愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

ビジカン中間発表会

2016年10月31日 | 運営
今年の10月31日(月)は,大学祭後片付けの日に当たり,授業は休みでしたが,商学部では有志たちが,ビジカン中間発表会を開催しました。商学部および経済学部の学生100人ほどが集まり,4つの部屋に分かれて研究発表を行いました。

ポスター発表の本大会は1月29日,30日に開催されます。その前に,テーマの確定と,相互チェックのために口頭の中間発表会を開催しました。

うちのゼミでは,2,3,4年生全員に発表してもらいました。2年生が発表に参加したのはうちのゼミだけでした。彼らは名古屋めしの発展と観光資源化を考案するというテーマを掲げています。最終的に論文に仕上げてもらう予定ですが,その前に,思考を整理し,テーマを絞り込むために中間発表してもらったのでした。

持ち時間10分の発表を5人で分担したのでしたが,初めてのプレゼン体験ということで彼らは異様なほど緊張していました。声は震え,目線が泳いでいましたが,きちんと所定の内容を伝えることができました。質疑応答場面でも,何とか質問に対して答えることができました。初めてにしては上出来でした。

プレゼンはとにかく場数を踏むことが上達への近道です。うちの学部では3年生になってから少しづつ練習するという学生が多いのですが,あまり場数を踏んでいきません。私の接している学生を見ていると,他大生と比べ目立ってダメな部分がプレゼン能力です。うちのゼミでは,ゼミ生が他大生の中に混じって何とか恥ずかしくないレベルに引き上げるべく,場数を踏ませる努力をしています。

なぜ,2年生では,自分たちだけこんなことをやらなくてはならなかったのだと,ゼミ生たちは感じたかもしれません。でもこれが自分たちの能力向上に欠かせない訓練の一歩だったと,認識してもらえばよいでしょう。
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自分はどんな存在か

2016年10月25日 | 就職
岩田松雄氏が2社目に就任したイオンフォレストの社長になるきっかけとなった自分史。全3万字の一部。自身の過去を、良いことだけでなくつらかった出来事や、その当時考えていたことまで、詳細に記している。岩田氏は自分史の作成は自己分析にもなると、若手ビジネスマンにも作成を薦めている。

「3期連続で赤字だったアトラスを立て直し、親会社のタカラの常務になりました。でも、やはり社長をやりたくなった。その頃紹介されたのが、『ザ・ボディショップ』を運営するイオンの子会社のイオンフォレスト。そこでイオンの人事トップの専務さんに母校の大阪府立北野高校での講演原稿を送り、読んでもらいました。『私の履歴書』のような体裁で、仕事のエピソードを細かく書き連ねた。字数を数えたら3万字もありました」大学卒業後から40代半ばまでの20年の自分史。たとえば、自動車会社における「社長賞受賞」と経歴書では5文字で記される事実が、「バイクで配達していた酒屋の店員さんと接触事故を起こし、その謝罪と容態を伺うために毎日酒屋に通う。するとある日、当初はぶっきらぼうだったご主人に『一番高い車のカタログを持っておいで』と言われた」といったエピソードなど、苦労した実体験が書かれている。

この自分史を気に入ってもらい、イオン子会社3社から社長のオファーがきた。「そのとき書いたエピソードは、今では自分の著書の随所に出てきます。いいことだけでなく、つらい思い出も振り返ることで、ひとつひとつの経験が自分の財産になっていることを実感しています。実際に経験したストーリーは、読む人にとっても印象深い。私が採用する立場で人を見るときも、プロフィールや職務経歴書の裏に隠れているストーリーが気になります」

岩田氏は採用の面接で、役員でも新卒でも同様に必ず尋ねる質問がある。ひとつは、長所と短所を3つずつ。長所の裏返しとして表れやすい「短所」を自分自身で把握しているかがポイント。社交性を長所に挙げる人は「八方美人」、リーダーシップを長所にする人は「強引すぎる」という裏面を意識している人が望ましい。そして、もうひとつが「あなたが一番光り輝いていたときはいつですか」という問いだ。「仕事でなくても、趣味でも、新卒ならばアルバイトでも部活でもいい。自分がもっとも楽しかった経験、具体的なストーリーを聞けば、その人の価値観がわかるし、会社へ貢献してくれるかどうかも判断できる。『チームをまとめるのは大変だったけど、力を合わせて実績を挙げ、皆で喜びを分かち合った』などうれしそうに語ってくれれば、採用ですね(笑)」

(『PRESIDENT』2015年11月30日号 掲載記事抜粋)

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多くの学生は内定獲得をスペック勝負であるとが勘違いしています。そのためか,採用されるためには,優れた能力の証明が必要である。したがって,有名大学卒の学歴が必要である。なければ資格を取得しよう。あるいは,課外活動で人目を引くような実績をあげなくてはいけない。なければ「話しを盛る」といいだろうと考えがちです。

しかし,多くの職場で資格が職務遂行に直結することはないので,資格取得が内定獲得に強く結びつくことはありません。有名大学卒を優先する企業は存在していますが,企業全体から見ればそれほど多くはありません。課外活動での人目をひく実績は組織の一員を探す企業にとっては必ずしも重要ではありませんし,そもそも学生の語る実績は社会人にとっては実はたいしたことがありません。「盛った話し」はたいていつじつまが合わないので,面接時にばれてしまいます。

就職というのは組織の一員になることです。内定は,組織側が,この学生は自分たちの仲間として相応しいと判断したときに出されます。もちろん組織は仕事上の潜在能力を量ります。その際には,学歴や資格で量ることができる学力を見ることもします。ただ,もっと重要な事柄があります。それが人柄です。我々も人間関係を構築する際に,仲間として一緒にやっていけるのか判断しようと,相手の人柄を見るはずです。組織というのは様々な人間関係の折り重なりなのです。

組織というものは,限られた能力の普通の人が,協力し合って大きな仕事を成し遂げる仕掛けです。だから,協力のためにコミュニケーション能力が必要なのです。そして,協力を壊さない人柄の持ち主が求められるのです。

自分の人柄を組織の採用担当者に理解してもらうためには,まず学生自身が自分という存在を把握する必要があることはいうまでもありません。そのために,上記の記事のように,自分史を書いてみてはどうでしょうか。優れたことも,劣ったことも,楽しかったことも,つらかったことも,失敗したこともきちんと書き出してみるのです。自分では弱点だ,失敗だと思っていることは,他人から見ると長所であり,飛躍なのかもしれません。だから包み隠さず洗い出してみる必要があるのです。

3年生はもうすぐ就職活動に直面しなければなりません。ゼミ生には,自分史を踏まえて,就職活動に臨んでほしいと思います。
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中間発表会

2016年10月02日 | 名古屋マーケティング・インカレ
10月1日土曜日午後12時半から午後6時にかけて,愛知学院大学名城公園キャンパスにおいて名古屋マーケティングインカレ第2回中間発表会を開催しました。うちのゼミが発表会運営担当でした。ゼミの3年生は3名しかいないので,4年生にも手伝ってもらい,当日朝何とか会場を設営しました。実際に発表会が始まれば,参加している学生たちが自主的に運営協力してくれたので,無事に終えることができました。

発表の様子はいつもどおりでした。どのチームも懸命に勉強してきた跡はうかがえました。熱気のこもった質疑応答が展開されました。中間発表会としては上出来でした。

しかし,どのチームも結論を導くためのテーマの絞り込みがうまくいかず,四苦八苦していました。自分たちなりの主張がない,あるいは今後主張を展開できる見通しがたっていないのです。暫定的に自分たちなりの主張を展開しているチームが少しありましたが,ありきたりか根拠薄弱なものでした。

簡単に結論が出るのならば,1年近く時間をかけて研究発表に打ち込んでもらう意味はありません。簡単に結論が出ないからこそ手掛ける意味があり,面白さを味わえるのです。参加しているすべての学生には,12月3日の本大会まであと2か月間寝る間を惜しんで調査と思索の努力をして欲しいと思います。この2か月の経験は良い財産になります。

さて,私はいつもは発表会の質疑応答時間では発言しないように心がけています。教員が発言してしまうと,学生たちが委縮して質疑応答が不活発になってしまう可能性があるからです。しかし,今回,ある発表に対して,質疑応答場面でコメントをしました。企業の担当者にヒヤリングして,その内容に基づいて今後の戦略提案を導き出そうとしていたことに対して,ヒヤリングの内容をそのまま受け入れて安易に戦略に結びつけてはいけないと発言しました。企業人はポジショントークをする可能性があるし,思いつきで話す可能性もある。彼らにとって都合の良いことのみ話していると疑ってヒヤリング内容を利用すべきであるということです。このことは企業人だけでなく,政治家,官僚,ひょっとすると学者にも当てはまります。

これは他の学生にも留意して欲しいので,あえてその場で話をしました。学生たちはがんばって企業人に対するヒヤリングを何度も実施します。そして,それを真に受けて発表内容にそのまま織り込みます。結論を支える重要根拠として扱う場合もあります。しかし,本当にそれでいいのかと踏みとどまり,別の情報源から傍証を探したり,反証を試みるたりすべきなのです。

実はこれは,ある学会において,ケーススタディー型研究発表を聴講していた時に接したコメンテーターの発言を,私なりに受け止めた内容です。私たち教員も常に留意しなければならない事柄です。

発表会後,懇親会が学内の猿カフェで行われました。その際,何人もの他大学の学生から研究発表に対するコメントを求められました。皆非常に熱心に聞いてメモを取っています。例年のことながら感心します。研究発表会を厄介事だと感じるのではなく,自分を成長させる素晴らしいチャンスだと考えているのでしょう。ただ,うちの3年生ゼミ長が,「うちの学生で他大学の先生や学生に研究発表の相談を持ちかけているのは僕ぐらいでした。他の学生たちは誰もそういうそぶりは見せなかった。なんかうちの学生は今一つですね」と私に話してくれました。例年私も感じることですが,うちの学生は内輪で集まるばかりで,他大学生・教員との交流に消極的です。なお,積極的に交流を図る学生たちは,本大会でよい評価を得る傾向にあります。実際うちのゼミでも,過去本大会で良い評価を得たゼミ生は,他大学の先生にしつこく相談し,教えを乞うていました。


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