2009年11月19日(木曜日)
風力関連の記事をアップします。
CEF社の南あわじウインドファームがらみです。
書いたのは、毎日新聞の日野行介記者。
現在は大阪ですが、そのまえは敦賀でゴミ問題に精力的に取り組んでくれた
記者さんです。
提訴:風力発電、余生吹き飛ぶ
「低周波音で」兵庫・宝塚の男性、淡路島の家に住めず
◇販売会社「迷惑施設ではない」
近くにできた風力発電施設の低周波音などで頭痛や耳鳴りに悩まされ、
夫婦で余生を過ごそうと淡路島に購入した家に住めなくなったとして、
兵庫県宝塚市の男性(67)が大阪市内の住宅販売会社を相手に、
4000万円の損害賠償請求訴訟を大阪地裁に起こした。
「風力発電ができると説明しなかった」とする男性側に対し、
被告の会社側は「風力発電は迷惑施設ではない」と反論。
風力発電と健康被害の因果関係も大きな争点になりそうだ。【日野行介】
先月5日に提訴。
訴状によると、男性は05年11月、
兵庫県南あわじ市の土地約600平方メートルを2100万円で購入。
約5000万円かけて住宅を建て、夫婦で転居した。
しかし06年11月、約400メートル北東側の丘陵地にある
風力発電が稼働すると、2人とも頭痛や耳鳴り、不眠などの症状が出始めた。
耐えられずに08年9月には宝塚市内の旧宅に戻ると、症状は治まったという。
男性側は「風力発電が出す騒音や低周波音、電磁波が健康被害の原因」とし、
「販売会社は住宅を購入した当時、風力発電施設ができるのを
知っていたのに説明しなかった」と主張。
これに対し、会社側は「風力発電は(健康被害を引き起こす)迷惑施設ではなく、
売買時に説明する必要はない」などと答弁書で反論している。
この施設は、北海道根室市の風力発電会社「クリーンエナジーファクトリー」
(CEF)の子会社が建設。
高さ約85メートルの風車15基があり、
総出力は3万7500キロワットで西日本最大級。
CEFは「低周波音と健康被害との因果関係は科学的にはっきりしていない。
法令に従って建設しており、周辺住民の苦情には誠意を持って
対応するようにしている」としている。
◇被害訴え相次ぐ
化石燃料を消費しないクリーンなエネルギーとして期待される風力発電。
一方で、周辺住民が「事前に話し合いがなかった」と苦情を申し立てたり、
低周波音による健康被害を訴えるケースも相次いでいる。
静岡県東伊豆町に17年前に引っ越した川澄透さん(79)は、
07年末に自宅から約600メートルのところで風力発電が動き出すと、
頭痛やめまいなどの症状が出始めたという。
事業会社や自治体、環境省に訴えたが「規制する法律がない」と
説明されたといい、「事前に何の説明もなかった」と不信感を募らせる。
独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」の統計によると、
風力発電施設は2000年代に急増。
08年度末までに全国で1517基、総出力は原発1基分を超える
約185万キロワットに達している。
近隣の苦情などから環境省は今年度、愛知、愛媛県内で実態調査を実施。
環境影響評価法の対象施設にすることも検討している。
NPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は
「欧州では土地利用の区分けが明確で、突然、
住宅地の近くに風力発電ができるようなことはない。
今後は法整備が必要だろう」と指摘している。【日野行介】