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東京湾の海岸線から
約2㎞内陸に入ったところにある
40haの干潟が谷津干潟です。
交通機関はJR南船橋駅からは徒歩20分。
京成谷津駅からなら徒歩30分です。
国境を越えて旅をする水鳥たちが
集まるこの貴重な谷津干潟は
なぜ残ったのでしょうか…。
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1970年ごろから千葉県は
東京湾の浅瀬を埋め立て工場を誘致する計画をたてる。
市川から稲毛までの海岸線25キロの埋め立てを始める。
しかし谷津にあるこの干潟地域だけは
戦前に内務省が運河建設のために買い上げた土地だった。
県は埋め立てができないので
大蔵省に対し払い下げを要求。
習志野市も埋め立て賛成。
干潟に捨てられた大量のゴミのせいで、
風が吹くと悪臭が広範囲に広がり、
早く埋め立ててほしいと願う近隣住民多数。
地元町会も埋め立てに賛成。
1974年 森田三郎氏が谷津干潟でのごみ拾いを開始。
「千葉の干潟を守る会」「千葉県野鳥の会」
自然保護団体や市民団体などが干潟を残す運動をする。
1984年 谷津干潟を野生鳥獣の生息地の保全を目的とした
自然干潟サンクチュアリとする計画が発表される。
1988年 国設鳥獣保護区特別地区に指定
1993年ラムサール条約に登録。
そして貴重で豊かな自然が残る谷津干潟を
残すことができました。
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干潟の周り…
高層のマンション群がそこまで来ていました。
水鳥が憩う干潟と、団地や高速道路の
ツーショットは不思議な風景。
東京湾とは西と東に幅6mの2本の
水路で繋がっています。
潮の満ち引きで海水が干潟に出入りし
水深1mの高低差がでるのです。
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谷津干潟は谷津干潟公園として整備されています。
公園の中には
干潟の保全と自然の触れ合いを学ぶために
谷津干潟観察センターがあります。
館内のベランダからは干潟が一望できるのです。
備え付けの望遠鏡で水鳥も観察できます。
フロアーにはレンジャーが常駐し、
説明もしてくれます。
この観察センター周辺は
気持のいい芝生の広場。
木陰でお弁当を広げたり
昼寝したりできるのです。
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公園内にある観察シェルター。
鳥たちを驚かさないように
小窓から覗き、
自然の生態を観察できます。
望遠鏡は必須道具です。
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小窓から覗いた干潟の風景
目視では確認できませんでしたが
「ギョキョシ ギョキヨシ」と鳴き声が…。
オオヨシキリか?
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干潟の周囲3.5㎞には遊歩道もあります。
ここから見る水鳥達はとても近いので
親近感がわきますね。
遊歩道から観察するなら
足場もしっかりしているので安心です。
春と秋はシギ・チドリ類などの渡り鳥の中継地。
夏はコアジサシ・コチドリ・チュウサギ
冬はカモ・オナガカモ・ヒドリカモ・コガモ・
ハマシギ・ユリカモメなどと逢えるかも。