愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

縦のつながり

2010年10月22日 | 運営
先日,2,3,4年生合同飲み会を開催しました。名目は秋学期からゼミに加わった2年生を歓迎する会です。ゼミは各学年別々の科目となっていて,開講時限が異なっているため,互いに顔を会わせるチャンスはなかなかないのですが,こういう会を開いておくと,インフォーマルに色々学年を超えて交流することが進みます。

少し前にあるゼミ生から,多くの有力大学ではゼミや研究室単位で「縦のつながり」ができあがっていて,卒業してからも年次を超えて交流している。現役学生が卒業生と交流することで,就職活動が有利に運ぶケースもあるようだから,うちの大学・ゼミでもそのようなことができるようにして欲しいといわれました。

卒業生も交えてとなると,なかなか難しいので,数年前から現役のゼミ生が学年を超えて交流するよう心がけています。これがもう少し続くと,卒業生も交えた縦のつながりができてくるのではと期待しています。今回は4年生のゼミ長はじめゼミ生たちがその意をきちんと理解して歓迎会を盛り上げてくれました。

なお,私の目から見ると,うちの学生たち(少なくともうちの学部)の愛校心は関東や関西の有力大学の学生に比べると弱いと思います。これが,一部を除いて,縦のつながりの形成が進んでこなかった原因の一つのように感じられます。うちが有力大学じゃないから,学生は誇りを持てず,愛校心を強く感じないのかもしれません。しかし,それだけではないように思います。愛校心を形成するためには,大学に対する誇りだけでなく,関わりが必要だと思います。そしてそのためには,大学を舞台に,本気で活動し,楽しい思いをし,達成感が持つことが必要だろうと思います。うちの多くの学生たちはそんな経験をしないまま,だらだらと時をやり過ごし,なんとなく単位を取得して卒業していっているように見受けられます。ゼミ生の一人はうちは「ぬるい」大学だと表現していましたが,それでは愛校心は持てないだろうとも思います。

私は大学や学部の改革には関心がありません。ただ,ゼミレベルで,「ぬるい状態」を脱して,勉強を中心に,大学に大きく関わりを持つ学生生活を送ってもらえるよう工夫していこうと思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

記事要約

2010年10月15日 | 運営
今月からゼミ3年生は『日経ビジネス』の記事を要約して口頭で発表するプレゼン練習を始めました。毎年恒例となっています。週1回昼休みに集まって,昼食をとりながら行っています。

『日経ビジネス』はゼミ3年生全員定期購読しています。名古屋マーケティング・インカレ参加条件にそれが入っているということもありますが,何より学生の経済知識向上を目的としています。

各自必ず最新号の中の1つの記事を要約してもらい,1分程度で口頭で発表してもらいます。発表原稿は用意せずに話してもらいます。強制的に『日経ビジネス』を読んでもらうことと,就職面接での応答の練習をすることを意図しています。

これは学生には思った以上に難しいようです。記事の要点をつかみ,自分なりに表現を変え,分かりやすく話すというのは,経済記事を理解するための基礎知識,表現を変えるための豊富なボキャブラリー,人前で落ち着いて話すことができる度胸を要求します。今までの例では,記事の文面を抜き取って読むようなことをする学生が続出しました。それでは要約にならないと何度指摘しても繰り返す者がいました。今年もなかなかうまくいかない状況です。ただ,記事の文面を抜き取って読むようなゼミ生はいませんでした。その点は例年より向上しています。

例年これを行うことで,ほとんどのゼミ生が経済記事を読むことに躊躇しなくなります。『日経ビジネス』だけでなく他のビジネス雑誌を読んだり,日経新聞を読んだり,テレビの経済ニュースに注目したりするようになります。そうすると,ゼミの中での何気ない会話が変わり,マーケティングや景気動向などの経済問題を口にするようになります。こうなることが大変うれしいのです。

こういうことをいうと怒られるのかもしれませんが,うちの学部の場合,学生の間に知的な雰囲気はあまり感じられません。学生間の会話では,せっかく経済を学んでいるのだから日常的に経済のことを差し挟んで欲しいのですが,アルバイト先での出来事や友人の噂など身の回りのことに終始します。何年か前,ある学生が休憩時間にビジネス雑誌をぱらぱらめくっていたところ,他の学生数人がその光景を見て,「あいつ学生のくせにあんな難しい雑誌読んでるよ。おかしい奴だ」と噂していました。そのことに私はショックを受けました。高等教育機関である大学で経済を学んでいるのだから,ビジネス雑誌を読むことなど当たり前のことなのに,それを変なことだと認識してしまうほどうちの学生のレベルは低いのかと。

それ以降,せめてゼミではこういう雰囲気を変えなくてはならないと決心しました。しかし,なかなかうまくいかなかったのでしたが,意外にも『日経ビジネス』の強制定期購読が突破口になりました。昨年度,一昨年度,卒業の際に,ゼミ生たちにゼミで思い出に残ったことを話してもらうと,半数以上の者が『日経ビジネス』の購読をあげました。3年生たちも,上級生たちのように,ゼミの中での何気ない会話で経済問題を口にするようになり,卒業時に『日経ビジネス』の購読がためになったといえるように変化して欲しいと思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中間発表会2回目

2010年10月04日 | 名古屋マーケティング・インカレ
10月2日に名古屋マーケティング・インカレ第2回の中間発表会が名城大で行われました。第1回に引き続き4大学から20チームが参加しました。

例年,第2回の中間発表は「良くない発表」が続出します。せっかく第1回でそれなりに研究方向性を示したのに,それに沿わない,何を主張したいのかよく分からない混乱したものが続出するのです。なぜそうなるかといえば,夏休み中にあれこれ調べて学んできたことをうまく整理できず,せっかく調べたのだからと,とりあえず得た知識をみな発表に盛り込もうとするからです。あるいは場合によっては,チーム内で衝突が起き,それを解消できないために焦点を絞り切れず,妥協の産物を発表内容としてしまうという理由もあります。

今回も例年通りかなと予想して発表に接しましたが,予想とは違って,焦点の絞られたしっかりした発表が相次ぎました。みな何がやりたいのかをきちんと語っていました。また,多くのチームは目的を達成するための方法もそれなりに案出し,本大会までの課題を示していました。

質疑応答も昨年よりもレベルが上がっています。ロジックのおかしさや目的の不明瞭さをきちんとつく質問ばかりでした。ピントのずれた応答もありましたが,その場限りのはぐらかしという感じで答えているものはありませんでした。聴講した教員はみな「レベルが上がった」という感想を漏らしていました。

発表会後の懇親会では,バカ騒ぎをするだけでなく,大学を超えて,学生間で発表内容の良し悪しを語ったり,学生が教員に改善点を質問したりする光景があちこちで見られました。私も,愛知大,名古屋学院大,名城大の各チームからあれこれアドバイスを求められ,感想を述べました。「学生研究発表の理想に近づいている」という気分を味わいました。本大会が楽しみになっています。

「勝ちたいから必死なんです」と述べるチームがありました。それはそれで重要なモチベーションです。私は自分のゼミ生には勝ち負けにはこだわらず,「恥をかくな」「堂々とした発表をしてくれ」といつも諭しています。本大会で堂々とした発表をして,他大学の学生や教員から「君たちはすごいね!」と言ってもらえ,その言葉を胸に,懇親会でじんと酒に酔うことができれば最高ではないですか。誇りや達成感という表現が当たるのかもしれませんが,それはともかく,そのひと時を獲得して欲しいと思っています。

今回うちのゼミに関しては,少々内弁慶で,他大学教員や学生との意見交換を積極的に行っていない印象でした。この先2か月間,他大学の様々な教員や学生,あるいは大学以外の企業人や消費者から意見を得て改善を図るように努力して欲しいと思っています。そうしないとじんとくるひと時は味わえません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする