人生アラカルト

どうせ過ごすなら楽しくね。

越前海岸に咲く水仙が届いた

2015-12-29 10:45:50 | 80はミステリーゾーン
妻の一周忌を迎えた大学の後輩は、越前海岸に咲く
水仙を知人、友人に送った。

後輩は地元新聞社の要職についたあとテレビ局の社
長を務めた金沢では有名な人物である。

私は金沢大学の社会学研究室の同窓会を通じて後輩
と顔を合わせている。
最近は新潟へ行く途中、サンダーバードから北陸新
幹線に乗り換える金沢で、彼と会う。

同窓会では数少ないマスコミ出身で、記者の経験の
あるもの同士、話が合う。新聞社は違っても記者と
して共通の話題が多い。ざっくばらんな飾らない性
格が私は好きである。

その彼も、奥さんが亡くなった時は相当ショック
が受けていた。社長一人で大丈夫かな、と思ってい
たところ水仙を送って来た。

今度は私がしんみりする番であった。

水仙は冬に越前海岸で咲く。私は記者5、6年のころ
近くの武生に赴任していた。武生から越前海岸へは
バスで1時間くらいかかる辺地であった。

一人勤務をいいことに、よく妻を誘って海岸を訪れ
た。

冬は水仙が咲くばかりでなく、カニのシーズンが続
く。カニは今も昔も安くは食べられない。
しかし、越前海岸へ行くときは、カニ、はまちなど
魚を食べるのが楽しみであった。

良い頃のよい想い出である。

水仙は海岸の小高い丘にびっしりと咲いていた。
真ん中の黄色の弁を白い花びらが取り囲む。
ほんのり香りを漂わせながら咲くは清楚である。

日本海の荒波を超えて吹く強い風に必死に耐えて
咲く。

送ってくれた水仙は毎日、水を換えて妻の写真の前
に飾っていたが、今日ついに葉っぱが黄色くなって
きた。

越前海岸の光景が消えるのも、あとわずか。