人生アラカルト

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映画「舟を編む」の面白さ

2013-05-18 17:53:40 | 判断は勝手
映画「舟を編む」を観た。
20数万語を要する新辞書を15年がかりで編集するという壮大で、恐ろ
しく地味な内容の仕事を成し遂げる内容。2012年の本屋大賞に輝いた
三浦しをんの作品を映画化したものだ。

映画館は相変わらず、予告が多くて長い。まばらな客席に向かって、映
画を複写すると1000万円の罰金だとかつまらんお知らせを、毎度見せ
つける。

最近の映画の傾向ははなんとか実行委員会とか、プロデュースした
企業がらずらずら並んでいる。本屋さんが辞書の話か。なんか、我田
引水のような。


辞書の編集に焦点を当てる企画は、「へー」と思う。辞書は使ってみて
便利だが、辞書作りをしてみよう思う人がいたら、お目にかかりたい。
映画では、そのお目にかかりたい人たちが出てくる。

考えてもみよう。15年先、出版の世界どうなるか。いまでも電子辞書が
ばんばん出てくる。紙の本は残っているかどうかもわからない。
辞書をつくれといわれたら、私には無理、別の仕事を探す。

映画では新語をみつけるために、若者たちの会話に聞き耳をあり立て 
たりしているが、大半は間違い探しの作業が続くのだと、思う。

辞書に一字でも間違いあってはその辞書は売り物にならない。映画の
ように眠さをこらえての作業はありえない。そこは映画。ぼーとした主人
公にあんな美人で出来た女性に好かれるのも、映画。といって、目的に
向かって妥協を許さない男の姿勢に注目。

私は今日の仕事は明日分かるという新聞記者を長年やっていた。辞書
という息の長い世界は憶測の域をでない。しかし、文字の持つ恐ろしさ
を十分に認識している。