愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

就活で大事なこと

2018年05月08日 | 就職
就活の情報解禁日、3月1日が目前にせまり、売り手市場でのんびりしていた学生たちもようやくエンジンがかかってきた。エントリーシートを書いては見せに来ている。その中で、ある傾向として気づくのは「ドラマチック」に書きたいのか? と思われる内容だ。

例えば「学生時代一番頑張ったことは、留年したがそれを挽回したこと」というもの。確かに自分なりに精いっぱい頑張ったのかもしれないが、留年したことをはじめに言うのはどうか? と思う。もちろん「なぜ留年したのか」と聞かれたらそれについて答えることは必要だ。そこをどう挽回したかとプラスの方向で答えるのはいい。だが、それはあくまでも聞かれてからのこと。自分のマイナスポイントをはじめから声高にPRする必要はない。

自分のことを長所も短所も洗いざらい書いて、わかってもらうのがエントリーシートではない。
読んだ会社側の担当がどう思うか、ということを少し考えて書こう。ドラマチックな作文も決して望まれているわけではない。確かにエントリーシートで「困難だった出来事と、それを克服した経験を書きなさい」という質問はよくある。その場合は「困難な出来事」を書かなくてはならないが、先に挙げた例のように自分の失敗を書くのではなく、「状況」を書く方がいい。

例えば「部活動のコーチがいなかったが、自分たちで工夫して練習した」などだ。質問の仕方は違うが、結局、「学生時代一番力を注いだ経験」を書くことになる。なぜなら「困難な出来事」に遭遇するのは力を入れたからこそ。そもそも力を注いで頑張ってもいないのに、困難な出来事には遭遇しないだろう。

上田晶美「ドラマチックなPR必要? 企業側に立って吟味しよう」日経新聞2018年2月18日抜粋

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以上の記事では,学生が自分の体験記をドラマチックなものにすべく,あえてミスやマイナス生活からの挽回物語を作り上げて,企業にアピールすることのおかしさを説いています。

そもそもドラマチックな物語が必要なのでしょうか? 学生たちは,就職活動において,華々しさや特別な存在感が企業に受けると思い込んでいる節があります。しかし,多くの企業や職種において,華々しさや特別な存在感より,地道さや粘り強さのほうが重要であるのかもしれません。多くの組織の採用活動は「スター発掘」とは違います。たいていの組織の採用担当者は,職場に貢献してくれる働く仲間を探し出しているのです。組織の業務には,地味で,面白みがなく,ときに理不尽で腹立たしい部分が存在します。そんな業務を,一緒に担当できる人を探し出しているのです。

なお,私が学生のエントリーシートを始めとする書類を見ていて思うことは,ドラマチックかどうか以前に,「何を伝えたいのか分からない」要領を得ないものが多いということです。これは,学生の状況を要約する能力が低いことが原因の一つではないかと考えています(少なくとも私が接している学生の話)。逆に言うと,要約能力を高めると,就活で求められる書類の評価が上がると考えられます。さらには,口頭での説明においても同様に評価を上げることができるでしょう。

ゼミでは,日経ビジネスの記事を要約する練習を毎年行っています。記事の内容を要約して口頭で説明することを指示すると,ゼミ生は,慣れないうちは記事を全部読んでしまうのです。「これでは要約にならない,記事の内容を短くまとめるように」と指示すると,ゼミ生は記事の文章をいくつか抜き取って読み上げます。これがやっとです。

しかし,これでも要約にはなりません。そもそも自分なりに重要なポイントは何か把握していないので,ばらばらの情報を紹介しているだけになります。何を伝えたいのか不明です。さらに,記事で使われている言葉を自分なりに聞き手に合わせて換えておらず,記事の内容を聞き手に理解してもらう工夫がありません。これでは聞き手には,ゼミ生が何を伝えているのか理解できません。

テーマを捉えること,焦点を当てること,聞き手に合わせて言葉を換えること,これらをきちんと行うだけで,要約能力が上がると思います。言うは易く行うは難しですが。


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自分はどんな存在か

2016年10月25日 | 就職
岩田松雄氏が2社目に就任したイオンフォレストの社長になるきっかけとなった自分史。全3万字の一部。自身の過去を、良いことだけでなくつらかった出来事や、その当時考えていたことまで、詳細に記している。岩田氏は自分史の作成は自己分析にもなると、若手ビジネスマンにも作成を薦めている。

「3期連続で赤字だったアトラスを立て直し、親会社のタカラの常務になりました。でも、やはり社長をやりたくなった。その頃紹介されたのが、『ザ・ボディショップ』を運営するイオンの子会社のイオンフォレスト。そこでイオンの人事トップの専務さんに母校の大阪府立北野高校での講演原稿を送り、読んでもらいました。『私の履歴書』のような体裁で、仕事のエピソードを細かく書き連ねた。字数を数えたら3万字もありました」大学卒業後から40代半ばまでの20年の自分史。たとえば、自動車会社における「社長賞受賞」と経歴書では5文字で記される事実が、「バイクで配達していた酒屋の店員さんと接触事故を起こし、その謝罪と容態を伺うために毎日酒屋に通う。するとある日、当初はぶっきらぼうだったご主人に『一番高い車のカタログを持っておいで』と言われた」といったエピソードなど、苦労した実体験が書かれている。

この自分史を気に入ってもらい、イオン子会社3社から社長のオファーがきた。「そのとき書いたエピソードは、今では自分の著書の随所に出てきます。いいことだけでなく、つらい思い出も振り返ることで、ひとつひとつの経験が自分の財産になっていることを実感しています。実際に経験したストーリーは、読む人にとっても印象深い。私が採用する立場で人を見るときも、プロフィールや職務経歴書の裏に隠れているストーリーが気になります」

岩田氏は採用の面接で、役員でも新卒でも同様に必ず尋ねる質問がある。ひとつは、長所と短所を3つずつ。長所の裏返しとして表れやすい「短所」を自分自身で把握しているかがポイント。社交性を長所に挙げる人は「八方美人」、リーダーシップを長所にする人は「強引すぎる」という裏面を意識している人が望ましい。そして、もうひとつが「あなたが一番光り輝いていたときはいつですか」という問いだ。「仕事でなくても、趣味でも、新卒ならばアルバイトでも部活でもいい。自分がもっとも楽しかった経験、具体的なストーリーを聞けば、その人の価値観がわかるし、会社へ貢献してくれるかどうかも判断できる。『チームをまとめるのは大変だったけど、力を合わせて実績を挙げ、皆で喜びを分かち合った』などうれしそうに語ってくれれば、採用ですね(笑)」

(『PRESIDENT』2015年11月30日号 掲載記事抜粋)

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多くの学生は内定獲得をスペック勝負であるとが勘違いしています。そのためか,採用されるためには,優れた能力の証明が必要である。したがって,有名大学卒の学歴が必要である。なければ資格を取得しよう。あるいは,課外活動で人目を引くような実績をあげなくてはいけない。なければ「話しを盛る」といいだろうと考えがちです。

しかし,多くの職場で資格が職務遂行に直結することはないので,資格取得が内定獲得に強く結びつくことはありません。有名大学卒を優先する企業は存在していますが,企業全体から見ればそれほど多くはありません。課外活動での人目をひく実績は組織の一員を探す企業にとっては必ずしも重要ではありませんし,そもそも学生の語る実績は社会人にとっては実はたいしたことがありません。「盛った話し」はたいていつじつまが合わないので,面接時にばれてしまいます。

就職というのは組織の一員になることです。内定は,組織側が,この学生は自分たちの仲間として相応しいと判断したときに出されます。もちろん組織は仕事上の潜在能力を量ります。その際には,学歴や資格で量ることができる学力を見ることもします。ただ,もっと重要な事柄があります。それが人柄です。我々も人間関係を構築する際に,仲間として一緒にやっていけるのか判断しようと,相手の人柄を見るはずです。組織というのは様々な人間関係の折り重なりなのです。

組織というものは,限られた能力の普通の人が,協力し合って大きな仕事を成し遂げる仕掛けです。だから,協力のためにコミュニケーション能力が必要なのです。そして,協力を壊さない人柄の持ち主が求められるのです。

自分の人柄を組織の採用担当者に理解してもらうためには,まず学生自身が自分という存在を把握する必要があることはいうまでもありません。そのために,上記の記事のように,自分史を書いてみてはどうでしょうか。優れたことも,劣ったことも,楽しかったことも,つらかったことも,失敗したこともきちんと書き出してみるのです。自分では弱点だ,失敗だと思っていることは,他人から見ると長所であり,飛躍なのかもしれません。だから包み隠さず洗い出してみる必要があるのです。

3年生はもうすぐ就職活動に直面しなければなりません。ゼミ生には,自分史を踏まえて,就職活動に臨んでほしいと思います。
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キャリア

2015年06月10日 | 就職
先日12年前に本学商学部を卒業した森島さんが,名城公園キャンパスを訪ねてきました。当日はゼミ担当の先生が留守だったので,見知った教員を探して,たまたま研究室にいた私を訪ねてきたようです。うちのゼミの卒業生ではないのですが,私の少人数実習型授業を履修していたので,彼女のことををよく覚えています。

住まいのある関西からせっかく新キャンパスを訪ねてくれたので,キャンパス案内をしました。彼女は「愛知学院大じゃないみたい。あの時,こんないい椅子や机があれば,授業を楽に受けられたのに」という感想を漏らしていました。また,「学生は昔と比べて,行儀がいい」と指摘しました。「12年前と比べて,学部の学生数は半分以下なので,教職員の監視の目が行き届くようになったから,今の学生は行儀よくふるまうようになったかもしれない」と私は返答しました。

図書館が好きだというので,そこを案内した時,森島さんは経済小説を大々的に紹介する小説コーナーを見つけて,「大学の図書館じゃないみたい。商学部や経済学部の図書館で,小説があるのですか? こんな工夫をしないと学生は図書館を利用しないのですか?」と少し寂しそうにつぶやきました。つぎに,専門書や雑誌の詰まった書架を見つけた時には,「これが大学の図書館の典型です。私は学生時代,今しかチャンスがないと思い,難しい専門書を,訳が分からないまま必死で読みました。いい思い出です」と語ってくれました。

そのやり取りを思い出して,私は,大学でしかできない学生時代の経験というものは,意外に,当たり前の地味な日常に潜んでいるのだなと感じました。学生が図書館で専門の学問に関係する本を借りて読む。大学ならば当たり前の行為が,大学教育の核心であり,その後の人生の基盤を作るかもしれない。しかし,今やそれが当たり前ではなくなってしまっている。ゼミ生にはきちんと図書館活用を指導しなければいけないなと改めて思いました。

森島さんについて,学生時代,アクティブで,どこにでも顔を出している元気な学生という印象を持っていましたが,今でもアクティブな女性として活躍している様子です。正社員としての仕事を持ちながら,2人の子供を育てています。その過程で,保育所保護者・学童保育所保護者のリーダーとしても活動しているとのこと。この立場で,大学の頃にもっとしたかった友達と勉強を楽しむことを,今児童福祉を切り口にできているのが楽しいといいます。そしてその勉強成果を研究発表会でプレゼンテーションする機会も持ているそうです。

さて,そんな彼女が後日私にメールでメッセ―ジを送ってくれました。後輩である現学生のキャリア形成について,つぎのアドバイスを述べてくれました。

「就職活動においては,一定レベルの評価の企業に身を置くことを目指して欲しい。もし後にそこを退職することになったとしても,その経歴はその後の人物評価に影響を与える。つまり,あの会社で働いていたのだから能力が高いだろうと推察してもらえる。また,女子学生には,波があってもキャリアは途切れさせないことを心掛けてほしい。キャリアのブランクが生じると,余程の縁がない限り,能力の問題ではなく,再度正社員に返り咲くのは困難。したがって,パートや派遣の時期があったとしても,とにかく仕事を続けることが重要。なお,採用側は,採用のタイミングと組織の都合に合う人物かどうかを重視するので,能力が高くても不採用になる可能性はある。そういう時には縁がなかったとあきらめ,悲観しない。」


彼女は,大学卒業後東証一部上場企業で営業職を務め,子育てを機に事務職に転じ,今はとある組織で正社員として総務の仕事をしているそうです。10年以上のそのキャリアの中で,得た知見をメッセージとして送ってくれたのでした。ゼミ生には是非参考にして欲しいと思います。

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就活の心構え

2014年06月06日 | 就職
以下のような,就活面接に関する記事を産経新聞(2014年5月24日)で見つけました。趣旨は,「無理に話を盛るな」ということです。企業は高スペック学生を評価するとは限らないのです。企業は学生のスペックよりも,学生が,日常の学生生活の中で起きる様々な問題を,どのように解決しているのかについて,見ようとしています。なぜならば,仕事の大半は,華々しいものではなく,地味な日常の出来事だからです。うちの学生の中には,スペックが劣ると悲観する者がいます。しかし,スペックが劣ることよりも,自分の日常をきちんと振り返っていないことのほうがまずいのです。

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就活で背伸びは禁物 最終面接での落選要因

2014年度も2カ月が過ぎようとしており、現時点で大手企業からの内々定が出始めている状況です。友人が内々定をもらったという話を聞いて焦りを感じ始めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、「なぜ最終面接で落選するのか」という点に着目したいと思います。ここ最近「1次面接や2次面接は受かるが最終面接で落選する、その原因は何か」といった相談を受ける機会が多くなってきております。落選の原因は2点あると考えております。

1点目は、企業内での内々定の承認権限が企業幹部に委ねられていることです。昔から最終的には企業幹部が内々定のゴーサインを出すことになっているのが普通だったのですが、最終面接までの段階である程度の判断がされており、最終面接は顔合わせやあいさつのような確認程度といった位置付けが多かったように考えられます。しかし近年の最終面接での不合格者増加を見ていると、企業の業績不振や若手社員の離職率が影響して、企業側の目もより一層厳しくなっていることと、やはり企業幹部も承認をするからには責任を持って採用をしていくという気持ちの表れではないかと推測します。

2点目は、学生自身が背伸びをしてしまっている傾向があることです。企業側が欲しい人材は、「一緒に働きたいと思える人材+利益に貢献してくれる人材」です。そのような観点から企業の採用担当者は学生の皆さんと接しています。学生の皆さんには全国大会で優勝した学生、研究発表で評価を受けた学生、国家資格を取得した学生などさまざまな方がおります。そんな中で就職活動を進めていると、他の学生が立派な経験をしているのに私にはそんな経験がないと、自分と比較し萎縮してしまう学生が多数存在するのも現状です。ただ、私はそこで萎縮する必要はないと考えています。繰り返しになりますが、企業側が欲しい人材は、「一緒に働きたいと思える人材+利益に貢献してくれる人材」です。この方針に合致するのは、全国大会で優勝した学生や研究発表で評価を受けた学生だけでしょうか。

例えば、地区大会1回戦を突破するために苦労した経験や、試験の点数を10点上げるために苦労した経験、そのような経験でも立派なアピールポイントになると私は考えます。もちろん、技術に優れた学生は企業で即戦力になります。ただ、現状は企業で仕事をしたことがないため、戦力になるかは未知数です。そのため、企業の採用担当者は学生時代の成果だけでなく、その学生がどのような意識で問題に取り組み解決したのか、過去の経験が入社後に生かせるのか、企業に貢献してくれるのかといった点も重視しており評価対象としていると考えられます。このことから自己PRはありのままの自分を伝えることが重要であり、自分自身を大きくみせる必要はないということです。
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就職活動前に考えて欲しい

2013年12月07日 | 就職
自己PRは盛っても大した効果はない

就職活動と言えば、自己PRや学生時代に頑張ってきたこと。その時に、自分の学生生活があまりに「普通」だったことに愕然とする人も多いと思う。「自分なんて普通の大学生だし」「大したことやってきていないし」「そもそも自分に自信がありません」など不安な声をよく聞く。

大丈夫です。僕の感覚だと99%の大学生は大人から見たら、大したことはない。そもそも、就職活動は普通の中での勝負なのだから、あまり気負わないでほしい。「インターンシップで数百万円稼いだ」大学生も「学生団体をやって数百人を集めるイベントをした」大学生も「アジアで学校を建てるボランティアをしてきた」大学生も、実のところ、そんなにすごい話には聞こえていない。社会人の中では「よく聞く話」だからだ。

社会に出れば、「新規契約で20億円の商談を数件成立させた」人も「支店長になってエリア3000名のリーダーとして働く」人も「アフリカ大陸の9割の国で0歳児の死亡率を低下させるワクチンを開発した」人もいる。

そう、学生が思う「すごい」は、社会人から見れば「ほとんどが普通」なのだ。だとしたら「50人を100人に」話を盛った(大きい話に作り変える)としても、印象はそう変わらないし、採用側への強いアピールにつながるとは限らない。まずはそのことを理解しておくべきである。

ではどんな「普通の」経験をアピールすればいいのか?ほとんどの大学生が、サークル、バイト、勉強、部活、インターン、旅行、留学のどれかを頑張っている。そして、頑張り方も、出す結果も似ている。
 
最悪のパターンは、「やってきたこと」をゴマかそうとすること。自信がなくなり、面接官ウケの良さそうな強みや自己PRを、自分の経験の中からこじつけのように探し出すこと。それでも、大した経験がなさそうだと思うと、「テクニック」や「話を盛る」ことに終始すること。

たいてい、最初の数分は取り繕えてもすぐにボロが出る。なぜなら、採用担当者が見ているのは大学生が話す美談の裏に隠れた、本人の人間性の弱さや、失敗を見ながら面接をするからである。これを読んでいる皆さんもご存じの通り、人の真価とは、「弱さと向き合うとき」「失敗や困難と向き合っているとき」に出るものだ。

こじつけや盛ることで語られる武勇伝や美談には、採用側はたいして興味を持っていない。そんなことよりも、きみが、自分なりに学生時代を懸命に生きてきたかどうか。失敗やみっともない経験も含め、自分なりの「一生懸命」はあるか。何かひとつでもあるなら、絶対に大丈夫だ。大学生活や、高校以前の経験でもそう。彼らがした挫折や失敗、そして、それらを引き起こす原因となる「弱み」とどう向き合ってきたか。

挫折や失敗から「どれだけのことを学べたか(量と質)」こそがアピールになる。自分の弱みと「どれだけ向き合い、改善に努めたか」こそがアピールになる。これを忘れないでほしい。

(ダイヤモンド・オンライン 2013年 11月29日)

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就職活動時,ゼミ生はじめうちの学生にじっくり考えて欲しいテーマです。自分なりの「一生懸命」を認識することができるのか,そしてそれを語ることができるのか。

多くの学生は勘違いしています。就職内定で大事なのはスペックであると。学歴,資格,活躍,そういう点で目立ったものがないとそれなりの会社には採用されないと。

しかし,それは違います。企業をはじめ組織というものは,普通の人が集まって,大きな仕事を成し遂げる仕掛けなのです。スーパースターが揃っていて成り立つのではありません。独立したスーパースターだらけではかえって,力を結集することができなくなるかもしれません。

大事なことは,学生が,組織の現メンバーから,新メンバーとしてふさわしい人物であると判断されるかどうかです。つまりは,一緒に働き,協力して大きな仕事を成し遂げることができる人物であると考えてもらえるかどうかです。

だから,コミュニケーション能力が大事だといわれるのです。そして,一生懸命な人が望まれるのです。コミュニケーションのとれない人物,一生懸命でない人物とは協力できません。

仕事というものは失敗が続いた果てに成功があります。失敗のない仕事はありません。毎日が失敗の連続です。失敗からのリカバリーをきちんと行うことができる人が成功を導くのです。したがって,失敗ときちんと向き合うことができる人物が評価されるのです。
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コミュニケーション能力

2013年12月03日 | 就職
現3年生の就職活動が本格化しました。就職活動で最も重要な能力は,コミュニケーション能力であるといわれています。では,いったいこのコミュニケーション能力とはどういうものなのでしょうか?これを面接時にアピールすればいいのでしょうか?

以下の記事はこれらの疑問に対する答えを考えるヒントを提供してくれます。要は,きちんと相手の話を理解することが重要だということです。ゼミ生にも諭したいと思っています。うちの学部では,教員の説明(講義内容以外)をきちんと理解することのできる学生は少数です。

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これを言ったら絶対に落ちる!面接官がカチンとくるNGワード

「コミュニケーション力に自信がある」
「私は参謀タイプ」と言っていないか?

 私がキャリアコンサルタントとして、そして経営者として面接で転職希望者と接するとき、もっともカチンとくるのが「コミュニケーション力に自信があります!」という言葉です。私にとっての「地雷トーク」です(笑)。でも最近、これを言う人が結構多いのです。

 面接官はコミュニケーション力が厳しく問われる仕事です。その意味で世の中の一般的な水準と比べ私はコミュニケーション力が高いとは思いますが、「あの時の表情が悪かった……」「別れ際の一言が余計だった……」というように毎回、面接の後はあれこれ反省しています。それは現状に満足せず高い水準を追い求めているからで、「自分はコミュニケーション力に自信がある」とは絶対に言いません。

 それなのに、軽々しく「コミュニケーション力に自信がある!」と言われれば当然カチンとくるわけで、この話をすると面接官は皆、共感してくれます。

 そもそもコミュニケーション力の有無は面接でのやりとりを通じて面接官が判断するものであって、本人があるとかないとかコメントするものではありません。それにもかかわらず自らコミュニケーション力があると言い切るのは、非常に違和感があります。

 コミュニケーション力は「聞く力」が出発点で、話を聞いて相手を理解し、そのうえで自分を理解してもらうことが重要です。ところが面接で「コミュニケーション力が高い」と自称するのは、単なるおしゃべりや押しが強いだけの人だったりします。こういう応募者に対し、私は「それを言ってはおしまいです」と強くご注意申し上げています。

(ダイヤモンド・オンライン2013年12月2日)
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就職活動準備

2013年11月24日 | 就職
あと1週間すると,3年生の就職活動が本格化します。ゼミでは何度かこのことを話題にしました。

重要なことは,企業研究による受験先選択とモチベーションの維持だと説明しました。うちの学生を見ていると,まともに企業研究をしていません。そもそも,就職活動に消極的な態度で挑むため,準備不十分なまま受験に臨んでいます。したがって,名前を知っている消費財関連企業やメディアによく登場する企業ばかり受験します。倍率数百倍を潜り抜ける心構えも差別性もないので,当然あっけなく落ちます。そして,2,3社受けてうまくいかないと,あきらめるケースが非常に多い。打たれ弱い学生が多いのです。

なお,4年ゼミ生は9月に全員就職先が内定しました。過去最もうまくいったのかもしれません。必ずしも志望する企業で内定を獲得することができなかったのかもしれませんが,望んでいた業界で就職することはできそうです。個人的には,小売業界を希望して内定を得たゼミ生が例年より多く出たことをうれしく思っています。

ゼミ3年生にはその4年生の経験もきちんと見聞きして欲しいと思います。自分の直接経験から学ぶだけでは手遅れになります。他人の経験から学び,事前準備する姿勢が大事です。


ゼミ3年生には,具体的作業として,最低限,就職対策本や筆記試験対策本を買うことと,今定期購読している日経ビジネスをきちんと読むよう指示しました。筆記試験対策は手を付けやすいと思うのですが,うちの多くの学生はまともに取り組みません。また,経済紙を読むこともしないのです。

以下の記事は筆記試験が意外に重要視されていることを示しています。全入大学が増加し,企業は大学の学力選抜・養成機能を信じなくなっています。受験勉強フリー学生を信用しない企業が増えているようです。

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「算数できない…就活生の学力低下“受験勉強フリー”世代の恐るべき実態」(産経新聞 2013年9月17日)

近年の就職活動で避けては通れない壁の一つとして、「筆記試験」が挙げられる。少し前のデータだが、2011年度の大学生協就職本ランキングでも、上位5冊が全て筆記試験対策関連書籍であり、学生の関心の高さが見受けられる。現在では筆記試験の種類・受験形態も非常に多様化している。筆記試験の大半は、選考過程の中でも序盤、「面接に進む前」に実施されることが多い。いわゆる受験者の「足きり」である。どれだけ企業研究をしても、会社や仕事に対する熱い想いがあっても、筆記試験で結果を出せなければ面接にすら進めない。

学生が必死で対策に取り組むことも当然である。当然、大学のキャリアセンターでも筆記試験対策には力を入れている。中には外部の予備校などの有名講師を招き、講義を実施する大学もある程だ。しかし、ここ数年で学生の学力に大きな変化が感じられるという。関西圏の大学を中心に、筆記試験講座を実施している講師に話を聞いてみた。

「顕著に感じるのは「学力の差が大きく開いている」ということですね。筆記試験の科目では数学関連の問題が多いのですが、問題を解ける学生と解けない学生の差があまりにも大きい。極端な例だと、分数の通分ができなかったり、方程式の概念が分からなかったりと、正直、小学生の算数レベルから指導する場合もある程ですよ」

また、ある大学関係者はこう語る。「学生の学力低下は、何も学生本人だけの問題だとは言い切れません。ここ最近、AO入試や推薦入試が大幅に増えたので、『受験勉強をせずに大学に入る学生』が増加しているんです。一般入試でも、『受験さえすれば事実上合格にする』という基準を設けている大学もあると聞きます。少子化の影響で学生の獲得争いは熾烈な状況ですので、『大学への入学』は容易になりました。しかし、『きちんと企業から内定をもらって卒業する』というハードルが徐々に高くなっているように感じます。」

また、企業の人事担当者にも話を聞いた。「業種や職種にもよりますが、極論を言うと、『学力や筆記試験の結果が仕事の出来に直結する』とは言えません。しかし、社会に出て仕事をする中では、『自分で物事を考える力』や『現状を分析する能力』、『多少の困難でも諦めない継続性』が欠かせません。これらのことは勉強を継続して行う中で培われる可能性が高い。あまりにも筆記試験の点数が悪い学生であれば、『この子は困難なこと(この場合では勉強のこと)があればすぐに投げ出してしまうのでは?自分で物事を考える力が乏しいのでは?』という印象を抱いてしまいます。」

就職活動で企業の人事担当が最も重きを置いて評価する点は『個々の人間性』であることは間違いないし、筆記試験の点数が良ければ内定を獲得できる訳でも無い。しかし、勉強を継続して行う中でこそ身に付く能力や素養もある、ということを忘れてはいけない。
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会話力

2011年05月25日 | 就職
数年前,愛知学院大学にアメリカの元大統領クリントン氏が来訪されました。本学の講堂における元大統領の講演会を一部学生が聴講しました。

聴講したうちの学生が就職活動で出会った東京の有名国立大生にそのことを話したそうです。そうすると、その国立大生は細かく講演の様子を聞いてきたそうです。うちの学生はそれを捉えて,「さすがに有名国立大生は会話が違う,鋭いことを聞いてくる」と感心したように私たちに話すのでした。

しかし,よくよくその状況を聞いてみると,国立大生は世界のトップ政治リーダーだった元大統領が大学で講演したという事実に興味を持ち,言葉を変えて講演の様子を何度か質問したに過ぎないことが分かりました。論理の矛盾を問い質したわけでも,国際政治に関する見解を訊ねたわけでもないのです。

にもかかわらず,レベルの高い会話をしかけてきたと感心するのは,うちのその学生がその程度の会話すらしていないからだろうと感じました。事実の説明すらしないきちんとしない会話に終始しているということです。

会話力というのは,実は重要なコミュニケーション能力です。これが身についている学生は学業でも就職活動でも優位に立ちます。この会話力とは,少数の仲間内で(コンテキストを共有している人たちと)言葉のやり取りをするだけでなく,世代や立場の違う人たちや,見ず知らずの人たちとも言葉のやり取りができることを指します。コンテキストを共有していない人たちと言葉のやり取りができることが重要なのです。

そういう会話では,詳細で,論理的な説明を要求されます。一度説明したことを,言葉を変えて再度説明することも求められます。そして,逆に相手の説明を理解し,不十分な場合には言葉を変えて聞き直すことも求められます。したがってボキャブラリーの豊富さが必要なのです。ボキャブラリーが豊富であるためには,幅広い生活体験を積むと同時に,広範囲に書物を読んで多くの言葉に触れて,それを蓄えておかねばなりません。また,コンテキストを共有していない人たちと言葉をやり取りする訓練を積むことも必要です。訓練しなければ能力の向上はありません。

会話力のない学生が私の身の回りには多いのですが、そういう学生はたいてい普段少数の友人としか会話していません。コンテキストを共有している仲間としか会話しないので、会話力が向上しないのです。先の国立大生はコンテキストを共有しない他大学学生との言葉のやり取りを積極的に試みたに過ぎません。それをすごいことだと感じたうちの学生は、コンテキストを共有しない人物との会話の経験を積んでこなかったのでしょう。

学生が会話力を向上させるためには、新聞、雑誌、本を毎日読む癖をつけるとともに、コンテキストを共有しない人との会話を積極的に行う必要があります。簡単に行うならば、私のようなおじさん教員と世間話をするというのがいいでしょう。世代が違い、立場が違う教員と学生では、同じ大学に属していたとしても、生活面ではコンテキストを共有しません。勉強のこと以外に、趣味、買い物、レジャーなどに関するよもやま話をすればいいのです。難しい話をする必要はありません。

ちなみに、昨今、学生がよく「就職活動で圧迫面接を受けた」と騒いでいるのを耳にします。しかし、よく状況を聞いてみると、面接者が圧迫を意図して加えたのではなく、コンテキストを共有しない学生に詳細な説明を求めたに過ぎないと思えることが多いのです。「そんな程度で圧迫なんて言っていると、この先自立して生活していけないんじゃないか」と老婆心ながら思います。ただ、学生は会話力を鍛えれば、感じ方が変わるのだろうと想像しています。


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就職活動

2010年11月28日 | 就職
3年生の就職活動が本格化してきています。今月学内でスーツ姿の3年生が目立ちます。

しかしながら,まだ就職先が内定していない4年生が多く存在しています。現在,全国平均で内定率は50%台後半,東海地方では50%台前半という状況です。

ゼミにおいて希望通り内定が取れた学生たちに共通していることは,フットワーク軽く盛んに企業を訪ねたことと,企業・業界選びが一貫していたことです。企業・業界選びに注目してみると,一貫して産業財を扱う企業を志望した学生が見事に内定を獲得した例が目立ちます。ミスミや牧野フライスといった企業です。

たいていの学生は企業や産業のことをよく知りません。したがって,自分に身近で,少ない知識の中でも覚えている企業ということで,消費者向けの財やサービスを扱う企業を志望することが多く,その手の企業にはおびただしい数の志望者が集まることになります。その一方で,産業財企業は日本経済の根幹を支えていることが多いにも関わらず,注目しない学生が多いのです(文系学生はとくに)。先ほどあげたミスミや牧野フライスは,東証一部上場,業界内では著名で優良といえる企業なのですが,ゼミの学生のうち,内定を得た学生以外はまったく知りませんでした。そういう意味では,産業財企業をねらうのはチャンスなのかもしれません(といっても現状では高倍率ですが)。

これから就職活動を行う3年生には,よほど強い動機がある場合を除いて,消費者向けの財やサービスを扱う有名企業は志望するなと指導しています。それらの企業では志望者が多く,とんでもない高倍率になるので,面接まで至ることすら難しい。ほとんどの場合時間と労力の無駄になる。就職活動に使うことができる時間と労力は限られている。学生が注目しない隠れた優良企業を探し出して,そこを志望するほうが効率的で満足のいく活動ができるはずだと。そのため,日経ビジネスで,技術力の高いあるいは独自性のある産業財企業を取り上げた記事をよく読んで目を養いなさいと指導しています。

自己分析も大事ですが,業界・企業研究も大事です。しかし,業界・企業研究をきちんと行っている学生はうちの学部では少数です。そのやり方すら知らない。ゼミ生にはしつこく指導していくつもりです。

なお,例年,内定をいち早く見事に獲得する学生に共通する特徴があります。あいさつがきちんとできることと,時間に正確なことです。社会人として当たり前の振る舞いです。しかし,これらが実行できない学生は意外に多いのです。当たり前のことがきちんとできるかどうか,ゼミ生には確認して欲しいと思っています。

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日経ビジネス

2009年04月21日 | 就職
うちのゼミでは3年生は全員雑誌日経ビジネスを定期購読しています。日経アカデミック・サポートというプログラムに申し込んで、学割を適用してもらって、定期購読しています。名古屋マーケティング・インカレは日経ビジネスの協賛を受けているので、定期購読はこれに参加する条件となっています。

学生は毎年インカレ参加のためにしぶしぶ定期購読を申し込んでいます。最も負担がないように、半年間購読を申し込むのです。3年次夏から雑誌が来て、冬には購読が終了します。そうしたところ、今年度4年生になったゼミ生の半数が定期購読延長を申し出てきました。彼らいわく、「これから就職活動本番なのに、読めないのは残念だ」「面白くて読み応えがある」「学割が利いて低価格なのでお得だ、是非延長したい」と。

実は、先月名古屋マーケティング・インカレに関する学生ヒヤリングを実施したとき、良かった事柄のなかで、うちのゼミ生が最も強調したものの一つが日経ビジネスを読んで勉強になったことでした。これをきっかけに経済ニュースに敏感になったという学生も数名いました。

うちのゼミでは、正規のゼミ授業時限とは別に、毎週1回昼休みに全員が集まって、日経ビジネスの記事の要約発表を行っています。読んだ記事の中から、各自一つ選んで内容を要約してもらい、1~2分でそれを説明してもらっています。これは就職活動準備、とくにプレゼンテーションの練習として行っています。

皆嫌々やっていたわけですが、強制的に読まされた日経ビジネスが意外に面白いことに気付いたのでした。新聞と比べると、写真が多く、文章表現がこなれていて、しかも掘り下げた内容になっているからでしょう。新聞は中卒の学力でも読むことができるように編集されているそうですが、日経新聞を見る限り、とても学生がすらすら読めるようにはなっていません。しかし、日経ビジネスは学生には読みやすいようです。

昨年度は定期購読延長の要望はありませんでした。昨年度より厳しさの増す就職活動状況に打ち克つために、今年度はきちんと勉強したいという学生の気持ちが現れているのかもしれません。これをきっかけに、ゼミ生には、色々なメディアで経済ニュースに触れて欲しいと思っています。また、マーケティングだけでなく、金融や経済政策などにも関心を持つようにして欲しいと思っています。
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