愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

小売マーケティング・ハンドブック2

2012年08月23日 | Weblog
多くのマーケティングの専門書や教科書は生産者(とくにメーカー)のマーケティングが想定されています。小売マーケティング・ハンドブックを書き上げる際には,小売業者のマーケティングと生産者のマーケティングとの違いに留意しました。留意した点は次の通りです。

小売業の中心的存在は店舗小売業です。小売業者はそこに顧客を引き込み販売を成し遂げます。ここに注視することは生産者マーケティングとの違いです。したがって,小売マーケティング・ハンドブックでは,店舗の開発やそこでなされる売場つくりに関する理論的説明にページを割いています。

また,小売業者は様々な生産者の商品を多数集めて顧客に提供するのが普通です(例外はありますが)。したがって,小売マーケティング・ハンドブックでは,品揃え形成,商品調達(仕入),陳列,在庫管理などの理論的説明に多くのページを割いています。なお,その品揃え形成に関する説明は生産者マーケティングでは通常取り上げられません。生産者マーケティングおいては,その代りに,ブランド開発・管理や製品開発が取り上げられます。小売マーケティング・ハンドブックでは,プライベート・ブランドの問題を少し取り上げていますが,ブランド管理や製品開発は取り上げていません。

価格の決定やプロモーションについては,生産者マーケティングとの間に大きな違いは存在しないと思われます。ただ,小売業者の価格決定は比較的多数の商品について行われること,プロモーションには店舗において展開されるものが存在することに留意しました。

当たり前のことですが,違いが存在しなければ,わざわざ小売マーケティングの本を書き上げる必要性はありません。秋学期,この本に基づいて講義を進める予定ですが,とくに「違う部分」の説明に注力していくつもりです。
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小売マーケティング・ハンドブック

2012年08月10日 | Weblog
このたび,担当教員の青木は『小売マーケティング・ハンドブック』という著書を同文舘出版より刊行しました。タイトルの通り,小売マーケティングに関する専門書です。大学における教科書として活用されることを念頭においていますが,販売士や中小企業診断士などの資格受験用参考書として活用されることも視野に入れて執筆しました。

マーケティングに関する教科書や解説書はたくさん出版されています。その中には優れた内容のものがいくつも存在しています。しかし,それらは生産者とくにメーカーのマーケティングを取り上げるか,念頭において書かれています。

小売業は消費財流通の多くの分野で主役の座を獲得しています。生産者や卸売業者の活動は大手小売業者の動向に大きな影響を受けています。それを反映して,小売業に関する研究書や論文がたくさん発表されています。また,小売経営の様々な活動を指南する実務書も数え切れないほど出版されています。販売士検定(小売商検定)の問題集を買い求めるビジネスマンや学生が数多いことは書店の棚を見れば明らかです。

にもかかわらず,小売マーケティングの活動全般を整理する,理論的教科書は近年ほとんど出版されていません。そこで,その隙間を埋めるべく,『小売マーケティング・ハンドブック』執筆を企画しました。

入門レベルの流通やマーケティングの解説書と,上級レベルの小売業の専門書とを架け橋する,中級レベルの理論的教科書になることを狙っています。つまり,入門レベルの学習を終えた2年生以上の大学生や,販売士検定を受験する大学生・社会人の理論的学習に役立つことを狙っているのです。

出版社が用意した帯のコピーは,「小売業に入ったら必ず身につけたい小売マーケティングの基本が,読めば,わかる!」となっています。本当に読めばわかるかどうかは,読んでもらわないことには判断できないでしょう。入門レベルのマーケティングを理解している学生ならば,理解できる内容であると思います。
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