金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】日本人が、移民を国民として受け入れる覚悟とは?

2019-02-14 07:33:37 | 金融マーケット
 日本人が、海外からの移民を国民として受け入れるには、どのような覚悟が必要なのでしょうか?

 ところで、日本では過去、こうした海外からの移民を受け入れた実績はないのでしょうか?
 まず古いところでは、縄文時代から弥生時代へ変わる時、おそらく弥生人は大陸や朝鮮半島から渡ってきた人々だったはずです。弥生人は農業技術を持っていて、大陸の農業技術を日本にいる縄文人に伝えたと思われます。縄文人にとって大陸文化を運んできた弥生人との出会いは衝撃的だったと思いますが、自分たちの生活を安定化させる農業を学ぶために、友好的に交流して、そして自然に融合をしていったと思われます。これは現代日本人のDNAを見ても明らかです。

 それから飛鳥・奈良・平安時代に朝鮮半島から来訪した渡来人も、大変なインテリ層だったり、高い技術の伝承者だったこともあり、敬意をもって受け入れられ、自然に日本人として融合していきました。

 最も酷い対応を受けたのは、明治以降、日本の支配下となった朝鮮半島や台湾、あるいは占領下にあった中国大陸から渡ってきた人々です。安い賃金労働者として、日本の工業化に貢献する立場で出迎えながら、当時の日本人は、主従を明確にするように、彼らを明らかに差別の対象にしてしまいました。それでは「融合」は実現できませんし、結局これが今に至るまでの「敵意」「恨み」の原因になっていると思います。

 もし今回、海外からの移民を受け入れる判断をしたならば、彼らのことを「成長を共有する仲間として敬意をもって受け入れる」覚悟が必要です。ここがまず、成否の分かれ目になると思います。そして豪州の「ポイント制」なども参考に、移民の受入れスピードを上手くマネージメントすることができれば、新たな仲間を増やしつつ、日本は再度成長ステージに戻ることができるでしょう。

 現在の日本は、労働力不足を埋めるために、とりあえず5年間を限度として外国人の業務研修を認めよう、ということになっていますが、この発想の中には、せっかく日本に来てくれる彼らに対する敬意の念は微塵も感じられません。

 

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