金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【台湾有事リスクの背景②】 長期化するウクライナの戦いから学ぶ、中国の軍事技術!

2022-06-15 05:35:32 | 中国

 昨日からの続きです。台湾有事リスクを考えることは、今や日本の有事リスクを考えることと等しいので、引続き、このテーマを考えます。

 

 ところで、台湾有事と言っても、今のウクライナ紛争の長期化を見るにつけ、侵攻する側の難しさは予想以上だと感じます。ましてや、海に囲まれた台湾に、中国人民軍が侵攻していくことは、さらにハードルが高くなるものと思います。

 今回のウクライナ侵攻でも、ロシア軍は定石どおりに制空権を制圧するアクションから始まりました。先制攻撃として、ウクライナ軍の航空基地を破壊して、航空戦力を殲滅。また航空管制システムと対空ミサイル基地も破壊して、制空権を完全に制圧‥したかに見えました。

 

 しかし、一人で簡単に運べる「ハンディ対空ミサイル」および「ハンディ対地ミサイル」が、各地域に数多く配布されており、軍の兵隊だけでなく、民間人ですら、民家の陰からハンディミサイルを撃ってくるという想定外の反撃を受けてしまいました。このため、ロシアの輸送機や戦車隊は、予想を遥かに超える被害を受け、多大な死傷者を生んでしまいました。

 このような、どこから出てくるか分からないようなハンディミサイルを駆逐するためには、ハンディミサイルを感知するセンサーを搭載したドローンを何万台と飛ばして、そのセンサーに反応した場所を小型ミサイルで攻撃できる、これもドローンの攻撃兵器を何万台と用意する必要があります。

 

 このようなドローン兵器の最先端技術を持っているのが中国人民軍。今までの上陸戦とは、全く異なる闘い方を、無数のドローン部隊によって実現する準備を始めているようです。こうなると、まるで映画「ターミネーター」に出てきた、近未来の機械 対 人間の戦争のようです。

 こうした「戦い方の変化」に、当然ながら米軍も対応を始めていると思いますが、我が自衛隊の準備対応は全く間に合っていないと思います。台湾にドローン兵器が飛ぶときには、石垣島や宮古島にもドローン兵器の脅威が及ぶことを考えておかねばなりません。(続く)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする