伊豆の伊東にある観光名所は
松川の畔に建つ、
木造3階建ての東海館です。
昭和3年(1928年)に
温泉旅館として開館。
平成9年に廃館しました。
今は館内を見学できます。(有料)
風格ある玄関は唐破風。
旭と鶴の彫り物が飾られ
昭和初期の温泉情緒が漂います。
客室は入口に葺き屋根を付けた
一戸建て風。
廊下はわざと蛇行させている
特殊な造り。
曲がった変木も粋でおしゃれ。
部屋の入口の踏み込み部分、
飛び石風に配した輪切りの木に
年月を感じました。
当時の職人が腕をふるった
自慢の建物や客室内。
和風建築の技術は最高レベル。
円卓にも見事な彫刻。
風呂上りは窓辺で涼み、
松川を眺めていたのでしょう。
欄間や障子の組子細工1
魚採りに使う投網を
デザインしてます。
組子細工2
組子細工3
繫盛期の温泉宿、
中居さんがパタパタと
上がったり下りたりしてた階段にも
手工を凝らした
建築美が生きています。
3階には大広間。
宴会では高足膳が
並んだのでしょう。
舞台もあります。
賑やかな時代を懐かしむ
ようにマネキンで再現。
(自分一人でこの部屋に入ると
ちょっと怖いかも)
4階にあがると昭和24年に
建築された望楼があります。
その時代の周辺は低層建物ばかり。
眺望はさぞ素晴らしかったでしょう。
1階に戻り、客室を改造した
喫茶室でお茶にします。
勿論、松川を望む縁側で。
縁側の席のみが椅子とテーブル。
珈琲ではなく、やっぱり
あ・ん・み・つ ですね。
川端康成や北原白秋などの文豪が
愛した東海館。
昭和のレトロ情緒がある
市の文化財、東海館。
総タイル張りの大浴場に
日帰り温泉ができます。