『東大合格生のノートはかならず美しい 』という本がヒットしています。成績の良い学生のノートはきれいで内容がきちんと整理されているという事実は,現場教師にはよく理解できます。私は大学教員になったときから成績とノートとの関係に気づいていました。
今,ノートをとれない大学生が激増しています。1年生対象の入門科目で,ノートのとり方を教える大学がいくつもあります。しかも,入学難易度の低い私立大学だけでなく,比較的学力が高い学生が集まる国立大学においてもです。私のように難関ではない大学の教員はずいぶん前からこれに手を焼いてきました。最近ビジネス・マンに大学におけるノートとりの問題を話すと,「実は若い社員でメモをとらない者が増えた。上司が指示してもぼうっと聞いているだけでメモをとらない。分かっているのかと思って様子を見ていると,全然分かっていない。とても仕事を任せられない」という返答がありました。企業の現場でも問題にしているところがあるようです。
大学生や若い社会人がノートをとれない大きな理由は,耳で聞いたことを文章に書き起こせないことです(口述筆記できない)。小中高では先生が詳細に授業内容を板書してくれました。ところが大学では教員はきちんと板書しません。キーワードを書く程度の授業もあります。企業では上司がきちんと板書で詳細に仕事の指示をすることは珍しいでしょう。そうなると,口述筆記する必要があります。しかし,これは,ボキャブラリーの豊富さ,記憶力の高さ,頭の回転の速さを要求しますので,学力低下が起きている今できない若い人が増えているのです。
かつてダイエー創業者である中内功さんの自筆ノートを見せていただく機会がありました。勲一等を受賞し,経団連副会長まで勤めた大経営者のノートは,地位にふさわしくおおまかなものであろうと勝手に想像していたので,見たときには驚きました。小売経営に関する実に詳細な事柄がきれいな字でびっしり書かれていたのです。よく整理されていました。中内さんはメモ魔で,とにかく聞いた話を徹底して書き込んで,ノートを作成したそうです。頭を働かせ,知識を記憶させるためにノートをとっていたそうです。知識に対する貪欲さとノートとりで鍛えた明晰な頭脳が中内さんを大経営者にしたのかもしれません。
ゼミ生はじめ学生の皆さんはノートとりをばかばかしがらずに練習してみてください。高度な知的訓練になります。ノートのとり方を指南した本が沢山出ていますので,それらを参考にしてください。今多くの大学ではFDの一環で黒板等(パワーポイント含む)できちんと授業内容を呈示することを教員に要求しています。口述筆記させるような授業は評価されないという雰囲気もあります。しかし,学生の知的訓練を考えると,口述筆記は重要です。とくに大学卒業後のことを考えると,口述筆記は必須の技術になるでしょう。なぜならば,上司や顧客が自らの指示・要求をきれいに板書して説明してくれる職場が多くあるとは思えないからです。
今,ノートをとれない大学生が激増しています。1年生対象の入門科目で,ノートのとり方を教える大学がいくつもあります。しかも,入学難易度の低い私立大学だけでなく,比較的学力が高い学生が集まる国立大学においてもです。私のように難関ではない大学の教員はずいぶん前からこれに手を焼いてきました。最近ビジネス・マンに大学におけるノートとりの問題を話すと,「実は若い社員でメモをとらない者が増えた。上司が指示してもぼうっと聞いているだけでメモをとらない。分かっているのかと思って様子を見ていると,全然分かっていない。とても仕事を任せられない」という返答がありました。企業の現場でも問題にしているところがあるようです。
大学生や若い社会人がノートをとれない大きな理由は,耳で聞いたことを文章に書き起こせないことです(口述筆記できない)。小中高では先生が詳細に授業内容を板書してくれました。ところが大学では教員はきちんと板書しません。キーワードを書く程度の授業もあります。企業では上司がきちんと板書で詳細に仕事の指示をすることは珍しいでしょう。そうなると,口述筆記する必要があります。しかし,これは,ボキャブラリーの豊富さ,記憶力の高さ,頭の回転の速さを要求しますので,学力低下が起きている今できない若い人が増えているのです。
かつてダイエー創業者である中内功さんの自筆ノートを見せていただく機会がありました。勲一等を受賞し,経団連副会長まで勤めた大経営者のノートは,地位にふさわしくおおまかなものであろうと勝手に想像していたので,見たときには驚きました。小売経営に関する実に詳細な事柄がきれいな字でびっしり書かれていたのです。よく整理されていました。中内さんはメモ魔で,とにかく聞いた話を徹底して書き込んで,ノートを作成したそうです。頭を働かせ,知識を記憶させるためにノートをとっていたそうです。知識に対する貪欲さとノートとりで鍛えた明晰な頭脳が中内さんを大経営者にしたのかもしれません。
ゼミ生はじめ学生の皆さんはノートとりをばかばかしがらずに練習してみてください。高度な知的訓練になります。ノートのとり方を指南した本が沢山出ていますので,それらを参考にしてください。今多くの大学ではFDの一環で黒板等(パワーポイント含む)できちんと授業内容を呈示することを教員に要求しています。口述筆記させるような授業は評価されないという雰囲気もあります。しかし,学生の知的訓練を考えると,口述筆記は重要です。とくに大学卒業後のことを考えると,口述筆記は必須の技術になるでしょう。なぜならば,上司や顧客が自らの指示・要求をきれいに板書して説明してくれる職場が多くあるとは思えないからです。