アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

たそがれ

2018-09-07 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

眼下に広がる善光寺平が、瞬く天の川に変わる頃、二条の前照灯が下界から近づいてきた。

背後の山々にロクヨンのブロアが共鳴し、胸の高鳴りを抑えるのに苦労する。

予定通り5374列車がEF64重連でやってきて目の前を通過、スイッチバックの引き込み線へと押し込まれる。対抗列車を退避、しばしの休息に入るのだ。

水銀灯に照らされた、たくましきロクヨンの横顔を見ながら、辺りの空気感を肌で感じる至福のひと時。気持ちを込めながらシャッターをレリーズし、ロクヨンに想いを告げる・・・

信号が変わると、途端に2台のロクヨンのブロア音が辺りを支配し、

ロクヨン劇場もクライマックス!

暗闇に消え、音がトンネルに吸い込まれ聞こえなくなるまで、二条のレールを見送った。

想いで深い、遠い昔の出来事である。

2002-11-01   5374ㇾ  EF6420+21     JR東日本/篠ノ井線:姨捨にて

 


DLけん引の「ばんえつ物語」号

2018-09-06 16:00:00 | 鉄道写真(DL)

このところの自然災害にはやり切れない思いが募る。多くの人命が犠牲となり、瞬く間に自宅を失う人たち・・現実を受け入れ途方に暮れる日々。しかしそれでも前を向いて生きてゆく。とても他人ごととは思えず、自分に置き換えたとき果たして・・・1日も早い日常が戻りますように、祈りたい。

全国各地で活躍している蒸気機関車にも、今年動きが出てきている。JR西日本のC56160に続き、東日本のC57180も不調のため今年度いっぱいの運転はないようだ。また最近では、真岡鐡道に所属しているC11やC12にも今後の動向に変化が出そうなのだ。次から次へ変化する日常、趣味の分野でもこれから注視していかねばなるまい。

先日、SLの代役を務め奮闘しているDLばんえつ物語号の撮影に行ってきた。普段はC57で運転されている「ばんえつ物語」号だが、SLにはない別のカテゴリーの魅力が見つかり、大いに楽しめたと感じている。もちろんこれには、風光明媚な磐越西線の奥深い魅力を再発見したからとも言えるのだが・・期間限定だろうが、また機会を見つけて出向きたいと思っている。

2018-08   9231ㇾ  DE101700 ばんえつ物語号 JR東日本/磐越西線:猿和田付近

 


懐かしの寝台急行「能登」

2018-09-05 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

10系寝台客車が懐かしく、同年より続けて掲載してしまおう。

この年、昭和57年(1982年)の11月には、今にして考えれば大きなダイヤ改正があった。東北・上越新幹線が大宮から開通し、昼間の特急列車や急行、夜行列車も大打撃を受けることになる。寝台列車急行「能登」もその一部に当たり、この改正では消滅しなかったものの、信越線経由となり、編成も大幅に見直されてしまった。美しい10系客車群はこの時点で廃止となり、魅力は半減してしまった経緯がある。晩年は、電車化(489系)されまだ記憶に新しいが、往年の姿はとても浮かばない。

写真は、改正同年の急行「能登」号。晩年は御多分に漏れずEF58からEF641000番台けん引へとシフトしている。ロールアウトして間もないロクヨンセンだが、アントンKには不思議とこれら急行列車の先頭に立つ姿が魅力的に思え、よく足を運んだものだ。機関車次位のスニが今一つ好みではないが、そのあとに続くロネ・ハネ編成は壮観であり大好きだった。

1982-05-03   3604ㇾ  EF641020  能登  東北本線:南浦和付近にて

 


廃車回送はいつも悲しい・・

2018-09-04 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

いつの時代も、この世の中新陳代謝は常に行われている。鉄道車両についても同様で、新しく生まれて活躍し、そして後継にバトンを渡すことを繰り返す。今人気の国鉄型車両もそうで、第一線での活躍を終えると、わき役へと転じ、そして知らぬ間に両数を減らしながら消えていく。運よく地方に転勤して余生を送る車両たちもみられるが、おおかたこれの繰り返し。しかし、後継に引き継げれば良いほうで、現代ではその引き継ぎさえままならぬ状況のようだ。最近出場したJR東日本の工事用気動車、キヤE195形式。これは現在の機関車けん引による工事列車の置き換えのため生まれたのだろう。これに置き換えることで、さらに運用効率がアップするというわけか?いかにも現代的な発想だが、さらに画一化が進み、ますます趣味性は薄れていってしまう。そう感じる昨今なのだ。

長年親しんだ国鉄型電車、185系が少しずつ減少しているという。また最近見かけなくなったジョイフルトレインの欧風電車485系「ゆう」も帰らぬ旅へ出発すると聞く。彼らの後継車は把握してはいないが、昭和そして平成の時代までもが遠く感じる時が、もうすぐそこまで来ている。

掲載写真は、アントンKが大好きだった10系寝台客車の廃車回送列車。思い出の1コマ。夜行急行列車全盛時代、必ず編成に組み込まれ、そこに繋がっているだけで華やかで豪華に感じた客車たちの廃車回送だ。東海道の創臨でもオール寝台の編成は見られたが、それには間に合わず撮影はできていない。今にしてみれば、随分と横がちに撮影しているが、やはり編成重視で型番がわかるよう撮りたかったのかもしれない。

1982-11-28  回8401ㇾ  EF58122 ロネx2+ハネx8 東北本線:栗橋-古河


ついに始まった貨物列車迂回輸送

2018-09-03 20:00:00 | 国鉄時代(カラー)

7月に発生した西日本豪雨の影響により、いまだに山陽本線が寸断されたままとなっており、いよいよ物流輸送に多大なる影響が出ているようだ。復旧を急ぐとともに、ついに不通区間を迂回するルートにて貨物輸送が開始されたようで、SNS等が賑わっている。

2か所にも及ぶ不通区間を、伯備線~山陰線~山口線と迂回し貨物列車が上下1往復運転されだしたようで、連日ファンの波が押し寄せていると聞く。風光明媚な区間が数多く点在し、撮影ポイントにも事欠かないはずだろうが、アントンKは相変わらず今一つ足が向かない。かつての有珠山噴火の際のブルトレ迂回に始まり、東日本大震災における石油輸送には、一度も足を向けなかったのだ。写真を記録として捉えるのなら、是非撮影に出向きカメラを向けるべきなのだろう。が、どうしてもその気持ちになれずにいる、心の弱いアントンKなのであった。1日も早い復旧、復興を願い、無事に迂回運転も達成できればと、遠くから祈ることにしたい。

迂回貨物列車には、DD51が集められたというので、伯備線を行くDD51の貨物列車を掲載しておく。もちろん国鉄時代の古い写真。当時はEF64ではなく、DD51がけん引に当たっていた。

1984-10-06          DD511024     伯備線:備中川面付近