お茶に含まれる放射性物質の検査結果について9日、静岡県から発表があった。
それに拠ると静岡市葵区藁科地区の1番茶の「製茶」から国の暫定基準値・・・1キログラム当り500ベクレル・・・を超える679ベクレルの放射性セシウムが検出された。
該当する茶を製造した工場は既に特定されており出荷自粛と自主回収を要請済みであるという。
お茶というのは通常、茶畑で露地栽培されている。茶畑から摘み取られた(或いは刈取られた)状態の茶を「生葉」という。
製茶工場では生葉を蒸気で蒸して幾つかの工程を経て「荒茶」に加工するのであるが、単純に表現すれば水分の含有率を3~4パーセントにまで乾燥させるのである。この状態で生葉1トンは荒茶200~250キログラム程度になる。
つまり、生葉は荒茶になる過程において重量換算で四分の一乃至五分の一にまで濃縮されるのである。私たちが普段飲んでいる煎茶はこの荒茶を更に精製加工したものである。
お茶を淹れるときは少量の茶葉を急須などに入れて白湯を注いで出すのであるから、実際に飲用するときは含有される放射性物質も数百倍に薄まってしまうのである。だから、国の暫定基準値を少しぐらい上回っていたからといって決して大騒ぎするような問題ではないのである。
因みに、今回679ベクレルを検出したお茶2グラムを毎日1リットルずつ1年間飲み続けたときの被爆量は0.04ミリシーベルトであり、これはレントゲン撮影1回で受ける0.05ミリシーベルトを下回る数値でまったく問題にはならないものである。第一、1キログラム当たり500ベクレルというのは食べる食品の暫定基準値であって、お茶は飲み物である。
私の主治医にいわせれば糖尿病に効くともてはやされている天然バナジウム水からも微量の放射線は放出されているそうである。バナジウム水の放射線は身体に良くてお茶の放射線は身体に悪いという理屈は成り立たないのである。
今回、問題となった「藁科地区」というのは安倍川の支流藁科川流域一帯を指すが、旧安倍郡服織村・中藁科村・南藁科村・清沢村・大川村など相当に広範囲を示す表示であるので、もう少し地域を限定する必要がある。
皮肉なことに藁科川上流の旧・安倍郡大川村栃沢は静岡茶の祖と敬われている聖一国師円爾弁円の生まれたところである。
聖一国師は釜石峠を越えて栃沢の生家へ戻る途中の安倍郡美和村足久保奥長島の地へ、宋から持ち帰った茶の実を播いたとされる。この由緒をもってこのあたりで産するお茶を特に「本山」と称している。本山茶、なかんずく足久保茶は大御所徳川家康が愛飲したことでも夙に知られている。
さて、安倍郡美和村のお茶農家に生まれた私が本山茶の弁護にこれつとめるのは至極当然のこととして、県や市などの行政当局には東京電力に対する損害賠償請求などに怠りなきようお願いしたい。
そして、真に遺憾なことは、今回のお茶に対する放射性物質検査において突然として放射性物質の存在が明らかにされたことである。お茶の中に放射性物質が存在するということは、それがいかに濃縮されたものであったとしても静岡市にも放射性物質が降り注いでいたという物的証拠である。
お茶に限らず他の野菜にも、いや私たち人間にも放射性物質が容赦なく降りかかっていたということである。
国にせよ県にせよ行政当局は都合の悪い情報を隠さないでもらいたい。一体、何時の時点でどれほどの放射性物質を浴びたのか真実を明らかにしてもらいたいと願うものである。
それに拠ると静岡市葵区藁科地区の1番茶の「製茶」から国の暫定基準値・・・1キログラム当り500ベクレル・・・を超える679ベクレルの放射性セシウムが検出された。
該当する茶を製造した工場は既に特定されており出荷自粛と自主回収を要請済みであるという。
お茶というのは通常、茶畑で露地栽培されている。茶畑から摘み取られた(或いは刈取られた)状態の茶を「生葉」という。
製茶工場では生葉を蒸気で蒸して幾つかの工程を経て「荒茶」に加工するのであるが、単純に表現すれば水分の含有率を3~4パーセントにまで乾燥させるのである。この状態で生葉1トンは荒茶200~250キログラム程度になる。
つまり、生葉は荒茶になる過程において重量換算で四分の一乃至五分の一にまで濃縮されるのである。私たちが普段飲んでいる煎茶はこの荒茶を更に精製加工したものである。
お茶を淹れるときは少量の茶葉を急須などに入れて白湯を注いで出すのであるから、実際に飲用するときは含有される放射性物質も数百倍に薄まってしまうのである。だから、国の暫定基準値を少しぐらい上回っていたからといって決して大騒ぎするような問題ではないのである。
因みに、今回679ベクレルを検出したお茶2グラムを毎日1リットルずつ1年間飲み続けたときの被爆量は0.04ミリシーベルトであり、これはレントゲン撮影1回で受ける0.05ミリシーベルトを下回る数値でまったく問題にはならないものである。第一、1キログラム当たり500ベクレルというのは食べる食品の暫定基準値であって、お茶は飲み物である。
私の主治医にいわせれば糖尿病に効くともてはやされている天然バナジウム水からも微量の放射線は放出されているそうである。バナジウム水の放射線は身体に良くてお茶の放射線は身体に悪いという理屈は成り立たないのである。
今回、問題となった「藁科地区」というのは安倍川の支流藁科川流域一帯を指すが、旧安倍郡服織村・中藁科村・南藁科村・清沢村・大川村など相当に広範囲を示す表示であるので、もう少し地域を限定する必要がある。
皮肉なことに藁科川上流の旧・安倍郡大川村栃沢は静岡茶の祖と敬われている聖一国師円爾弁円の生まれたところである。
聖一国師は釜石峠を越えて栃沢の生家へ戻る途中の安倍郡美和村足久保奥長島の地へ、宋から持ち帰った茶の実を播いたとされる。この由緒をもってこのあたりで産するお茶を特に「本山」と称している。本山茶、なかんずく足久保茶は大御所徳川家康が愛飲したことでも夙に知られている。
さて、安倍郡美和村のお茶農家に生まれた私が本山茶の弁護にこれつとめるのは至極当然のこととして、県や市などの行政当局には東京電力に対する損害賠償請求などに怠りなきようお願いしたい。
そして、真に遺憾なことは、今回のお茶に対する放射性物質検査において突然として放射性物質の存在が明らかにされたことである。お茶の中に放射性物質が存在するということは、それがいかに濃縮されたものであったとしても静岡市にも放射性物質が降り注いでいたという物的証拠である。
お茶に限らず他の野菜にも、いや私たち人間にも放射性物質が容赦なく降りかかっていたということである。
国にせよ県にせよ行政当局は都合の悪い情報を隠さないでもらいたい。一体、何時の時点でどれほどの放射性物質を浴びたのか真実を明らかにしてもらいたいと願うものである。