表題の「2019年生まれ 世代別サイヤーランキング」とは、すなわち、昨年のダービー翌週から始まるJRA新馬戦から、今年のダービー当日までの3歳戦すべてにおける種牡馬成績ランキングを指します。
一世代だけの比較ですから、ベテランの種牡馬も、新種牡馬も、基本は同じ条件での比較になりますので、今後の種牡馬トレンドを見ていく上、旬な指標になるもの。
さて、最終結果が出ました! 5月29日までの最終ランキングは以下のとおり!!
第1位 ドゥラメンテ 勝利数68勝 AEI 1.61 賞金11億93百万円
第2位 ロードカナロア 勝利数77勝 AEI 1.37 賞金10億75百万円
第3位 ディープインパクト 勝利数64勝 AEI 2.46 賞金10億51百万円
第4位 ハーツクライ 勝利数48勝 AEI 2.38 賞金10億17百万円
第5位 ドレフォン 勝利数62勝 AEI 1.72 賞金8億78百万円
第6位 エピファネイア 勝利数46勝 AEI 1.47 賞金7億57百万円
第7位 ハービンジャー 勝利数40勝 AEI 1.34 賞金6億88百万円
第8位 ダイワメジャー 勝利数38勝 AEI 1.90 賞金6億12百万円
第9位 キズナ 勝利数40勝 AEI 1.38 賞金5億72百万円
第10位 キタサンブラック 勝利数34勝 AEI 1.67 賞金5億48百万円
前回の5月15日現在からの動きでは、やはり、オークスで2冠となったスターズオンアースの活躍でドゥラメンテが躍進、結果としてこの牝馬2冠により、ドゥラメンテが初の世代別リーディングサイヤーの栄冠に輝きました。そして、産駒ダノンスコーピオンがNHKマイルCを制し、さらには世代最高の77勝をあげたロードカナロアが第2位。この1位2位の賞金額11億円台、10億円台というのは立派であります。
一方で、2008年生まれから2018年生まれまで、世代別サイヤーランキングで首位を譲ったことがないディープインパクトは初の敗北となり、3位に転落。また、日本ダービーでドウデュースが勝利して、ダノンベルーガが4着となったハーツクライが、最終週に賞金額を急伸させて第4位にランクアップ致しました。特に、この3位と4位のAEIは、他の種牡馬とは大台が異なっており、産駒数が少なくなっただけで、品質面では他を圧倒していることが判ります。
逆の言い方になりますが、産駒頭数は多いものの、AEIがなかなか伸びないロードカナロア、ドゥラメンテ、エピファネイア、モーリスあたりにとって、ここが大きな課題と言えます。
次に新種牡馬の成績を見てみましょう。新種牡馬ドレフォンが堂々の第5位にランクインしています。皐月賞馬ジオグリフをはじめ、芝・ダートを問わず、活躍馬を多く出したことが好成績の主因です。サンデーサイレンス系牝馬との相性も良いため、次年度以降も活躍が期待されます。そして、第10位にはキタサンブラックが入っています。産駒数が少ないため、当初は上位にランクインしませんでしたが、イクイノックスが皐月賞2着、ダービーも2着と活躍したため、ラスト週にベスト10に入りました。
この他、シルバーステートが11位、イスラボニータが16位に入っており、新種牡馬が予想以上に活躍した世代となりました。
以上のように、2019年生まれの世代別リーディングサイヤーは、王者ディープインパクトが初めて首位から転落して、新王者ドゥラメンテが栄冠に輝きました。しかし、ロードカナロアやハーツクライ、ドレフォンらとも僅差であり、しかも、AEIは平均レベルという内容だったため、次の「スーパー種牡馬」が確定したと言えるものではありませんでした。
2020年生まれのデビュー戦は来週に迫っています。エピファネイアやキズナの巻き返し、また期待の新種牡馬であるサトノダイヤモンドやリアルスティールの産駒たちの走りにも注目であります。
このあたり、まずは「2歳リーディングサイヤーランキング」として、時々、このBlogでもご紹介して参ります。