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阿川佐和子さんの「聞く力」

2012-12-11 23:48:43 | 神技
70万人が泣いた!笑った!そして納得ーと帯広告にある。
題に引っ張られて70万プラスの中に入れてもらった。

パラパラ、ページを開くと、これは阿川流のつぶやきで
あることが分かった。

「聞く」ことには違いないが、テレビであり、雑誌の世
界であって、新聞記者出身の私流の取材方法ではなかっ
た。

現役のころの話。京都で宗教記者をしていた。京都には
主に仏教系の本山がいくつかある。多くは鎌倉時代に創
設されたものだが、記者の認識の程度も様々である。

なかでも、禅については分かったような分からないよう
な。ある日、各社うちそろってある禅僧を訪ねた。

ある記者が質問する。「結局、禅とはどういうものです
か」。この種の質問が最も厳しい。

聞かれたお坊さんはどう答えたらよいかつかめない。

記者が禅についてまるきり知らずに聞いているのか、少し
の知識があって聞いているのか、瞬時に判断しなければな
らない。

お坊さんは答えに困って、「禅とは無だね」と云った。
「無ってなんですか」

これは果てしない問答が続く。

他の記者たちはいらだつ。聞きたいことがはぐらされて
いるからだ。

かつて、ノーベル賞の湯川博士が記者を選んだという話は
納得できる。

比叡山のえらいお坊さんに聞いた話。ある記者が取材に来
た。記者はノートなしだった。

取材されていお坊さんは方は、記者がメモを取らないので、
雑談かなと思っていた。

ところが、新聞を見て驚いた。
お坊さんがしゃべったことは何の狂いもなく、紙面に出て
いた。


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