日本ダービーが終了して、早くも関心は来年のクラシックを見据えた2歳戦へ! となりそうですが、ちょっと今年は様子が異なります。何と言っても、週末の安田記念(GⅠ)には、香港の最強馬ロマンチックウォリアーと2023年香港マイル2着のヴォイッジバブルの2頭が参戦してきます。
世界の競馬情勢を見るに、芝1600m~2400mの世界は今や日本の馬が最強と見られており、日本の有力馬が、ドバイへ、香港へ、あるいは欧州か米国へと遠征して、芝のGⅠレースで大活躍をしている状況。しかし、逆に欧州・米国・豪州・香港などから、日本のGⅠレースへ遠征してくる馬は、この10~15年、非常に珍しくなってしまいました。
それは外国馬が、日本馬のホームグラウンドでは全く勝てなくなってしまったから。わざわざ長距離遠征をしても勝てないと思ったら、当然ながらもう来ませんよね。
ところが、今年の高松宮記念では、香港のビクターザウィナーが抜群のスピードで3着に粘り込み、あわや勝利かという走りを見せてくれました。これがトリガーという訳ではありませんが、安田記念では、香港の2000m路線のNO.1ホース、すなわち香港最強馬であるロマンチックウォリアーが参戦してきます。
このロマンチックウォリアーは香港の6歳騙馬で、過去に香港カップ(GⅠ)2連勝、QE2世カップ(GⅠ)3連勝のほか、豪州の伝統GⅠであるコックスプレートにも勝っている芝2000mの世界的名馬。芝2000mのチャンピオンホースが府中マイルでどうかという面はありますが、府中マイルはもともと芝1800m~2000mもこなせる馬が好走するコースですので、問題はないと思われます。
またもう1頭のヴォイッジバブルも、香港マイル2着の実績がある5歳騙馬で、今後の香港マイル路線や2000m路線で覚醒しそうな強豪です。明らかに、香港競馬のエース格2頭によって、日本競馬の象徴的なチャンピオンコース=府中マイルを征服しようとする挑戦的試み。香港競馬サークルの意気込みを感じさせる遠征であります。
迎え撃つ日本馬は、GⅠ馬の5歳牡馬セリフォス、5歳牝馬ナミュールのほか、GⅠレース常連組である6歳牡馬ソウルラッシュ。
かつて、グランアレグリアやインディチャンプ、アーモンドアイなどが犇めいていた頃に比べると、日本のマイル路線がやや手薄になったと思われているのかもしれません。
久しぶりに世界のトップホースが来日して、それを日本馬が迎え撃つ構図の安田記念。
台風の影響などで馬場の悪化が心配ですが、せっかくなので良好な馬場状態での「日香決戦」を期待したいところ。
大注目の安田記念。スタートは6月2日(日)の15時40分。注目致しましょう!