日々是好舌

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汚染水 タンクの場所が 拙かった

2013年08月21日 11時08分18秒 | 日記
 福島第一原発のある大熊町の当該地は、元々は長者ヶ原陸軍飛行場の飛行場跡地だった。第二次大戦後、この土地は民間に払い下げられた。海岸は高さ30m余りの断崖で、国土計画興業が製塩のための塩田として広大な敷地を買収していたが、製塩事業は原発の調査時点では終了していた。また、残りの予定地も民有地だったが、一部が農地として使用されていた程度であり、残余は山林原野であった。

 東京電力は調査を進展させつつ、1964年に入ると用地買収交渉を開始、二期にわたる320万平方メートル(約96万坪)の買収価格は約5億円で、この他に社宅用地その他として約8万平方メートル(約2万4000坪)を買収した。

 本発電所の立地点は相双地帯南部の海岸段丘地帯に位置し、ゆるい傾斜のある丘陵であった。東側は上述のように元々は急峻な断崖であった。地質としては下層に砂岩、その上層にある富岡層に属するシルト岩が主体であり、更にその上を砂礫からなる段丘堆積層が覆っているが、その層厚は不整合である。砂岩はかなり締まっておりN値40以上であったという。

 と、まあいつものように前置きが長くなったが、事故発生以来の懸案事項である汚染水の処理問題は、根本的にこの地形に原因がある。

 原発敷地内には、丘陵地帯から湧き出す地下水が毎日1000t流入している。これは原発事故以前からのことで元々、井戸でくみ上げて管理していたが、事故で井戸がつかえなくなり、そのままの状態であったようだ。

 
 地下水1000tのうち建屋内には400tが流入している。この400tは汚染水として汲み上げられて丘陵地帯に設けられたタンクへ貯蔵している。残りの600tの地下水は汚染の有無は不明だがどこへ行っているのかが判然としない。最近の報道では300tは海へ流出していたというが、それでも300tの行方は不明である。最近になって海側へ遮水壁を設けたようだが、その結果として地下水位が上昇して結果は思わしくないようである。

 本来、地下水は清浄であるはずだ。だから、原発の山側で汲み上げて海へ放流することも可能なはずであるが、なぜそれができないのか。

 答えは単純である。山側の台地上に42万tもの汚染水貯蔵タンクを設置したの拙かったのである。タンクからは既に大量の汚染水が漏れ出しており周辺の土壌も放射能汚染が進んでいると思われるからだ。清浄であるべき地下水が既に汚染されている可能性があるから地元の漁業関係者なども山側からの流入地下水のバイパス放流に賛成しないのではないだろうか。

 地下水というものは厄介なものだ。つまり、山側からの流入を止めれば今度は海側から逆流することにもなる。単純に流入を止めれば地盤沈下も考えられる。

 この汚染水処理問題は有効な手立てを早急に立てないと大変なことになる。何しろ一日当り400tである。一年365日では14万6000t。これまで海に放出していた300tを敷地内で汲み上げたとして一日当り700tとして計算すれば年間当り25万5500tということになる。

 廃炉までの年月は何年かかるのだろうか。仮に20年としても511万トンということになる。そんなことをしている間にタンクが老朽化してまた漏水騒ぎを起こすだろう。

 最近の対策案として地下水を遮断しておいて地盤を凍結させるということも検討されているようだ。

 我々素人には解らないが、凍結だろうと遮断壁で囲おうと方法はいろいろあるだろうが、兎に角、有効な対策をスピード感をもって講じていただきたい。

 そして、これまでに貯蔵されている汚染水、これから発生する汚染水の処理方法も早急に技術開発する必要があるのではないだろうか。
コメント (2)
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