日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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花を楽しむ。

2011年06月08日 13時09分00秒 | 日記
この季節はバラを初め色々な花が楽しめる。
今日アップしたのはクチナシの花であるが、私のデジカメの中には、ユリやアジサイやホタルブクロなど、まだまだたくさん入っている。

私が植物に興味を持ったのは、5歳か6歳か・・・・いずれにしても小学校へ入学する前であった。山中で植物採集に来ていた静岡大学の先生と偶然に出遭ったことによる。
そのとき、私は山奥で炭焼きをしていた両親の所へ行く途中だったので、先生を両親のいる炭焼き窯の場所へ案内した。大学の先生は両親にこれから登る「牛ヶ峰」への道順を訊ねたのである。別れ際に先生は缶入りのドロップを缶ごと私に呉れた。

ドロップを缶ごと呉れた先生の姿は今でも鮮明に覚えている。チロリアンハットというのか・・・登山帽をかぶり、シャツやズボン、靴はいずれも登山スタイルであった。帆布製のリュックを背負い、手には「根掘り」を持ち、肩からブリキ製の「胴乱」をかけていた。もっとも、「根掘り」も「胴乱」もずっと後から名前を知ったものである。

小学生の頃、牧野富太郎博士のところへ出身地の高知県から飛行機で「やまもも」の実が届けられたという新聞記事を読んだことがある。そんな訳で、植物学に対しては小学生の頃から意識していたのだと思う。

中学生になったとき科学部へ入部し、理科の先生から指導を受けながら蘚苔類の研究をした。研究といってももっぱら採集をしてスケッチをして名前を調べた程度である。
この理科の先生は渡辺というお名前だったが「火の玉」の研究などをしていたちょっと風変わりな人物だった。

商業高校に入学したとき、たまたま中学の先輩からの誘いを受けて生物部へ入部した。ここでももっぱら植物採集をした。
安倍川流域の主な山はほとんど登ったし、夏休みには天城山系を縦走したりもした。

顧問の伊藤先生が採集したキバナノショウキランなどという珍しい植物標本も見た。

現在、64歳になった私は、当時覚えた植物分類学のほとんどを失念してしまっているが、それでも普通の人よりも多くの植物名を知っている。

土木技術者として治山工事や林道工事、或いは公園、街路工事などの植樹や緑化工事などで植物に対する知識も少しは役に立ったが、今になって一番に役立つのは俳句を書くときである。
俳句の季語には植物がたくさんあるし、花を見たときに何の花かということが直ぐに判るからである。

俗に三つ子の魂百までもというが、子供のころに貰った一缶のドロップは私の人生に花を楽しむということを残してくれたのである。