12月7日土曜日,愛知大学において第18回名古屋マーケティング・インカレ本大会が開催されました。懇親会を含め朝9時から夜9時までの長丁場でした。うちのゼミ3年生の4チーム16名が発表しました。全体では34チーム150名ほどの学生が参加しました。
今回最優秀に選ばれたのは愛知大学経営学部為廣ゼミ「千羽鶴」というチームの発表でした。ティザー広告を取り上げ,それが消費者の商品に対する興味を惹起させるのか,クチコミ意図を高めるかを追究しました。彼らは,架空のワイヤレス・イヤフォン製品のPOP広告を設定し,完全情報(統制条件),一部情報欠落(ティザー条件)を操作してポスターを作成しました。これらを消費者に提示し,条件によって,商品に対して持つ興味,クチコミ意図に差があるかどうかについてアンケート調査しました。一部欠落については,どの情報を欠落させるかについて,ブランド名欠落,コピー欠落,商品写真欠落など条件を細分化しました。データを分析した結果(一元配置分散分析),どの情報であれ情報が欠落した場合(ティザー条件),消費者はクチコミ意図を高めることが明らかになりました。ただし,どの情報が欠落したかによる差はありませんでした。また興味を高めることについては,完全情報,一部情報欠落で有意な差がありませんでした。
明確な問題意識,手堅い調査,分かりやすい論理展開,巧みなプレゼンテーションで,「突っ込みどころ」が少なく,学生の相互評価で最優秀に評価されました。すっと頭に入ってくるよい発表だったと思います。ただし,クチコミ惹起を狙って企業がティザー広告を展開するのは当たり前といえば当たり前なので,個人的には,もうひとひねり入れてくれれば良かったと思います。例えば,情報欠落あり以外の条件に,商品種別(耐久消費財,非耐久消費財など)や消費者属性別(高関与,低関与など)を何か加えて,二元配置分散分析の調査計画を試みれば,もっと面白くなったかなと感じました。
ところで,私は当日校務のため開会式に間に合わないことが分かっていたため,当日朝,ゼミ生たちにメッセージを送りました。
「4月から始めた研究発表のクライマックスが本日です。堂々と自信満々な態度で発表しつつも,謙虚な姿勢で質問や指摘には対応してください。声はいつもよりも30%大きく。そうすると,早口が減り,聞き取りやすい発表になります。紙やスマホ画面を必死で目で追うのではなく,聴衆をいったん見た後で,原稿を読み,一息ついたら教室の後ろを一瞥してください。堂々とした発表になります。質問には分かる範囲で,ごまかさずに答えてください。私は優秀賞等の受賞にはこだわりませんが,一つ重視していることがあります。皆さんがこの1年で知的に成長したかどうかです。「あの発表はひどいな」と評されず,「彼らはなかなか頑張っているな」と声を掛けられるならば,成長が見られたことになります。4月から成長したならば,少なくともひどいと評される発表はしないはずです。そして努力の跡が発表に込められているはずです。今晩泣けることが最上の過ごし方です。勝って悦び,負けて悔しがる,どちらにせよ泣くというのがこの発表会に挑んだ学生の正しい姿です。健闘を祈ります」というものです。
果たして彼らは知的成長を示したでしょうか。うちのゼミの一部チームは優秀賞には及ばなかったものの,学生相互評価において,低くない評価であったため,特別賞が与えられました。他大学生の発表を色々聞いて,うちのゼミ生たちの発表を振り返ってみると,私の目から見て,4つともひどい発表ではなく,努力の跡が見えていたので,「まあまあ良かった」といえます。ただ,まだまだ努力・工夫の余地がたくさん残っています。1月30日開催の学内研究発表会まで改善を続けて欲しいと思っています。粘り強い試行錯誤こそが知的成長につながります。
今回最優秀に選ばれたのは愛知大学経営学部為廣ゼミ「千羽鶴」というチームの発表でした。ティザー広告を取り上げ,それが消費者の商品に対する興味を惹起させるのか,クチコミ意図を高めるかを追究しました。彼らは,架空のワイヤレス・イヤフォン製品のPOP広告を設定し,完全情報(統制条件),一部情報欠落(ティザー条件)を操作してポスターを作成しました。これらを消費者に提示し,条件によって,商品に対して持つ興味,クチコミ意図に差があるかどうかについてアンケート調査しました。一部欠落については,どの情報を欠落させるかについて,ブランド名欠落,コピー欠落,商品写真欠落など条件を細分化しました。データを分析した結果(一元配置分散分析),どの情報であれ情報が欠落した場合(ティザー条件),消費者はクチコミ意図を高めることが明らかになりました。ただし,どの情報が欠落したかによる差はありませんでした。また興味を高めることについては,完全情報,一部情報欠落で有意な差がありませんでした。
明確な問題意識,手堅い調査,分かりやすい論理展開,巧みなプレゼンテーションで,「突っ込みどころ」が少なく,学生の相互評価で最優秀に評価されました。すっと頭に入ってくるよい発表だったと思います。ただし,クチコミ惹起を狙って企業がティザー広告を展開するのは当たり前といえば当たり前なので,個人的には,もうひとひねり入れてくれれば良かったと思います。例えば,情報欠落あり以外の条件に,商品種別(耐久消費財,非耐久消費財など)や消費者属性別(高関与,低関与など)を何か加えて,二元配置分散分析の調査計画を試みれば,もっと面白くなったかなと感じました。
ところで,私は当日校務のため開会式に間に合わないことが分かっていたため,当日朝,ゼミ生たちにメッセージを送りました。
「4月から始めた研究発表のクライマックスが本日です。堂々と自信満々な態度で発表しつつも,謙虚な姿勢で質問や指摘には対応してください。声はいつもよりも30%大きく。そうすると,早口が減り,聞き取りやすい発表になります。紙やスマホ画面を必死で目で追うのではなく,聴衆をいったん見た後で,原稿を読み,一息ついたら教室の後ろを一瞥してください。堂々とした発表になります。質問には分かる範囲で,ごまかさずに答えてください。私は優秀賞等の受賞にはこだわりませんが,一つ重視していることがあります。皆さんがこの1年で知的に成長したかどうかです。「あの発表はひどいな」と評されず,「彼らはなかなか頑張っているな」と声を掛けられるならば,成長が見られたことになります。4月から成長したならば,少なくともひどいと評される発表はしないはずです。そして努力の跡が発表に込められているはずです。今晩泣けることが最上の過ごし方です。勝って悦び,負けて悔しがる,どちらにせよ泣くというのがこの発表会に挑んだ学生の正しい姿です。健闘を祈ります」というものです。
果たして彼らは知的成長を示したでしょうか。うちのゼミの一部チームは優秀賞には及ばなかったものの,学生相互評価において,低くない評価であったため,特別賞が与えられました。他大学生の発表を色々聞いて,うちのゼミ生たちの発表を振り返ってみると,私の目から見て,4つともひどい発表ではなく,努力の跡が見えていたので,「まあまあ良かった」といえます。ただ,まだまだ努力・工夫の余地がたくさん残っています。1月30日開催の学内研究発表会まで改善を続けて欲しいと思っています。粘り強い試行錯誤こそが知的成長につながります。
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