愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

ほんま?なんで?意味ある?

2021年04月24日 | 運営
先日ゼミの時間、複数のゼミ3年生グループが研究発表のためのテーマを披露しました。漠然としたものばかりです。その中の一つに、「近年生鮮食料品の価格変動が大きくなってきているので、それを平準化するためのマーケティング上の方策を考察する」というものがありました。

それに対して4年生が「本当に価格変動が大きいのかデータを示してほしい」と指摘しました。さらに「どうなれば変動が大きいといえるのか」と変動を規定する基準や要因を求めました。

その後、私は研究発表で常に念頭に置かなければならない言葉として、「ほんま?(本当?)」「なんで?(なぜ?)」を諭しました。多くの学生たちは、本、雑誌、インターネットに書かれた意見をうのみにして、そのまま自らの研究発表やレポートに盛り込みます。また、特定の現象を改善するための戦略を自ら導くと表明しながら、その現象がなぜ生じたのか自分なりに原因を捉えようとしません。

自分が参考にした意見や自らの主張について本当にそう言えるのか、根拠はきちんとそろっているのか、「ほんま?」と発して、深く考えなければ説得力のある説明にはなりません。「なんで?」と発して、取り上げた現象の原因やメカニズムをとらえなければその改善や戦略提案の糸口を得ることはできません。そうでなければ、ただの思い付きを表明するにとどまります。

4年生はそもそも価格変動は悪いことなのかと指摘しました。価格は需要と供給のバランスを図るための重要情報です。価格の変動は需給の調整のためには不可欠であるという考え方が存在します(実際、必修科目の経済学の初歩でゼミ生はそう習っている)。これを踏まえて、3年生が掲げたテーマの研究上の意義を問いかけた訳です。もちろん価格の平準化には意義がありますが、3年生はそれを深く考えてはいませんでした。この研究意義についても、「意味ある?(意義はあるか?)」と発して深く考えてほしいのです。

研究テーマを設定することは、研究発表上最も難しい事柄です。研究テーマが決まれば、研究発表は半分完成したも同然なのです(少なくとも社会科学において)。この先数か月3年生たちは悩み続けるでしょう。徹底して悩み続けてほしい。こちらから助け舟を簡単には出しません。それがゼミ生たちの頭を鍛えることになるからです。
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年度始まり

2021年04月02日 | 運営
4月1日に入学式が挙行されました。そして、2日に新入生オリエンテーションが開催されました。その後いくつかのガイダンスと相談会の後、7日から授業開始になります。

オリエンテーションの冒頭、学部長挨拶として、新入生に対して、大学は教育機関であると同時に研究機関であること、学生も教員の手ほどきを受けながら研究を手掛けることが求められること、研究に触れることが大学で教育を受ける重要な意義であることを説明しました。加えて、大学生は「生徒」ではなく「学生」であることも説明しました。学生は自主的・自律的に学ぶ存在であることを示唆しながら。

ただ教室で座って教員の話を聞いて、ノートをとりそれを覚えるだけでは、大学の学びにはなりません。自分で疑問に思うこと、世の中で十分明らかにされていないことに対して、自分なりの答えを探究する営みがなければ大学の学びにはなりません。その探究こそが学生の頭脳を鍛え、不確実な世の中で自分なりに意思決定する力を身につけることになります。

年度が始動した記念に写真を撮りました。先日卒業生からプレゼントされたネクタイを身につけています。気持ちが引き締まりました。
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