴子さんの口上に合わせて、
かっこよくポーズを決めなきゃならない。

時間的には、まさにギリッギリで、
階段を上がった、その勢いのまま、
ほとんど小走りで舞台中央へ。

舞台には、もちろん、私1人!
そこでピシっと止まって、
ポーズを決めた、

 その途端、



   よろっ、



うわぁ


そうか・・・、
ダッシュで走って、急に止まると、
なかなか体が安定してくれないんだ。

特に・・・、このトシになると・・・



それも・・・、

とにかくかっこよく、
シャープに決め・・・・・・たと、思ったら、


   よろっ、


もおおおおおおおお、
恥ずかしいのなんのって 



でも、もちろんそんな素振りは絶対に見せず、

<ちょっと、よろつくのも粋でしょ>

ぐらいの顔で、さっさと去って行きましたが、
バレバレだよな・・・。


いつも笑いを取る芝居をやっているので、
お客様に笑われるのは大好きですが、


舞台センターで、
 マジでかっこつけて、
   マジでよろける・・・、


って、

これはイヤだーーーー

なのに、8回の公演中、
半分くらいはやってしまった・・・。
これには、
いい処方箋は見つかりませんでした。

皆さま優しくて、
私の知り合いも、
誰も突っ込んだ人はいませんでしたが、
(それほど見てなかった??)

かっこつけたまま下手に去りながら、
実はかなり心折れておりました。


・・・と、

走りネタが終わったところで、

今度は三味線ネタでいってみますか。

いつまで引っ張るんでしょうねぇ。

でも、もうちょっと、お付き合いくださいませ~。







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ウラ話・走れお鹿!・オープニング編 

2013-06-05 01:33:43 | 舞台・ウラ話

これも、たぶん、

「誰も気づかないだろうけど、 私、頑張ってました」系の話、
なのですが、


今回、お芝居のスタートが私、それも三味線
で、ございました。

その「序章」のときの衣裳は、ブルーの着物に黒い帯、
そしてざっくりと羽織った丹前。

夜、仕事も終えて、1人で呑みながら、
三味線をつま弾いているときの姿です。


そして、そのシーンが終わると、
一気に華やかな「オープニング」になります。

テンポよく出演者が次々と、
ほとんど小走りで登場して、
ポーズを決めて去っていく、
・・・という、キャスト紹介が繰り広げられるのですが、


ここでの私の衣裳は、
当然、メインの衣裳です。

その間、20秒から30秒。
・・・それで衣裳を変える、
私の最も苦手とする、
いわゆる「超早替え」ってヤツです。


もちろん、またしても、着物の重ね着!
これしかありません。

去年もやって、また今年も、

続くときは続くもので、
またしても、「スターウォーズ」のR2-D2状態。



しかし、さすがに、この短時間では、
重ねた着物を、
普通に脱ぐだけでも間に合いません。

それで、まぁいろいろと細工をしまして、
(こういうの好きなんです)

ほぼ <5秒> で、
違う着物に変身できるものを作りました!
まさに<一瞬で脱げる>着物完成!


これがもう~得意でね~、
「すごーい」とか言われて、いい気になってたんですが。

確かに、着替えは一瞬なんです。
だから余裕で間に合うんです。


ところが・・・、

「序章」の最後に花道にはけて、
(この前の走り抜けと逆です)

花道から階段を駆け降り、

小道具置き場を通り抜け、

楽屋で、一瞬で着物を脱ぎすて、


また、もと来た道を、今度は階段を駆け上がり、
ほとんど休みなく、そのままの勢いで、
花道から登場。



そうなんです。
これもダッシュで階段の上り下りなんです

ここでは台詞はないんですが、

<ヤバいのは台詞だけじゃなかった>

ということに気づいたのは、
やっぱり、本番になってから、でした。

・・・あれ~、また続いてしまったようで 



       (つづく)








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ウラ話・走れお鹿!・1日遅れて、結末は

2013-06-04 00:47:03 | 舞台・ウラ話

張り切って走り抜け、
ちゃんと予定通りにゴールしたものの、

息が上がって、大きな声で叫べない!

初日の本番は目前に迫っている!
ヤバい、ヤバいよ・・・


と、そのときに、ふと、
ある発声練習の方法を思い出したんです。

壁に向かって立って、壁に手をついて、
立ったまま、腕立て伏せしながら
声を出す、という方法で、
私もたま~にやることがあります。


手をつくことで胸筋が開いて、
声が出やすくなるというのが、
本来の目的なんでしょうが、

体重を壁にかけることで、
体幹の緊張が取れるんじゃないか?

と、なんとなく、
そんな気がしたんですね。

言ってみれば「役者の勘」みたいなものです。


もう練習してみる時間はない。
まさに、これこそ「ぶっつけ本番」!


といっても、壁に両手をついたんじゃ、
舞台に向かって叫べないから、


・・・よし、片手だけ、壁につけて、
そこに体重をかけて叫んでみよう!


などと思っていたものの、
全員が稽古不足のままで、むかえた初日。

そんな所だけに気を配ってもいられず、
ワンシーンワンシーンがドキドキの連続だったのですが、


この方法は・・・大成功でした 


まず、たどり着いたときから、
壁にもたれるように体重をかけてしまう。

これで、動悸が少しおさまって、


次に片手をつきながら、
力いっぱい叫ぶ!

  叫べました、ちゃんと!

   ほ~~~。



ただ、突然、
私が、壁にもたれかかったので、

一緒にいた吉田さんがびっくり!

(小声で)「大丈夫ですか?!」
(同じく)「大丈夫、びっくりさせてゴメン」


そりゃあ、そうでしょう

ガーーっと走ってきたオバサンが、

走り終えた途端に、
突然、壁にもたれかかったら、

すわ、心臓か!

って思っちゃいますよね(笑)



でも、私のダッシュは、
このシーンだけじゃなかったんです。

実は最後まで、

 かなり危なかった

というか、
 何度か「やっちゃった

というシーンがありまして・・・。


はい、我ながら、
ここまで引っ張るかと、あきれつつも、
もう少し「走りネタ」を・・・


  (つづく)







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このひと言で、思わず買ってしまったではないか!

2013-06-03 00:42:37 | 演劇・舞台・小劇場

ということで、途中ではありますが、
今日もまた、ウラ話を臨時休業にさせて頂きます。

いかにして「ゼイゼイ、ハアハア」を抑えたか、
の種明かしは、明日いたします。
もう1日お待ち下さいませ~。


というのも、
今日はこれを出したかったんです。

とあるコンビニで発見した、

<とうもろこしのひげ茶>


手には既に、セール品のお茶を握っていたのですが、

量が少ないのに、値段の高い、
このお茶に取り換えてしまいました。


その理由は、
名前の上に書いてある、このひと言!

 Vラインの顔 


そりゃね~、こんなもの1本飲んだくらいで、
顔が細くなるなんて思いませんよ。

それに「Vラインの顔・・・になります」
とは書いてない。
薬事法に引っかかりますからね。

だから、
「想像するのは、あなたの勝手でしょ」
ってことなんです。


でも!

このコピーは女心をくすぐりますねぇ。


これから初稽古に向かう道すがら、
初めての人にたくさん会わなきゃならない。

いや、そりゃ、今飲んだって関係ないけど、
そこが女心なのっ!

それに、

新たな気分で、新たなお茶を、
っていう心理もあったんでしょうね。


ということで、稽古場に到着して、
最初にやったのが、この写真を撮ることでした。
(ちょっと違う気もするけど



はい。
また、今日から稽古が始まります 

でも、まだウラ話を引っ張っているので、
詳しくは、ウラ話が終わってから、
あらためて、書かせて頂きます。



あっ、ちなみに味ですが、

・・・私は大好きでした。

ちょっとハマりそうです。






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ウラ話・走れお鹿!・で、どうなった?

2013-06-02 00:25:25 | 舞台・ウラ話

走り抜けはとにかく速さが勝負。

私もトロいながらも、必死で走り抜けましたが、

きわめて当たり前のことに、
小屋入りしてから気がつきました。


 い、き、が、上、が、る、、、


ということは・・・、

声が・・・かすれる 


それも台詞が、
「人殺し!人殺しだよー、みんなお逃げーっ!」

まさに緊張のピークで叫ばなきゃならない。


稽古場では階段も何もありませんから、
平面の移動なんて楽なもので、
いくらでも声は出たんですが・・・、


実は、ゲネ(本番そのままにやってみる最終稽古)のとき・・・、


走って、走って、走って、

 ・・・やっと花道の前!


  ゴーーーール 


(はぁ、はぁ、はぁ)

背中で吉田さんが、先に叫びます。

「ちょび! ちょび安!」


それに続いて、私が上に書いた台詞を叫びます。

「人殺し!人殺しだよー、みんなお逃げーっ!」


   が・・・、


口から出たのは、


 「ひふぉころふぃ~」


うわぉ


あわてて、腹筋に思いっきり力を入れて、

「ひとごろしだよ~」
・・・と、今度は蚊の鳴くような声


「みんなお逃げーっ!」

で、やっと何とか叫べたか、どうか



ヤバいよ、ヤバいよ、ヤバいよ~!
今日の夜は本番じゃないの!

だけど、走る以外の選択肢はないし・・・。
どうすりゃいいのよ・・・


     (つづく)







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ウラ写真・走れお鹿!・走り抜け、全部見せます!

2013-06-01 01:04:49 | 舞台・ウラ話

1日遅れになりましたが、
さて、いきますよ~!


上手に入った役者が、
 すぐに下手から現れたり、
舞台のそでに引っこんだ役者が、
 すぐに客席から入ってきたり、

走り抜け、とか、走り込み、とか言われる動きなのですが、

裏では役者が猛ダッシュ!

裏が複雑な劇場では、
これが相当なプレッシャーになったりもします。

そして、小さいながらも、
「劇」小さんが、なかなかにダイナミックで、

いつも走り抜けがあると、
そのスピードを楽しみにしていたんですが(おいっ!)


ついについに、今回は、私が走り抜けをいたしましたっ!

絶対に、誰も気づいておられないでしょうが、
やったんです!


そしてこれを、私の目線の写真でお見せしたいと思います。

あ、といっても、ホントに走っているときは、
撮りませんよ。

んな、1秒を争うときに、
悠長にカメラを構えられるワケがないので。


千秋楽の朝、いつものように早めに楽屋に入って、
誰もいない劇場をぐるりと回って撮りました。

なぜにそこまで、と思うんですが、
ちょっと臨場感を味わって頂きたくて。

いろいろと、劇場の裏は面白いのです

ということで、スタートでございます!


お芝居は、
女郎宿に突然入ってきた人殺しと対峙するというシーンです。
→このときは、まだ舞台上で演技中。


斬り合いの隙を突いて下手へ逃げます。
→舞台上から下手のそでが見えます。


さぁ、そでに入った。
下手は入ってすぐ左が階段です。
明るいときはこんな感じ。


でも本番中は、こんな暗さ。
肉眼の方がまだ見えますが、それでも暗いです。


そんな階段を必死で降りると、ちょっと明るい!
これの左側が楽屋なのです。
楽屋に置くとかさばる小道具が置いてあります。


左に体を向けると、一段高くなったところに楽屋があります。


さぁ、楽屋に入った!


楽屋から1歩出たところが、小道具置き場。
楽屋からこのあたりのゴチャゴチャは、障害物競争のようです。


上↑ の写真で奥に見えている階段、これがロビーの階段です。
皆さまもお使いになる階段めがけてダッシュ!
階段を上がって~、


上がりきったところにあるのが、劇場の入り口。


そこから、そーっと覗くと、花道が!
タイミングを見計らって、ここから叫んで登場です。
「人殺しだよー、お逃げーっ」



今回は特に走り抜けが多くて、
計何人、走り込んだんだろう?

ほとんどが若い男性でしたから、
早いのなんのって!

階段でスタンバイしていたりすると、
私の目の前を、
もう~、疾風の如くにとんで行きました

それにひきかえ、
なんたってトロいオバサン。
階段が暗いし、ヨタヨタしか走れないんです。

一緒に走るのが、
イワシならぬイタチの清吉役の吉田さん。
他の疾風の走り抜けもやっていて、
まさに「お疲れ様」なのですが、

かたや疾風 かたやヨタヨタ 
後ろで、あせっている気配を感じるんです。

でも走れない!
ごめんねー、と謝りながら、
でも自分の中では限界の速さで、
走り続けましたが・・・、


もうひとつ、あったんです、問題が!


そうよね~、当たり前よね~、
でも気づかなかったのよね~。

やってみなきゃ、わかんないものだわ~


   (つづく)









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