愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

無風から逆風へ

2009年03月23日 | 就職
産経新聞の2009年3月7日webページにつぎのような記事が掲載されていました。

大学3年生向け就職合同セミナー。数百社のブースで埋め尽くされた広大なフロアに紺色のリクルートスーツ姿の学生がすし詰め状態となる異様な熱気に、東京国際大学経済学部3年の嶋さんは、ただただ圧倒されていた。「ショックでした。すごく気軽な気持ちで、携帯だけ持っていればいいやとノートもペンも持たず、埼玉から手ぶらで1時間半かけて来た。どのブースでも同い年の学生が熱心にメモを取って質問していた。完全に出遅れましたね」

 車が好きで、学生生活の一番の思い出は洗車のアルバイト。授業には出たものの、「経済のケの字も分からない」という。セミナーでも有名企業を一通り回ったが、全く興味が持てなかった。帰り際に自動車部品メーカーのブースが目に入り、何となくひかれた。「周りの友達に比べると自分は目標が定まっているほうだと思う。2030年ですか? 僕は41歳…。家庭を持って小さな家に住んで、年収は500万円くらいもあれば十分かな。車は今はデミオだけど、クーペに乗っていたいですね」

「あなたの2030年を想像してみてください」。ビッグサイトで出会った21歳たちに尋ねたが、楽観的な嶋さんを除けば明確な答えは返ってこなかった。代わって東大の森教授は、いわゆる一流大生たちの今後について「社会や職場の危機に直面したとき、パニックになりはしないか」と懸念し、こう指摘する。「受験の点数と社会人としての適応力は全く別もの。社会が不安定になればなるほどその傾向は強まる。かつて大学生はそこに気づいていたからこそ、自分で問題を見つけて取り組む知的好奇心を持っていたが、今そうした若者は少ない。必然的に東大の地位も下がっていくと思う」とはいえ、将来への不安は、嶋さんのような難易度が低い大学の学生のほうが、より強いのではないか。

千葉市にある敬愛大学の「キャリアセンター」でセンター長を務める高田茂さん(57)の答えは意外だった。「残念ながらほとんどありません。うちのような大学は大半が推薦入学で、これまでの人生も無風、無競争できてしまった。学力だけでなく、社会に対する意識からして学生は二極化している」高田さんは、大手商社社員からキャンパスの「就活請負人」に転身、すでに敬愛大が2校目だ。「彼らはゆとり教育の一期生でもあるが、ゆとりで生まれた時間に何をしたかといえばバイトにゲーム、携帯いじりくらい。そうした生活が、就活でもボディーブローのように効いている」と指摘し“教え子たち”に向けてこんなエールを送った。

「キャリアセンターと就職課の違いはキャリア教育を施す点。つまり『生きていくためにはどうするか』を教えるということです。うちの学生が有名大生に勉強で勝てることは絶対にない。ただ、社会に出て、同じ営業という仕事でなら勝負できる可能性はある。こんな時代だからこそ、学生には20年後の逆転を目指してもらいたいのです」

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この記事には考えさせられます。難関大学の学生の方が,自分の能力を過信して,楽観的になると思われがちですが,実際には難易度の低い大学の学生の方が楽観的であるというのは,現場教師には良く理解できます。難関大学の学生は入試でもまれてきています。高校生の間(あるいは浪人時代)何度も悔しい思いをして,やっと入学した学生がほとんどです。しかし,低難易度大学の大半の学生は,入試を経ていません。高校時代に受験勉強を経験していない学生が大部分なのです(というか勉強自体きちんとしてきていない)。

競争こそが自らの能力の限界や可能性を知らせてくれるのですが,入試という競争に立ち向かっていない大部分の低難易度大学の学生は,自らの能力の限界を知る機会が十分なかったといえるでしょう。したがって,妙に楽観的になりがちです。残念ながら,うちの大学も記事にあるような無風状態で卒業近くまで過ごしてきた学生が多いのです。大学が本当に「親心」を持つのなら,卒業までに高いハードルを設け,厳しい教育を行うべきなのですが,われわれ教員も易い方向に流れてきました。もうすぐ年度初めになります。この先,学生たちは逆風に向って進んでいかなければならない訳ですが,ここらでそこに立ち向かえるように厳しい教育に転換する必要があるようです。

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理不尽さ

2009年03月06日 | 就職
もうすぐ現4年生は卒業です。既に一部の企業においては新入社員研修が始まっているようです。現4年生は春先の好調な就職活動を経験し,大半の学生がすんなり内定を獲得しました。1人で複数内定が当たり前でした。秋以降景気は急激な落ち込みを見せましたが,ほとんどの4年生は崩壊前にすべりこんだ形で,無事就職することができます。現3年生はわずか1年入学が遅かっただけですが,厳しい就職活動を経験することになりそうです。

入学・卒業年に左右される就職という現実に理不尽さを感じる学生は多いようです。先々若者に挽回の機会が十分に用意されているのなら,運悪く就職状況の良くない年に卒業する学生を慰めることができますが,今本当に若者にとって十分な挽回の機会があるのかどうか分からないでいます。

日本的経営の特質を資本主義ならぬ人本主義だと主張した経営者や経営学者がいました。それは,企業が人を最も重要な資源と考え,人のネットワークを安定的に作ることを重要原理とするというものです。これぞ日本企業の神髄だというのです。しかし,今報道されている企業の雇用をめぐる動きを考えてみると,人本主義で想定している人はどこまでの範囲を指しているのかという疑問がわきます。あるいは,そもそも本当に日本企業は人本主義を貫いているのかという疑問もわきます。

学生を送り出す立場からすると,企業の採用活動に不信感を持たない訳ではありません。社員採用が最も重要な投資であり,長期的な企業発展の源であると標榜しておきながら,企業は時々の情勢によって,大量採用したり,採用を極端に絞ったりします。大量採用の時には,こちらが首をかしげるような学生をほいほい採用し,逆に採用を絞ったときには,こちらが太鼓判を押すような優秀な学生を相手にしません。もちろん,環境変化に柔軟に対応しなければ生き残れないことは重々承知していますが,少々無定見だなと思ってしまいます。

もっとも,企業側は大学関係者がそんなことをいう資格があるのかと怒るかもしれません。何しろ,試験では把握できない個性的な学生を取りたいため推薦やAO入試を実施していますと標榜しておきながら,受験生が減ってくると,その基準を緩和させて学生をかき集めているのが多くの大学の実態ですから。
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コミュニケーション能力の問題

2009年02月03日 | 就職
秋学期の定期試験が終わりました。定期試験が終わると本格化するのが,我々教員にとっては入試,そして学生(3年生)にとっては就職活動です。3年生たちは連日セミナー・説明会の参加に追われているようです。迷ったら,参加する,出かけるという気構えで,今はとにかく行動的であって欲しいと思います。

就職活動ではよくコミュニケーション能力が話題になります。コミュニケーション能力というと,堂々と自己アピールできる,立て板に水のごとくすらすらと説明ができるというように,学生が思い浮かべることは情報発信の巧みさかもしれません。しかし,コミュニケーションというのは,情報の発信と受信両方の繰り返しです。つまり,コミュニケーション能力には情報の受信に関する能力も含まれるのです。

コミュニケーション能力が就職活動等で話題になるのは,それが低い学生が多いからですが,情報発信よりも情報受信に問題がある学生が多いようです。つまり,他人の発言や指示を理解できない,周囲の状況をうまく整理して読み取ることができない学生が多いのです。大学では試験でこのことが端的に現れます。試験で問いかけていることとは関係のない事柄をだらだらと答案として書いてくる学生が見受けられます。当然不合格なのですが,困ったことに,そういう学生に限ってなぜ不合格なのかとクレームをつけてきます。「一生懸命たくさん答案を書きました。出席もきちんとしています。なのに,なぜ不合格なのですか?私は合格しているはずです」と。唖然とする言い分です。いくら本人ががんばっていようと,要求された内容とレベルで結果を出さなくては通用しないということが理解できていません。そしてきちんと情報の受信ができていないのです。スーパーで,大根をくださいというお客に,にんじんを渡すようなものです。いくらにんじんの質が高かろうと,おまけのにんじんをサービスしようと,値引きして提供しようと,お客の要求には応えていないので,商売は成り立ちません。それと同じことです。

ラグビーの日本代表選手として活躍された平尾誠二さんはいい選手は情報をとるのがうまいといいます。監督やリーダーの指示をきちんと理解し,同じチームの他の選手の動き,相手チームの選手の動き,ボールの動きなど,瞬間ごとに周囲の状況をきちんと把握することができる情報受信能力が重要なのだといいます。

就職活動でも同じではないでしょうか。ゼミ生はじめ学生の皆さんは,企業の発信している情報をきちんと受け止めているか,人事担当者の説明を早合点せずに理解することができるか,周囲の受験生の状況を把握しているか,そういう情報受信についてセミナーや面接時に確認してみてください。上司や顧客の指示・要求をきちんと聞けない(あるいは理解できない)で,自己本位の情報発信をする人物を企業が人材として雇い続けるとは思えません。
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リクルート・スタイル3

2009年01月28日 | 就職
3年生達はいよいよ就職活動本番。1年も前ではありますが,いままで2度リクルート・スタイル(男)の話しを書いてきましたが,今回は3回目。靴選びです。

スーツに合わせる靴はひも靴が基本です。ひものない靴は一般的にカジュアル靴ですので,スーツに合いません。高校時代どういうわけか日本中で制服にローファーを合わせるため,その延長でひものない靴を選んでしまうかもしれませんが,学生の皆さんはひも靴を買ってください。なお,おじさんの中で,ひものない靴を履いてスーツを着ている人が結構います。しかしあまり格好良くありません。なぜ日本でひもなし靴が好まれるかといえば,家では靴を脱いで生活するため,脱ぎ履きに面倒がないことを優先しているからです。ただし,実際には仕事中靴を脱ぐ機会は余りありません。見栄えや足へのフィットを考えるとひも靴を履くのが良いのです。

色は何がいいのでしょうか。黒が無難でしょう。日本人の黒髪には黒靴が合います。なぜならば,姿の頂点部分が黒髪であるため,底辺部分も同色だと自然に見えるからです。茶の靴を履いている日本人で似合っている人はなかなかいません。たいてい靴だけが浮き上がっています。髪だけでなくスーツやネクタイとの調和も難しいのです。

黒のひも靴がいいとして,どんなデザインを選べばいいのでしょうか。どうせ買うなら,冠婚葬祭などフォーマルな場面にも対応できるものを買うとリーズナブルです。最もフォーマル度の高い靴は内羽根式のストレートチップです。内羽根式というのはひもを通す穴のある羽根部分と甲とが一体化している(甲の内側に羽根部分を縫い付けてある)ものです。ストレートチップとは甲に横一文字のラインが入っているものです。これだとどんなかしこまった場面にも対応できます。ちなみに,内羽根式以外では外羽根式というのがあります。これは甲の上にひもを通す穴のある羽根部分が乗っかっている(甲の外側に羽根部分を縫い付けてある)ものです。外羽根式は軍靴に採用されたデザインですので,フォーマル度は落ちますが,靴を足に密着させやすいので,フィット感があります。外羽根式で甲の飾りのないもの(プレーントゥー)でも良いでしょう。なお,靴は基本的に飾りがつけばつくほどフォーマル度が低くなります。飾り穴が沢山ついている靴は飾っている分だけフォーマル度が高いのかと勘違いされがちですが,実は飾りがつけばつくほどカジュアルになります。ウイングチップなどはもともとカジュアル靴です。飾りの少ないものを選びましょう。

靴選びで最も重要なのがサイズです。楽だということでどうしても大き目サイズの靴を選びがちです。靴屋の店員でも迷ったら大き目を推奨することがあります。しかし,大き目靴は足には良くありません。靴が大きいと,靴の中で足が遊んでしまいます。そうすると,靴擦れやまめができやすくなります。また,歩く際に,滑りやすくなるので,それを防ぐため,無理な力を入れて足を緊張させてしまいがちです。足が疲れやすくなります。靴はジャストフィットのものが望ましいのです。フィットというとどうしてもつま先に注目してしまいがちですが,かかととくるぶし周辺部分のフィットに注意してください。この部分がフィットしないと,ぐらぐら足が揺れたり,靴が脱げそうな状態になります。そうなると,余計な緊張を強いられるので足が疲れます。かかととくるぶし周辺部分がきちんとホールドされていて,つま先部分には余計な圧迫感がなく少々余裕があるというのが理想です。

さて,サイズを確認するとき,通常はセンチ等で表される長さに注目しますが,それだけでなく,幅にも注目してください。幅はアルファベットで表されます。D,E,EE(2E),EEE(3E)というような記号です。日本製の靴は甲高幅広の日本人の足に合わせて,幅広に作られています。3E前後のサイズになっているものが多いようです。しかし,今の若い人は,従来とは違った生活環境(畳に正座しない,あまり歩かないなど)で育っていますので,年配の人より幅が狭く甲が低くなってきています。1E前後でも十分フィットする人が多いようです。幅については靴に表記されていることが多いようですし,表記されていない場合は店員に聞くと教えてくれます。もしきちんと答えてくれない店員がいるような店では買わないほうがいいでしょう。サイズに無頓着な靴屋は靴のことを良く分かっていないので信用できません。サイズ合わせにきちんと対応してくれる靴屋で靴を買いましょう。
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リクルート・スタイル2

2008年02月17日 | 就職
大学3年生は就職活動真っ盛り。ここで,リクルート・スタイルにおいて,シャツの選び方を考えて見ましょう。スーツやネクタイは色々と気を使うのに,シャツには全然気を使わない学生をよく目にします。小売店でもあまりアドバイスをしてもらえないようです。

シャツを選ぶときには,色,襟の形,サイズをチェックしてください。

色については白が選ばれることがほとんどのようです。白でなくてはダメなんて思い込んでいる学生も多いようです。しかし,多く業種や企業で,無地の色つきシャツでも問題ないようです。普通のビジネスマンが着ている訳ですから。ただ,濃い色のシャツはネクタイが合わせづらく,カジュアル感が出るので止めたほうがいいでしょう。薄い色,とくに薄い青(サックスブルー)ならば,紺やグレイのスーツとは同系色になり無難です。紺スーツに,サックスブルーのシャツ,青系のネクタイなどは,色のグラデーションができるので上品な感じになります。

襟の形については,襟が狭まっているレギュラーカラー,広がっているワイドカラー,中間ぐらいのセミワイドカラーなどがあります。たいていの学生は小売店でいわれるままにレギュラーカラーのシャツを買っています。ただ,最近のデザインのスーツと合わせる時にはレギュラーでないほうがしっくりきます。最近のスーツはラペル(スーツの襟)のゴージライン(前の上襟と下襟の境目)が,上のほうにあり,角度がゆるく横線に近くなっています。シャツの襟の開きはこのゴージラインに合わせるとすっきりきれいに見えます。ゴージラインが低く,急な角度の場合は,シャツは狭まった襟にして,ゴージラインが高く,横線に近い場合は,シャツは開いた襟にするのがいいのです。最近のスーツはゴージラインが高いので,シャツはワイドかセミワイドカラーを合わせるときれいに見えます。

サイズについては,袖部分の長さ(裄たけ)をチェックしてください。手を下ろしたときにシャツがスーツジャケットから1~2センチ程度出ているのが理想です。出たシャツ部分がアクセントになって引き締まって見えるのです。出ていないと,サイズの大きいジャケットを来ているようで,幼く見えます。出過ぎると,だらしなく見えます。何より,袖が手にかかって邪魔です。


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ふさわしい仕事

2008年02月05日 | 就職
脳科学者の養老孟司さんがかつて言った言葉。「自分に合った仕事なんか無い」。「仕事とは社会に空いた穴だ。道に穴が空いていて、そのまま放っておくと誰かが転ぶと困るから、そこを埋めてみる。とにかく目の前の穴を埋める。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんてふざけたことを考えるんじゃない。仕事は、自分に合っていなくて当たり前。つらいし、面白くない、しかし、それも社会の穴で、それをとにかく埋めたから、社会がお金をくれたんだ」。就職活動中のゼミ生にはこの言葉に感じ入って欲しいと思います。

1990年代以降,自分らしくという言葉が日本中で踊ってきました。そして,自分探しという言葉も広がりました。就職活動においても,自分を活かせる仕事探しということをテーマにする学生が増えました。しかし,これは考えてみればすごく不遜な考えかもしれません。自分中心に世の中が回っているという考えが根底にあって,その自分のために仕事が存在するという発想が垣間見えるのです。

お金を稼ぐ仕事は,社会にニーズがあるから存在するのです。人が自分らしさをいくら望んだところで,社会がそれを望まなければ仕事として成り立ちようがありません。独裁者は別にして(あるいは独裁者だって),個人は大きな社会のなかのシステムに組み込まれた装置や部品の一つにしか過ぎません。個人はそのシステムにはまることができるかどうかが問われるのです。

まずは,社会の穴を埋めることができるかどうかを考えなければなりません。社会の穴を埋めることは実は容易ではありません。学生は卒業当初はそんな能力はないでしょう。人は自分が思っているほど能力はないのです。自分らしさもいいですが,社会にはどんな穴が開いているのか,そしてその穴を埋める能力は自分にはあるのか,今ないとすればどうすればその能力が身につくのか,ゼミ生には学生時代にじっくり考えて欲しいと思います。
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長い休み

2008年01月27日 | 就職
大学では現在定期試験を行っています。明日でほとんどが終了します。学生達はその後2ヶ月ほど休みに入ります。当然,ゼミも休業です。学生達は休み中どんな過ごし方をするのでしょうか。

学生に聞いてみると,3年生以外はたいていアルバイトのようです。アルバイト先定番の小売業・飲食業では,猛烈な人手不足に陥っているため,辞めるに辞められないという話しです。

3年生はどうなのかといえば,就職活動たけなわになるのです。すでにほとんどの学生がセミナーやグループ面接を受けているようですが,2月からは本格的に試験や面接が始まります。学生達は,服装,振る舞い,言葉使い,面接で話す内容などについてマニュアル本を見ながら,頭を悩ませているようです。印象が悪くなるので自分を消極的に見せる話しはしない,ノックの仕方を見られているのでノックは中指でこつこつたたく,高級すぎる時計やスポーツウオッチは変に思われるなどなど。まあそうなのかもしれませんが,あまり細かなことを気にしすぎるとノイローゼになってしまいます。大事なことは自然に振舞って(もちろん失礼のないように),自分の良い点を見てもらうことです。それにマニュアル本の内容は面接官はよく知っています。マニュアル本にこだわると,ああまたマニュアル学生が来たかという印象を与えて終わりかもしれません。

ともかく,この長い休み,3年生にとっては学生生活の山場といえるでしょう。悔いのない2ヶ月にしてください。
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リクルート・スタイル

2007年12月08日 | 就職
この季節になるとリクルート用スーツを買う3年生が多く,まれに相談を受けることがあります。学生は「~でなければならない」という厳格なマニュアルに振り回され,不安がっているようです。

私のほうから簡単にスーツ選びのアドバイス。小売店ではよくリクルート用スーツという名称・スタイルでスーツを販売していますが,本来スーツに,リクルート用,面接用などの区別があるわけではありません。ですので,そういう小売店の思惑に囚われず,普通のビジネスマンが買うようなスーツも含めて幅広い選択肢から自分に合うものを買って下さい。基本的にシングル前のダークスーツならOKです。ダークスーツというのは,紺,濃グレー,黒のスーツを指します。ただ,柄ものは着こなしが難しく(シャツやネクタイ選びが難しい),なれない人が着ると下品に見えます。無地がいいでしょう。紺の無地なんてダサいと思うかもしれませんが,日本人の肌色に最も合います。きちんと着こなせば,シャープで知的な印象を与えます。それに紺無地にも生地や色合いによって色々バリエーションがあります。黒は最近流行りですが,意外にシャツやネクタイを合わせるのが難しいです。シャツやネクタイの色とコントラストが強くなりすぎて,下品に見えるのです。

スーツの着こなしの基本はフィッティング(体に合うかどうか)です。学生でスーツの似合わない人は大変多いのですが,そういう人をよく見てみるとたいていサイズが合っていません。オーバーサイズなのです。当たり前ですがジャストサイズで着るとよく似合います。肩が落ちず,背中に余分なしわができず,手の甲が袖で隠れないジャストサイズのスーツを着ると,なれた感じが出て,カッコよく見えます。リクルート用スーツ以外のものも含めて幅広い選択肢からジャストサイズを選んでください。最悪なのは襟が首周りから離れてしまっているものです。スーツを試着して,姿見で,肩,背中を何度も映して,店員さんに確認してもらってください。

小売店で勧められるのか,ストライプ柄(レジメンタル)のネクタイを買う学生が多いようです。とくに赤系。若々しく見えるということで,買うのかもしれません。ただ,ストライプ柄,とくに赤系は意外に合わせるのが難しいネクタイです。シャープな印象を与えることができますが,攻撃的な印象も与えてしまいます。紺のスーツ,白のシャツに赤系のストライプ・ネクタイを合わせると,コントラストがきつく,下品に見えることがあります。品よく見せるためのは,ストライプよりは小紋やピンドット柄がいいでしょう。色はスーツ,シャツと同系色にまとめるのが無難です。うまくグラデーションをつければ,落ち着いた印象を与えます。

靴は,スーツ,シャツ,ネクタイを買った残りのお金で買うことが多いので,いいものを買うことができないかもしれません。しかし,できれば,スーツやシャツ代をケチっても,これにお金をかけてください。いい靴をはいていると見栄えがするのです。安いスーツを着ていても,靴がいいとそこそこのものに見えるのです。そして,靴はしょっちゅう磨いて,手入れしてください。汚い靴はだらしない印象を与えてしまいます。

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明日から秋学期

2007年09月20日 | 就職
明日21日から大学では秋学期が始まります。長くそして暑い夏休みは終わりです。

青木ゼミ(3年生)では,秋学期は今までの活動に加えて,新たに,就職活動の準備を始めることになっています。何をやるかというと,企業研究・業界研究です。

学生達の就職活動を毎年見ていると,とにかく目に付くのが,企業や業界のことをまるっきり知らないで(知る努力もせずに)就職活動を行っていることです。そのため,何が起こるかといえば,とりあえず名のある企業を受験することになります。広告をよく流している消費財メーカーや身近に店舗がある小売業・サービス業,親が勧めるので聞いたことがある金融機関などに志望が集まるわけです。私の身近にいる学生も大半はそうです。銀行に,スーパーマーケットに,食品メーカーになんて,事業内容や求める人材が違う企業を同じ学生が同時に臆することなく受験しています。これでは本人が納得する就職先の内定を取ることが難しいのは当然です。

そこで,企業研究・業界研究を行うために,日経新聞社が発行している経済週刊誌『日経ビジネス』を半年間定期購読してもらうことになりました。ただ,読んでもらうだけでなく,毎週1回昼休みにゼミ生全員が集まり,各自が読んだ中で関心の持てた記事をピックアップして,その記事内容を解説してもらいます(持ち回りで)。さらに,解説の後,ゼミ生間で記事で取り上げられている企業や業界の問題点や今後のあり方を簡単に討論してもらいます。昼休みで使える時間は30,40分ほどしかないので,1回当たり3人程度(持ち時間1人10分)に解説してもらう予定です。月に1度は番が回ってくる計算です。

『日経ビジネス』の定期購読は9月から始まりましたが,それを読んだ感想をゼミ生に聞いてみると,新聞より分かりやすく,面白いとのことでした。主だった企業のビジネスマンならたいてい目を通している雑誌なので,面接の際の受け答えにも活きてくるかもしれません。何よりゼミ生は経済に関する社会常識がある程度身につくでしょう。
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