人生アラカルト

どうせ過ごすなら楽しくね。

妻の遺骨を抱いてくれた女将と再会

2013-11-08 18:40:24 | 不思議な話

先斗町は灯がはいって人通りが多くなった。「山とみ」では、

お客さんが入れ替わっていた。

「72やさかい」

女将さんが言う。

そうか。私よりずっと下やった。

友人のyさんは、おでんがうまいといって大根を注文する。

女将さんは、昔ポスターにも描かれるほどの別嬪さんやっ

た。いまでも面影がある。愛想がよく、客あしらいがうまい

ので、客は絶えることはない。

 

かつて妻と娘を連れてここへ来たとき、水戸黄門の助さん

がいた。そう、この店は役者がよく来る。とくに南座で芝居が

かかると、名の知れた役者が顔をだす。

その時の店は一段と賑やかだった。助さんはなにを思った

か、娘に色紙を書いてくれた。ねだったりはしていないのに。

改めて色紙を見るとー

「63年4月、横内正 暴れん坊将軍 大岡越前の守」  

あれ? 助さんとばかり思っていた。あれから、25年か。

 

先斗町を抜けて、高瀬川をわたり、河原町通り向かう。

「昔、このあたりによく行ってた店がありました・・が・・

あらー、なんや、あるよ???店、無くなったはずやの

に」

《くいしんぼ》

青地に白抜きの忘れもしないネオン。

周りの飲食店に負けじと輝いているではないか。

「ちょっと、入ろう」 yさんに声をかけると入り口の戸を

開けた。

「いらっしゃいませ」の声はない。

中は込んでいた。

 

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿